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【ひとくちのふうけい】山里で輝く、ひとくちの恵み──檜原村の「生はちみつ」

UPDATE:

CAKE.TOKYO編集部

東京都の西端、緑深い山々に包まれた檜原村(ひのはらむら)。都心から車で2時間足らずの距離にありながら、村の約9割を森林が占め、四季折々の自然が今も色濃く残るこの地は、東京本土で唯一の「村」として知られています。
しかしその一方で、人口はわずか2,000人あまり。高齢化率は50%を超え、過疎と高齢化の波は年々深刻さを増しています。
今回は、その檜原村の豊かな自然の恵みから作られた「生はちみつ」を販売している「薫る養蜂園」さんのストーリーをご紹介します。

目次

東京で唯一の「村」──檜原村の静かな魅力

雄大な自然が広がる

檜原村は、東京都心から西へ約50km、奥多摩の山間部に広がる小さな村です。総面積の約93%が森林に覆われ、清流や滝、原生林といった自然資源が豊かに残されています。
かつては林業と養蚕が盛んで、山の暮らしが根付いていました。

左:小林家住宅/右:神戸岩

村内には有名な「払沢の滝(ほっさわのたき)」や、国の重要文化財「小林家住宅」、東京都指定天然記念物「神戸岩(かのといわ)」などもあり、季節ごとに変わる風景は、訪れる人々の心を癒します。
春には桜、夏は新緑、秋は燃えるような紅葉、そして冬は澄んだ空気と静けさが魅力の場所です。

近年では、こうした自然の中での暮らしを求めて移住する人も少しずつ増え、地域資源を生かした小規模な農業や観光、体験型のプログラムなども展開されています。

「自然と共に生きる」を体現する、村のはちみつ職人

今回訪れたのは、檜原村で10年間、養蜂を営む「薫る養蜂園」。
養蜂家の岡部竜州(おかべ たつくに)さんは、檜原村で生まれ育った生粋の村民です。

岡部竜州さん

岡部さんが営む「薫る養蜂園」の“生はちみつ”は、養蜂場の周りに自生する山の花々から採れる、自然の恵み。
春と夏、それぞれの風景が蜜に映し出され、花ごとの香りや風味が重なり合うことで、季節の移ろいを味わいから感じ取れる──それが“生はちみつ”ならではの魅力です。

一年を通して、蜂とともに暮らす

ふわふわとした見た目が愛らしいミツバチ

養蜂のサイクルは早春から始まります。2~3月には蜂の群れを増やす準備が始まり、代用花粉などを与えて活性化させます。
4~5月には分蜂(ぶんぽう)と呼ばれる巣分かれの時期に入り、巣箱が手狭になると女王蜂と働き蜂の一部が新天地を求めて飛び立ってしまうため、それを防ぐために巣箱の拡張をこまめに行います。
「自然相手なので、天候の急変、梅雨の長雨、夏の猛暑、秋のスズメバチなど、常に自然の力と向き合っています」と岡部さん。
この養蜂園で1年間に採れるはちみつは数百kgにのぼり、ミツバチたちの世話は岡部さんお一人でされています。

ティースプーン1杯分の森の恵み

急勾配の山の頂にあるミツバチの巣箱

取材当日、曇り空の隙間を縫うように陽の光が差す日に伺いました。
急勾配の山の斜面に並べられた巣箱に近づくにつれ、たくさんのミツバチが空を舞う様子が見えてきます。

岡部さん

「実は昨日、クマに巣箱をひっくり返されちゃって。すこし、ミツバチたちの気が立っているので、気をつけてくださいね。」

岡部さんは防護服に身を包み、巣箱へと向かいます。巣箱のふたをそっと開けると、中にはぎっしりと蜜をたたえた巣板が──。

ぎっしりと詰まった巣板。白い部分は蜜ろう。

1匹のミツバチが一生かけて集める蜜の量は、わずかティースプーン1杯にも満たないといい、 巣板いっぱいのはちみつを調達するために、何度も何度もミツバチたちは空を舞います。
岡部さんによると、西洋ミツバチはその時期にもっとも蜜が出る花に集中して通う習性があるため、飛来する花粉の色や行動から、蜜源の移り変わりがわかると話します。

岡部さん

「藤やサクラの時期が終わる頃、ミツバチがクリーム色のアカシアの花粉を持ち帰るようになると、そのタイミングが次の採蜜の目安になるんです。」

巣板を取り外しているところ

春はサクラや藤、次にアカシアやトチ、そして栗の花──。ミツバチたちが訪れる花々の種類によって、はちみつの風味や色は毎回変わります。

岡部さん

「アカシアの蜜は日本人が一番食べやすくて、クセのないさっぱりとした味わいですね。桜とかは、華やかな香りで甘みが強いです。栗の蜜はクセはあるんですが、深みがあって、うちのはちみつはまろやかな感じですね。まるでワインのように、その年、その場所の“個性”があって、採れたての時より時間をおいたほうが穏やかになります。」

とろりとした口あたり、花の香りがふわっと広がるやさしい甘さのはちみつ。
「薫る養蜂園」さんの生はちみつは、檜原村内の直売所をはじめ、村にあるカフェでも使用されており、檜原村付近の百貨店などの催事に招かれることも少なくありません。

“生はちみつ”への深いこだわり

とろりとした黄金色のはちみつ

岡部さんが手がける“生はちみつ”は、非加熱のもの。加熱を避けることで、はちみつ本来の酵素や栄養素、自然の風味をそのまま届けています。

岡部さん

「結晶したはちみつを再びやわらかくする場合でも、50度以下でゆっくりと温めるようにしています。高温処理をすると、せっかくの自然の恵みが、ただの甘味料になってしまうんです。」

瓶詰めにはガラス容器を使用し、保存中の香り移りを防ぐなど、ひとつひとつ細部にまで自然への敬意と品質への配慮が感じられます。

参加への想い──「やりたかったことが、いま形に」

ひと仕事終えて巣箱に帰っていくミツバチたち

岡部さん

「実は、以前から自分たちのはちみつを使ったお菓子をつくれたらと考えていたんです。でも、自社だけで商品化するのはなかなか難しくて…」

そんなとき、「ひとくちのふうけい」の企画が舞い込み、これまで温めていた想いがようやく形になると感じつつも、突然のことで迷いはあり、色々な人に相談した、と言います。

岡部さん

「ただのひとつの素材として使われるのではなく、檜原の魅力を活かしながら、外の人に届けられる。しかも“お菓子”という形で。それなら挑戦してみようかな、と思いました。」

「おいしいストーリー」を、未来へつなぐ──

貴重な“生はちみつ”を使用したひとくちフィナンシェ

スイーツWebメディア「CAKE.TOKYO」は、これまで全国のおいしいスイーツを紹介することを通じて、日々“おいしさ”の背景にあるストーリーと向き合ってきました。
取材を重ねる中で見えてきたのは、作り手の皆さんが抱く、素材や土地に対する深い愛情と、地域の未来を思う真摯な気持ち。
単に「おいしい」だけではない、その背景にある想いや課題に触れるたび、私たち自身の心も揺さぶられてきたのです。
「何か、私たちにもできることがあるのではないか」──そんな想いから生まれたのが、CAKE.TOKYOの新プロジェクト 「ひとくちのふうけい」 です。
BAKEが持つスイーツの開発力と発信力、そして地方に根ざした高品質な素材や作り手の想い。それらを掛け合わせることで、「CAKE.TOKYOとして伝えられる価値」を形にしようと動き始めました。

生はちみつをそのまま閉じ込めた、じゅわりと広がるおいしさ

このプロジェクトでは、スイーツという“ひとくち”を通して、その土地の風景や人の想い、文化や課題をまるごと届けたいと考えています。まさに「ひとくちに宿る、風景」。そんな体験を、全国へ、そして未来へとつなげていく構想です。
今回ご紹介した檜原村の“生はちみつ”は、その第一弾。
この試みは東京だけにとどまらず、今後は日本各地の素材と出会い、その土地に根ざしたストーリーとともにお届けしていく予定です。

まだ世に知られていない“おいしい宝物”を、スイーツというかたちで届ける。
それが「ひとくちのふうけい」に込めた想いです。

「変わらないこと」の価値を、次の世代へ

岡部さんの想う檜原村と養蜂の未来

岡部さんに、檜原村という土地の魅力についてあらためて尋ねると、こう話してくれました。

岡部さん

「檜原は、30年くらい時間がゆっくり流れてるような場所なんです。昔からある自然も、人との距離感も、ちょっと不器用だけどあたたかい。そんな所が魅力だと思うんです。」

手付かずの山々、きれいな空気、清らかな水。そして、村人同士が声をかけ合う暮らし。
檜原村の魅力は、派手さはないけれど、都会では失われつつある“当たり前”が、いまも静かに息づいているところにあるのかもしれません。

岡部さん

「最近は、その魅力に気付いて移住される方もいて、新しい取り組みとかも増えてきたんですが、新しいことに挑戦しながらも、檜原の自然の流れは崩さないようにできたらいいなと思いますね。」

そんな村の自然に支えられながら続けてきた“はちみつ”づくり。
現在は直売所や催事出店を中心に販売を行っていますが、近年ではECモールや村のふるさと納税、法人向けカタログなど新たな販路も広がりつつあります。

小さな村の、大きな恵み

これから先もこのままの姿を残していきたい

その一滴のはちみつに、どれだけの時間と命の営みが詰まっているかを知ったとき、私たちは自然と人とのつながりに、改めて思いを馳せることになるでしょう。
檜原村の“生はちみつ”──それは、ただの甘味料ではなく、山が分けあたえてくれた大自然の恵み。

その、やさしいおいしさをフィナンシェにぎゅっと閉じ込めて、全国の方へ届きますように。

ご紹介した商品はこちら

SHOP INFORMATION

BRAND 薫る養蜂園
ADDRESS 東京都西多摩郡檜原村2005
※養蜂園での蜂蜜の販売は行っておりません。
WEBSITE https://kaorubeefarm.com/

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