12月10日(土)、CAKE.TOKYO × minne がコラボレーションして、1日限定カフェをオープン。あたたかな世界観があふれる空間には、minneで人気の作家さんが手作りした、おいしいお菓子が並びます。こだわりのお菓子にこめられた思いやストーリーを聞くため、作り手の方たちを訪問してきました。

PLUS HITOTOK!(プラス ひととき)」は、いつもの食事にプラスすることで、もっとハッピーになれるコンフィチュールを作っているお店です。使っているのは、佐渡ヶ島で採れる新鮮で安全な野菜や果物。ひとつひとつ手作りしているコンフィチュールは、ひとさじあるだけで、普段の食事を特別なひとときに変えてくれます。

そんな素敵な時間を提供してくれるコンフィチュール。代表の武田さん、クリエイティブ・ディレクターの佐久間さん、プロダクト・マネージャー 菅原さんにお話を伺ってきました。

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佐渡の食材のおいしさを、小瓶に詰めて

「PLUS HITOTOK!」は、佐渡出身の親会社の社長が、地元の活性化のためになにかできないかと考えたことがきっかけで始まりました。2013年、佐渡の田んぼのなかにある小さな工房でスタート。現在もこの工房で3人のスタッフが一つひとつ手作りしています。

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【写真左から、菅原さん、武田さん、佐久間さん】

武田:佐渡は、山が多く水がキレイなうえに、潮風がほどよく吹くので、野菜や果物の甘みが強くなるんです。佐渡につくった子会社の代表として、おいしいものを通して佐渡の魅力を多くの人に知ってもらいたいと思います。

しかし、佐渡ヶ島までは本土からフェリーで2時間半かかります。海が荒れていればフェリーが欠航することもしばしば。だからある程度、賞味期限が長いものを作ろうということになりました。そこで、佐渡のおいしさを長く味わってほしいという想いから、瓶詰めのコンフィチュールをつくったのだとか。

菅原:瓶だったら飾ってもかわいいし、贈り物にも使えると思って。おいしさを長く味わって、それを周りの人にも伝えてほしいなという願いがこもっています。

意外な組み合わせが生む、驚きのおいしさ誕生秘話

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「PLUS HITOTOK!」のコンフィチュールは「ワインビネガーと玉ねぎ」「パンプキンとジンジャー」「にんじんとレーズン」と、ありそうでなかった組み合わせばかり。そんな商品の開発は、なんと菅原さんの自宅のキッチンで行われています。

菅原:旬の野菜をおいしく召し上がってもらうために、どんな組み合わせにしようか頭を悩ませています。会社のある神保町は古本の街なので、古書店で見つけた海外のレシピ本を参考にすることもありますね。

実際「パンプキンとジンジャー」の組み合わせは、中東のレシピ本からインスピレーションを得たものだとか。それを3人で試食して商品化するかどうか決めているそうですが、コンフィチュールのおいしさを判断するのは、意外と難しいといいます。

菅原:作りたての味はイマイチ……という試作品でも、少し寝かせておくとびっくりするくらいおいしくなるものもあるんです。その場ですぐに判断するのではなく、寝かせた状態のものも食べるようにしています。

単品で食べておいしいのは当たり前。さらに「PLUS HITOTOK!」の商品には何かに「プラスしておいしい」という特徴があります。食べたとき「あ、あれに合いそう!」というアイデアがたくさん生まれてくるコンフィチュールがラインナップされています。

生活に「プラス」したくなる存在感をデザインに

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日常生活に「プラス」できるよう、パッケージデザインにもこだわっているのが「PLUS HITOTOK!」のコンフィチュール。キッチンにちょこんと置くだけで、北欧感とぬくもりある雰囲気が漂います。パッケージの野菜や果物のイラストは、デザインを一手に担っている佐久間さん自らが手描きしています。

佐久間:欧米のジャムやコンフィチュールのパッケージデザインをたくさん見て研究するなかで、そのシンプルさがセンスよく見える秘訣だと気が付きました。どんな素材からできているのか、どんなふうに使ってほしいのか、パッケージで伝えることは大切なんですが、説明的になりすぎるとあまり素敵じゃないんですよね。

実はこの冬デザインが一新し、素材本来の色がより見えやすく、佐久間さんのイラストを主役に配したとことんシンプルなものに。そのため使い方や商品への想いはタグをつけて伝えることにしました。

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【写真左:新パッケージ、右:旧パッケージ】

佐久間:パッケージは瓶の二つの面を生かしたデザインしました。ななめに置くのって斬新じゃないですか? それから、ふたつ以上の食材を組み合わせているという、商品の特徴も伝えられるデザインです。

感度の高い人たちに「お!」と思ってもらえるように、こだわりにこだわったパッケージデザイン。使い終わってからも飾っておきたいし、センスのいい贈り物としても最適です。

食べ方いろいろ。アイデア次第で表情が変わる

「PLUS HITOTOK!」こだわりのコンフィチュール。おすすめを聞いてみると、3人とも「うーん……」と頭を悩ませていました。それだけ一つひとつの商品にかける想いが強いということでしょう。

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「ぜんぶおいしいけれど、使いやすさで言うとこれが一番」と紹介していただいたのが「ワインビネガーと玉ねぎのコンフィチュール」。酸味を抑えつつどんな料理にも合うよう、たまねぎの甘味を「50度」に設定しています。肉料理のソースに使うもよし、スープに入れるだけでコクが出る、瓶の底に余ったら、オリーブオイルを足してドレッシングとして使える……話しながら「プラス」のアイデアが次々と出てきます。

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もうひとつ、定番の野菜でおすすめなのが「にんじんとレーズンのコンフィチュール」。口にふくむと、爽やかな甘みがふわっと広がります。ドライカレーに少しプラスすると味わいに深みが出ておすすめだとか。夏はソーダで割って爽やかなサイダーに、寒い時期なら焼きりんごのソースとして使うととてもよくマッチするそうです。

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季節ごとに旬の食材を使ってラインナップが変わる「PLUS HITOTOK!」のコンフィチュール。この冬ならではおすすめは「かぼちゃとジンジャーのマーマレード」です。かぼちゃのこっくりとした甘さと、柑橘系の爽やかさが絶妙なバランスで調和し、あとから生姜の香りがふわっと鼻に抜けていきます。中東の保存食からヒントを得て作られました。ホットミルクに入れたり、ヨーグルトに入れたり、乳製品に合わせるのがおすすめの食べ方。そのままパンやスコーンにつけてもおいしくいただけます。

佐渡のおいしさで、いつもの食事をちょっとハッピーに

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武田さんは「ゆくゆくは海外展開も目指して、佐渡の魅力を世界中に伝えたい」と語ります。だから、あえて洋風の味わいやパッケージデザインにこだわりがあります。佐渡のおいしさを世界中の人に知ってもらいたいという想いは、農家さんとのやりとりや工房の視察のため、何度も佐渡を訪れるうちに強くなっていったと言います。

佐久間:雄大な自然やおいしくて安全な食べ物はもちろん、島の人々が実直で誠実ですごく魅力的なんです。そういったところも含めて、佐渡の魅力をもっと発信していきたいと思います。

「PLUS HITOTOK!」では今後も、佐渡のおいしくて安全な素材を使ったコンフィチュールをたくさん提案していくそうです。いまは、古くから伝わる「食べ合わせ」をもとに商品開発に挑戦しています。

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現在ショップでは、クリスマスギフト用にコンフィチュールと「さどばんちゃ」のセットを販売しています。佐渡番茶は、一般的な番茶と違い新芽も茎も一緒に刈り取って焙じるもの。香り高いのにクセがない、ごくごく飲みたくなる一品です。
いつもの食事がちょっと特別な時間になるコンフィチュール。誰かと一緒のときでも、ひとりのときでも、ひと口食べれば「プラス」の気持ちになれるはず。

SHOP INFOMATION

NAME PLUS HITOTOK!
URL http://plus-hitotoki.jp/

※他、臨時休業する場合があります