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たねや
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ふわふわ食感の八幡カステラができるまで。

「めっちゃふわふわですね!口に入れると、ふわっとなくなる。焼きたてのカステラっておいしい…」

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と、今回の取材で撮影をお願いしたフォトグラファーの三浦さんが思わず感動した場所は、ラ コリーナ内にあるカステラショップ「栗百本」。

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建築家の藤森照信さんが手がけた、栗の木を144本使って建てられた、カステラの専門店です。

「八幡の名物になるカステラをつくる」

という目標を掲げて、2013年に商品開発がスタート。最初から開発に携わった、ラ コリーナ工房 工房長の小西靖彦さんにふわふわの「八幡カステラ」ができるまでを伺いました。

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追求したのは、理想の“ふわふわ”食感

先日はじめて「八幡カステラ」をいただきました。卵の香りがふわりと鼻孔をくすぐり、そのままでもほんのり甘くておいしいのに、別添えのあんこをつけると和洋の要素が引き立てあい、至福のひとときでした。

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小西

ありがとうございます。

カステラというと、しっとりとした食感で、食べ応えがあるものが多いなかで、八幡カステラはどういう経緯でつくられたんでしょう?

小西

たねやのカステラは、もともと、現会長(山本德次さん)がずっと大切にしてきたものです。素材がシンプルで、技術がないと焼き上がらない。製法や技術を代々受け継いできたたねやの大切なお菓子のひとつです。

この「八幡カステラ」は、カステラショップオープンにあたり、焼きたての食感や卵の風味をより楽しんでもらいたいというところから開発がはじまりました。

追求したのは、理想の“ふわふわ”食感。シフォンケーキは時間が経つと空気が抜けてケーキ部分がしぼんでしまうので真ん中を支柱で支えるのが普通ですが、この八幡カステラの形状は中に支えがないので、シフォンケーキと同じようにつくると、ベコンと真ん中がしぼんでしまうんです。

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今回お話を聞いた小西さん。和菓子職人を経て、カステラショップの工房長を勤めています

つまり、ふわふわにすることと、ふわふわを保つことの両立はすごく難しいと。

小西

そうです。ベーキングパウダーをたくさん入れたらふわふわ感を保ちやすい一方、重たくなりますし。少なくすると軽くなるけどしぼんでしまう。

他にも生クリームやシロップなど、それぞれの分量の調整が難しく、同じ材料でつくっていても材料を入れる順番を変えるだけで違う食感のカステラができあがるんです。理想の食感に近づけるべく、何度も試作を繰り返しました。

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味を整える、ほんのちょっとの塩

小西

一番こだわったのが、必要最小限の原材料だけを使うこと。もし乳化剤のような添加物を入れれば生地がしぼまないようにできますが、素材を大切につくりあげるのがたねやのお菓子なので、一切使わないようにしています。だから大変だったんですけどね(笑)。

試作の最終段階では、味について一旦OKをもらっていたんですけど、自分のなかでまだ納得できなくて。何か、物足りなかったんです。

そんななか、社長に試食をお願いしたら、「なんか塩分が足らんな」と言ったんです。

そこで、ピンときて、塩を入れたら味が整ったんです。

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えっ、塩が少し入っているんですか?

小西

分からないでしょう。隠し味なんです。

ちょっとのお塩があるのとないのとで、個人的には味がびっくりするほど違ったんです。そのときのことは鮮明に覚えていますね。

手の感覚と機械とのバランス

ここの工房では手を使う工程が多そうですね。

小西

そうですね。すべて機械で生地を混ぜると、どうしても重たい生地になってしまうんです。

どうしてですか?

小西

手作業で、泡立て器で空気を抱きこむように混ぜるからこそふわふわに膨らむんですが、機械だけでやってしまうと、混ぜ加減が平淡になってしまい、加熱しても膨らみにくくなってしまうんです。

手でつくったときの理想の生地があって、でも量をつくるには現実的に機械がどうしても必要で、とてももどかしい状態に思えました。

小西

そうですね。でも、だからこそ腕の見せどころでもあると思っています。

と、いうと?

小西

一般的に、機械で大量生産すると味が落ちると思われることもあるんですけど、それを加味した上で、おいしいお菓子をつくるのが職人だと思っています。

最初は機械で混ぜて、最後のベーキングパウダーを合わせるところから自分たちの手で混ぜるんです。

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大きな泡立て器で生地を混ぜ込む様子。見ているこちらまで、腕に力が入ります

ちなみに一度にどのぐらいの数がつくれるんでしょうか。

小西

72個ですね。一度にオーブンで焼ける量のめいっぱいの数なんです。

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生地をカップに入れる様子。これからオーブンで焼きます

今はどのくらい1日に販売していますか?

小西

日持ちが1日の「焼きたて八幡カステラ」と、進物用の日持ち1週間の「八幡カステラ」各種を合わせたら、多い日に2,000個以上は販売していますかね。

1日で。

小西

カフェでも提供している焼きたての八幡カステラは1日1,000個を超えますから。

フル回転ですね。

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小西

そうなんです。ありがたいですね。

工房がガラス張りになっていて、店内のお客さまから見られたり、写真を撮られたりすることも多いのでは?

小西

そうですね。すごい緊張します(笑)。

それに、特注のオーブンは黒色なので粉が舞うと汚れも目立ちますし。掃除は丁寧に行っています。

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通常の「八幡カステラ」に加え、季節限定のフレーバーも展開

お客さまは、お土産ではどのタイプのカステラを買われることが多いですか?

小西

一番人気は通常の「八幡カステラ」(2個入 864円)ですね。次に夏期限定の「八幡カステラ 夏みかん」(2個入 907円)。プレーン、夏みかん、桑の葉の3個詰め合わせ(1,447円)も人気です。

それでは、最後に一言お願いします。

小西

八幡カステラはこれまで食べたことのあるしっとりしたカステラとは違った味わいになると思います。ラ コリーナに来られた際は、ぜひ一度カステラショップ「栗百本」に立ち寄っていただけるとうれしいです。

WRITER

平野太一

CAKE.TOKYO 編集者。あたらしいものとおいしいものを求めて、プライベート・仕事を問わず、実際に訪ねることをモットーに、日々活動しています。 Twitter : @yriica

PHOTOGRAPHER

三浦咲恵

1988年大分県生まれ。City College of San Francisco写真学科卒。帰国後、株式会社マッシュにてスタジオアシスタントを経て、2014年鳥巣佑有子氏に師事。2016年独立。現在、ジャンルを問わず、雑誌・Web・広告等で活躍中。

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