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冷たいスイーツが食べたくなる夏を前に、韓国の人気かき氷店『SULBING(雪氷:ソルビン)』が、日本1号店となる『SULBING HARAJUKU』(以下、SULBING)をオープンしました。

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2013年、韓国・釜山に1号店を出したSULBINGは、韓国の伝統菓子を現代風にアレンジして提供するコリアンデザートカフェ。若者を中心に大ヒットし、韓国でのかき氷ブームの火付け役となった人気店です。

日本の1号店は、JR原宿駅竹下口から徒歩1分という好立地。多くの若者で賑わうこの場所が選ばれた背景には、日本のスイーツ文化に感銘を受けた創業者のストーリーがあります。

その前に、まずはかき氷の概念を覆すようなSULBINGの看板メニュー、「きな粉餅ソルビン」をご紹介します。

10分経ってもサラサラ。繊細な粒子で「キーン」としないかき氷

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本国の韓国でも一番人気の定番商品「きな粉餅ソルビン(税込850円)」。粉雪のようなミルクかき氷の上に、きな粉、アーモンドスライス、お餅がトッピングされています。

運んで来てもらうなり、そのボリュームにまず「わ~!」と感嘆の声が上がりました。

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氷の部分が見えないくらい、たっぷりときな粉が振りかけられた表面にスプーンをさしてみると…? 氷の粒子が細かく、日本人に馴染みのあるかき氷とは全く違った、さらふわな感触が手に伝わります。

今回お話を伺った広報担当の坪内賢太郎さんによると、SULBINGのかき氷は、特注の機械を使って氷の粒子をかなり細かくしているとのこと。

こだわりぬいたこのパウダースノーのようなかき氷が、美味しさの大きなポイントです。

サラサラの雪は水気を含んだ雪よりも溶けにくいのと同じ原理で、SULBINGのかき氷は10分経ってもドロドロになってしまうことはありません。

また、パウダー状の氷は口の中ですぐに溶けてなくなるので、かき氷を食べているときによくある「頭がキーンとする」状態も起こらないんだとか。

「食べてみてからの方が分かってもらえると思うので、まずはどうぞ」

と坪内さんにおすすめされるままに、一口頂いてみました。

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「ね、びっくりするでしょう?」

氷を食べている感覚がほとんどありません。甘さを抑えたきな粉と、ミルクのコクのある味が一つになって、アーモンドの香ばしさとお餅の食感が口の中に残ります。

「女性のお客さまでも、ぺろりとひとつ食べきる方がほとんどですよ」

と坪内さんがおっしゃるのも納得。ボリューミーな見た目とは裏腹に、かき氷ならではのさっぱり感は健在です。

さらに、最後までおいしく味わえる工夫はこんなところにも。

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断面にしてみると、下の方にもきな粉の層があるんです!

かき氷を食べていると、フレーバーがかかっている上の部分を先に食べきってしまって、後の方はあまり味がしなくなってしまう…なんてこと、よくありませんか? そんな悲しいことを払拭してくれる心遣いがうれしいですよね。

感動ポイントはこれだけではありません。

トッピングのお餅のサイズとバランス配分も絶妙で、何度すくってもスプーンの上にお餅が自然と乗ってきてくれます。「きな粉餅ソルビン」という名前に恥じない、お餅のさりげない存在感も魅力です。

また、原宿散策にはテイクアウトもおすすめ。

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このユニークな形は、容器を持つ手が冷たくならず、手の温度で中の氷が溶けてしまうのを防ぐためのもの。持ち手部分にはコーンが入っています。フタはコースター代わりにもなり、スタッキングすると安定してテーブルなどの上に置ける仕組みです。

原宿の定番といえばクレープですが、これからは、この容器に入ったテイクアウトのソルビンもよく見かけることになるかもしれません。

韓国でも大人気のソルビン。お店の誕生には、実は日本が大きく関わっているのです。

日本のような伝統菓子文化を韓国にも。留学中に東京で感じた創業者の想い

SULBINGの創業者であるチョン・ソンヒ氏は、約10年前、飲食ビジネスを学ぶために東京で留学生活を送っていました。そこで、日本の伝統菓子(和菓子)が時代に沿って進化を遂げ、老若男女問わず日常的に愛されていることに驚いたそう。

韓国では、それまで伝統菓子は「古いもの」というイメージが根強く、若者はほとんど口にすることはなかったといいます。

「韓国の伝統菓子も、日本の和菓子のように若者にも親しんでもらいたい」そんな想いが、留学生だったチョン氏に芽生えました。

韓国では古くから、餅、きな粉、あんこ、ゴマ、芋などを使ったお菓子が親しまれていて、「パッピンス」というかき氷もそのひとつ。

これを、若者が好むような目を引くトッピングと、新食感の氷でアレンジしたのが、ソルビンです。華やかなビジュアルとその美味しさからまたたく間に人気は広がり、韓国でのかき氷ブームの元祖となったのでした。

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現在は韓国に490店舗、上海とタイにも1店舗ずつ進出し、創業時の想いは見事に形となっています。

本物志向の日本人に合わせたメニューとシンプルな店内

「創業のきっかけとなった日本にこうして1号店ができるのって、なんだか感慨深いですよね。さらに、原宿は若者が多く、カルチャーの発信源でもある場所。ソルビンも市民権を得ることができたらうれしいです」

と、坪内さん。

『SULBING HARAJUKU』では本物志向の人が多い日本人のために、メニューは韓国と同じ味、作り方をするように徹底しています。

しかし、内装は韓国の店舗のあたたかい雰囲気を残しつつも、東京らしくシンプルでスタイリッシュな要素も取り入れているそう。

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画像提供若者だけでなく、さまざまな層の日本人にマッチするような心がけもされています。

「きな粉餅ソルビンをはじめとした本国での定番メニューはもちろんのこと、今後は日本限定のメニューもどんどん登場予定です。秋以降には、韓国のお菓子をアレンジした新メニューも企画中なので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!」

他にも、たくさんのイチゴの上に大福をひとつ丸ごとトッピングした「生いちごソルビン(7/6までの期間限定)」、トーストの間に餅を挟んで香ばしく焼き上げたホットスイーツ「きな粉餅トースト」なども提供予定だそう。

日本のスイーツ激戦区・原宿に上陸した新星から、今後も目が離せません。

SHOP INFOMATION

NAME SULBING HARAJUKU
ADDRESS 東京都渋谷区神宮前1–14–34 グリーンオーク原宿2F
TEL 03–6721–0404
OPEN 11:00~21:00
CLOSE 不定休

※他、臨時休業する場合があります