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たねや
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バームクーヘンの、伝統と革新。

[その2]

常に変化するものを一定に保つのが職人

福森

クラブハリエでは、1台のオーブンにつき必ず1人ずつ、つきっきりで作業をします。

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バームクーヘンを焼いているオーブン。それぞれに1人がつきっきりの状態です
福森

今焼いているこのサイズは、1,000円、1,500円のサイズのもの(層(直径)は同じで厚さが違います)。6本分を一度に焼くので、これが1ロット分です。

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両サイドには余分な生地がつきやすいので、手作業で調整します
福森

このサイズで約35分。生地をつけては焼き、つけては焼き、何回も繰り返します。大体18層になります。

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太さが均等になるよう、測りながら生地を重ねていく
福森

生地は気温によって変わりますし、今合わせた生地と次に合わせる生地でも、また若干変化してきます。ですが、常に変化していくものを一定に保つのが、職人の腕の見せどころなんです。

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福森

ふわふわとおいしい生地は、水分をたっぷり含んでいます。もし焼き加減の見極めに失敗すると、自重に耐えきれず芯棒から落ちることもあります。

本当においしいバームクーヘンをつくるためにギリギリのせめぎ合いをする。それで失敗したことは別に悪いことではなくよりおいしいものを焼きあげようという意思があってのこと。前向きな失敗はむしろ褒めるべきことなんです。

「焼きたて」を提供するという革新

福森

もしよかったら、出来たて食べられますか?
熱いので気を付けてください。

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ありがとうございます。あっ、卵の風味がふわっと香りますね。フォンダンをかける前なのに甘くておいしい。そしてふわふわです!!

福森

焼きたてのバームクーヘンは、卵の風味がすごく際立つんです。焼きたて状態のものは工場でしか味わえないのですが、お客さまにも食べてほしいということで、ラ コリーナ近江八幡の工房で「焼きたてバームクーヘン」の提供をしています。

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福森

焼き上がったバームクーヘンを一晩かけて冷ましていくと、今度はバターや個々の素材のいい風味がバランスが取れてくるんです。焼きたてのものと、店頭に並ぶ箱入りのものとでは、全く別の商品と言っても過言ではありません。

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【次ページ】バームクーヘンの仕上げ段階に入ります

WRITER

平野太一

CAKE.TOKYO 編集者。あたらしいものとおいしいものを求めて、プライベート・仕事を問わず、実際に訪ねることをモットーに、日々活動しています。 Twitter : @yriica

PHOTOGRAPHER

三浦咲恵

1988年大分県生まれ。City College of San Francisco写真学科卒。帰国後、株式会社マッシュにてスタジオアシスタントを経て、2014年鳥巣佑有子氏に師事。2016年独立。現在、ジャンルを問わず、雑誌・Web・広告等で活躍中。

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