DATE
Dari K
#1
#2

連載「Dari K」に寄せて

チョコレートが、これから面白くなるかもしれない。

そう感じたのは、「tokyo/4805" rel="noopener" target="_blank">ダンデライオン・チョコレート」が2016年2月に蔵前に海外初のお店をオープンしたときのことだった。

オープン予定のニュースを見てからというもの、いてもたってもいられず、問合せフォームから連絡をして取材打診をした。

オープンして間もない頃だったため、まとまった時間が取れない中で、スタッフの飯田さんに「ダンデライオン・チョコレート」のお話を伺い、実際につくっている工程を見せていただいた。リファイニング、コンチング、テンパリング……、それぞれに意味があって、たくさんの職人がつねに手を動かしてチョコレートをつくっていた。

tokyo/wp-content/uploads/2017/12/darik01_01.jpg" alt="darik01_01" width="1000" height="780" class="alignnone size-full wp-image-19004" />

いくつか頂いて食べてみた。なんておいしいんだ! と衝撃を受けた。

tokyo/wp-content/uploads/2017/12/darik01_02.jpg" alt="darik01_02" width="1000" height="780" class="alignnone size-full wp-image-19005" />

濃厚、というのもあるが、びっくりしたのが、フルーティーな香り。カカオの%も高いのに、苦くない。どうしてだろう。これまで自分が当たり前のように食べていたチョコレートとは少し違うかもしれない、と思った。


前述の「ダンデライオン・チョコレート」のように、原材料であるカカオ豆から焙煎をおこない、チョコレートを製造しているブランドのことを、カカオ豆(Bean)から(to)チョコレート(Bar)という意味を込めて、「Bean to Bar」と言う。

調べてみると、東京にいくつかお店があったので、彼らがどんなことを考えてチョコレートをつくっているのか知るためにはじめたのが、「Bean to Bar特集」だった。

tokyo/tag/beantobar" rel="noopener" target="_blank">Bean to Bar特集 記事一覧

そこで話を聞いて気づいたことは、“チョコレート”という商品は同じであっても、どんな味を引き出したいかによって生まれる味はさまざまなのだということ。だから、何をゴールとするかが違う。

ブランドによっては、地元に愛されることを目標にするところや、日本発のチョコレートブランドをつくることを目標にするところなど、目指す場所がそれぞれ違って面白い。もちろん、それぞれに深いストーリーがあった。

東京から片道30時間。カカオを収穫しにインドネシアのスラウェシ島へ

特集から数ヶ月経った、2016年12月のこと。その後、自分が働いているBAKE CHEESE TARTで期間限定の「CHOCO CHEESE TART」を販売することになり、その際に「Dari K」のチョコレートを使用すると聞き、インドネシアのスラウェシ島まで、カメラマンとして同行する機会があった。

▼ 詳しくはこちら
日本のショコラティエが、カカオ農家の働き方を変えていた。最高にこだわった、チョコチーズタルトの原材料を訪ねて…

そこではじめて見た、本物のカカオ豆。これまで写真で見たことがあって、頭では理解していたカカオポッド(=カカオの実)やカカオ豆をはじめて触ったときのことは、未だに覚えている。

tokyo/wp-content/uploads/2017/12/darik02_03.jpg" alt="darik02_03" width="1000" height="780" class="alignnone size-full wp-image-18827" />
tokyo/wp-content/uploads/2017/12/darik02_09.jpg" alt="darik02_09" width="1000" height="780" class="alignnone size-full wp-image-18833" />
これが発酵、乾燥工程を経ることで、茶色のカカオ豆になる

同行していただいた、「Dari K」代表の吉野さんに、道中でいろいろお聞きした。

tokyo/wp-content/uploads/2017/12/darik01_03.jpg" alt="darik01_03" width="1000" height="780" class="alignnone size-full wp-image-19008" />
Dari K代表 吉野慶一さん

「そもそも、普通は高品質なものをつくれば高く売れるし、より良いものを作ろうと努力しますよね。ですが、そんな当たり前の市場の原理が働かないのが、カカオの取引市場なんです。生産者とは遥か遠い、ロンドンとニューヨークの国際市場で日々カカオの価格が一方的に決定されています。つまり、農家が丹精込めて良質なカカオ豆をつくろうが、適当に栽培してあまり質が良くないカカオ豆をつくろうが、それに関係なく、豆の価格は毎日変わってしまうんです」

「だから、直接インドネシアの農家さんたちと契約して、品質の高い豆をつくってもらい、それを適切な価格で買い取るということが出来れば、インドネシアのカカオ農家も変わっていくのでは……と思いました」

チョコレートって“甘いもの”というイメージがあるけど、原材料のカカオ豆は“苦い”ということ。カカオ豆は乾燥させることで数年間は保存がきくため、多くの製菓メーカーは2~3年分ストックしておき先入れ先出しで使っていくということ。逆にDari Kは、数日前まで木になっていたカカオ豆を輸入しているため“超フレッシュ状態”だということ。

現地のカカオ農家さんや、駐在しているスタッフの方、代表の吉野さんに話を聞いたことで、小さな一粒のカカオ豆からチョコレートができるまでに多くの人が関わっていることを実感した。

連載「Dari K」に寄せて

tokyo/wp-content/uploads/2017/12/darik03_17.jpg" alt="darik03_17" width="1000" height="780" class="alignnone size-full wp-image-18943" />

Bean to Bar特集を終えたあと、世間でも「Bean to Bar」という言葉が聞かれはじめ、大手もBean to Barチョコレートを販売するようになり、少しずつチョコレートの背景に関する知識が増えていった。

ただ、事実を知ってはいても、実際にこの目で見て触った上で、どうやってつくられているのかを、メディアで伝えているところは多くない。

自分はインドネシアで体験してきたことがあったからこそ、今回、「Dari K」についてもっと深掘りし、チョコレートまでどうやってつくられるのかをできるだけ詳細に伝えたいと思った。

インドネシアでは、“カカオ豆ができるまで”の工程しか見ることができなかったので、今回はDari K京都本店に訪問し、“カカオ豆からチョコレートができるまで”を見せていただいた。

そして完成したのが、この連載「Dari K」。去年のインドネシアの様子を紹介しながら、カカオ豆から製造までおこなっているDari Kだからこそ聞けた話を紹介していこうと思う。


【 連載のもくじ 】

・連載「Dari K」に寄せて(この記事)
・カカオ豆からチョコレートができるまで
・Dari K 代表 吉野慶一さんインタビュー
・Dari K 人気商品まとめ


まずは、知っているようで知らない「チョコレート」の歴史や工程について。その後、Dari Kの代表 吉野さんのインタビュー。創業のきっかけや商品開発についてのこだわりをたっぷりと聞いた。


生産地でカカオ豆がなる木を育て、収穫し、よいカカオ豆を選別し、発酵を行い、乾燥をさせるカカオ農家たち。そして、乾燥したカカオ豆を船で輸送させる人たち。さらに、輸送されたカカオ豆を焙煎し、すりつぶして砂糖と混ぜ、いわゆるチョコレートにする製造者たち。そうした工程を経て完成したチョコレートを購入し食べる、消費者である僕たち。

チョコレートを食べるまでに、さまざまな人たちが関わっているのだということを、今回の記事を作成するときに感じてもらえたらすごくうれしいです。

来週明けの月曜日から公開していきます。どうぞおたのしみに。

WRITER

平野太一

CAKE.TOKYO 編集者。あたらしいものとおいしいものを求めて、プライベート・仕事を問わず、実際に訪ねることをモットーに、日々活動しています。 Twitter : @yriica

PHOTOGRAPHER

名和実咲

#2
【全行程】カカオ豆の収穫からチョコができるまで

きっかけは、2016年12月のある晴れた日のことだった。いつものように記事を書いて...