都心から少し離れたところ、茨城県新守谷にあるお菓子の家「サンタムール」。

“お菓子のお店”といえば、所狭しとケーキが並んでいるイメージがありますが、今回お話を聞きに行った「サンタムール」は、木造りで、庭に小道や噴水があり、まるで外国に迷い込んだような気持ちになります。

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ここでは一体どのようなお菓子がつくられているのでしょうか。そして、なぜこのような外観にしたのでしょうか。その理由が気になり、「サンタムール」オーナーシェフの清水克人さんに直接お話を聞いてきました。

ちなみに「サンタムール」の店名の由来は、清水さんがフランスでお菓子づくりの修業をしていたときに訪れたフランスの地方にある村の名前からだそうです。

夢を持ってもらえる、“非日常を楽しめる場所”を提供したい

「サンタムール」は“お菓子の家”というだけあって、知っているお菓子を一通り食べられるほど、種類が多いのが特徴です。ケーキは常に40種類以上用意されており、焼き菓子やチョコレートなども並んでいます。

店内には大きなイートインスペースがあり、焼きたてのクレープやソフトクリームなど、購入したケーキをその場で食べることもできます。

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さっそく、清水さんにお話を聞きました。

サンタムールは、お店づくりが特徴的だと思います。どうしてこのような外観にしたのでしょうか?

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清水お店に訪れるお客さまにどんなことを感じて欲しいのか考えたとき、“お菓子を買いに行く場所”だけではなく、“非日常を楽しめる場所”にしたいと思いました。お菓子を提供するだけでなく、体験も提供したい。だからこそ、お店だけデザインするのだけでなく、庭に小道や噴水をつくって体験もデザインしたんです。

清水さんの想像通り、たくさんの“体験”がインスタグラムで投稿されています。

「サンタムール」の外観の写真、お店で食べている写真と一緒に「おとぎの国に迷い込んだ」「ディズニーランドみたい」などのコメントが書かれています。

くまさん(@kuma_101)がシェアした投稿

渚さん(@rivagisa_)がシェアした投稿

購入した“もの”が投稿されていることもありますが、投稿の多くは“雰囲気のいいカフェで過ごす時間”や“きれいな花畑に行ったこと”のような“体験”です。

“もの”を売る場所でありながら、“体験”する場所を提供している「サンタムール」は、現代に対応したお店だともいえるかもしれないなと思いました。

パリパリ食感としっとり満足感が楽しめる、「キャラメルバウム」

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サンタムールの人気商品は、毎朝その日のぶんだけ焼いてつくる『キャラメルバウム』。

アーモンドとキャラメルが艶やかな表面に、厚みのあるバウムクーヘン。午前中に完売してしまうこともある人気のお菓子で、「フロランタンとバウムクーヘンが合わさったらおいしいのでは?」という考えからできあがったオリジナルのバウムクーヘンです。

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「キャラメルバウム」1200円

アーモンドスライスがキャラメルでコーティングされたフロランタンがのせられたバウムクーヘン。口に入れると表面がサクッとはじけて、しっとりとしたバウム部分が満足感を与えてくれます。

パリパリの噛み心地を楽しんだ後、バウムの味がしっかりと広がっていくのがわかります。軽すぎず、重すぎず。ちょうどいいバウムクーヘンです。

自然な素材で、自然にお菓子をつくること

続いて清水シェフに、お菓子づくりのこだわりをお聞きしました。

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お菓子をつくるうえで意識していることはありますか?

清水自然な素材で、自然にお菓子をつくることを大事にしています。

自然にお菓子をつくる?

清水手づくりを大事に、なるべく焼きたて・出来たてのお菓子をつくるということです。北海道産の牛乳やカルピスバターなど、自分が納得できる素材を使ってひとつひとつお菓子をつくっています。

正直、きれいなお菓子をつくろうと思えば、いくらでもできると思っています。たとえば、東京タワーのような背の高いお菓子はつくることはできますが、ガッチリと固めないと折れてしまいます。そのようなお菓子からは、私たちが大事にしているフワッとした食感や繊細な味を得ることは難しいんです。

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サンタムールでは、お土産やギフトも充実。誰かにあげたくなるような、可愛さあふれるパッケージが特徴です。パッケージには、かわいらしいイメージの赤色を使用し、動物のモチーフや噴水のモチーフなど、「サンタムール」らしいパッケージでお菓子がつつまれています。

お菓子のおいしさと心のあたたかさが、信頼につながる

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ホームページを見ると、店内でお菓子教室も開催されていらっしゃるようですね。

清水はい。“売る側”と“買う側”ではなく、“人”と“人”として、交流を持ちたいと思い、教室を始めました。開始してから4年ほど経ちますが、当初から通っていらっしゃる方や、わざわざ東京から通ってくださる方もいます。

教室では、シフォンケーキやガトーショコラなど、いろいろなお菓子をつくっているそうです。

平日の昼間にもかかわらず、お店には常にお客さまがいました。「サンタムール」の周囲は住宅街で、最寄駅から徒歩15分ほど。このような立地でお客さんが絶えないのは、地域の人々から「あのお店に行けば、おいしいお菓子が食べられる」と信頼されているからこそ、このようなお店ができあがるのだと感じました。

今後はどのようなお菓子をつくりたいと考えていますか?

清水次につくりたいのはバラ風味のお菓子です。お菓子づくりの本場、フランスでも、バラと合わせるのが人気です。もしつくるとしたら、バラ風味で、クリームをつかったお菓子にしたら、今までにないお菓子ができるのではないかと思っています。

バラ風味のお菓子…!とてもおいしそうです。お話いただき、ありがとうございました!

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「サンタムール」は、今後何度行っても楽しめそうな、まさに“お菓子の家”。友達や家族を連れて“外国にあるお菓子の家”へ遊びに行くような気持ちで、お腹いっぱいになるまでお菓子を食べてゆっくり過ごしたいと思える場所でした。

次に来るときは、庭にバラが咲いている晴れた日に、焼き立てのクレープを食べたいと思います。そして、家族におみやげのお菓子を買って帰りたいと思っています。