こんにちは。にしむー(@1108ryu)です。2回目の記事となる今回は、ずっと大好きな気持ちを抱き続けていた“お菓子みたいなジャム”をつくる「Romi-Unie Confiture」(ロミ・ユニ コンフィチュール)さんにおじゃましてきました。

鎌倉駅東口を出て、鶴岡八幡宮へまっすぐに伸びる大通りに出ます。二の鳥居を少し過ぎたところに、真っ白な壁のとても可愛らしいお店が見えてきます。

romiunie_02

入り口の黒板がとってもキュート。店主の「いがらしろみ」さんが描いてらっしゃるそうで、人柄が感じ取れるようなあたたかい手描きのテイスト。

romiunie_03

お店に入ると、ずらっと並べられたジャムたちが迎えてくれ、思わず歓声をあげそうになります。スタッフさんによると、常時約40種類もあるのだそう。

romiunie_04

大好きなルバーブを使った季節のジャムから、ピンクペッパーや黒胡椒の入ったちょっと変わり種、王道のいちごのジャム。シンプルにいちごと言っても、組み合わせてあるフルーツがたくさんあって、もうどれにしたらいいのか小一時間は迷ってしまいそうなくらい。

「Merci」や「Mimi」など、ジャムのネーミングも可愛らしいものばかり。“お菓子みたいなジャム”というコンセプトから、それぞれに名前をつけてあげているそうです。

お菓子を包む、思わず手に取りたくなるパッケージ

ジャムの瓶はここだけのオリジナルなんだそう。デザイン畑の人間として、まずは、お菓子を包むものへのこだわりから聞いてみました。

romiunie_05

ろみ以前は海外製の瓶を使っていたんですが、日本の瓶の方が質が高いので、やっぱり日本のものを使おうって思って。ただ、前に使っていた瓶が可愛くて買ってくださってた方もいたので、それに見合う瓶にしなきゃ…と、かなりプレッシャーでした。

ろみオリジナルの瓶にしたのは、お店をオープンしてから1年後。お客様も増えて、安全を考えた上での決断でした。実は、オリジナルの瓶をつくるって、すごく大変なことで。私の「やっちゃった歴伝」の中でもかなり上位に入りますね(笑)。

romiunie_06

こんなに可愛らしいパッケージに入った焼き菓子のセットまであります。なんと瓶やパッケージのデザインはろみさんが描かれたもの。パッケージであまりお客様に負担がかからないように、なるべく簡単なラッピングで、ニーズと費用のバランスを取りながら考えているのだそう。

簡単でありながら、それがひとつのプレゼントとして成り立つように考えられた、手に取る人のことを考えたものづくり。今でもお店に立ち続ける、人とお話することが好きだというろみさんの愛情が垣間見えました。

フルーツの傾向に合わせて年に4回変えている、ろみさんのジャム

お菓子を包むパッケージにここまでこだわっているということは、ジャムをつくる素材も相当こだわっていらっしゃるのでしょうか。

romiunie_07

ろみもちろんこだわってはいますが、あんまりこだわりすぎるのも、どうかなって思っていて。特定の農家さんから仕入れるってこともできるけど、季節によって不作もあるし、じゃあそれが果たしてお客さまにとっていいのかなと。

ろみなので基本は、信頼している八百屋さんから仕入れています。ただ、農家さんが面白い食材をつくったと聞いた場合は、素材を売りにした「パニエシリーズ」として、ジャムをつくっています。

なるほど。最低限のラインは設けて、こだわるところにはこだわって、といった感じなのですね。年に4回ジャムのラインナップが変わるそうですが、それはどのようにして決めているんでしょう。

ろみそうですね。ラインナップも変わるし、年によって味も少しずつ変えています。というか、あえて変えてるんです。なんとなく、毎年フルーツの好みの傾向ってあると思うんですよ。少し前はマンゴーがすごく流行ったじゃないですか、それにカシスのときもあったり。

ろみそういうのって世の中の流れとリンクさせていくものだと思うので、毎回シーズンの3、4ヶ月前になったら次は何にしようかってお店のスタッフみんなと決めています。自分だけで決めると、気づいたら同じものばっかりになってしまったりするので(笑)。

romiunie_08

どこを見回しても可愛らしい店内。ふとお店の一番奥に目をやると横長の窓から厨房が覗けるようになっていました。お客さんからも見えるし、厨房のスタッフさんたちもお客さまの様子が覗ける、ちょっとしたコミュニケーションの窓になっています。

こんな風に厨房を覗けるお菓子屋さんはあまりないので、今日は何をつくってるのかな? と、ついつい覗いてしまいそうです。

romiunie_09

お客さんとだけではなく、スタッフとの交流も大切にしていると言うろみさん。

みなさんには、お菓子への愛情をどのように伝えているのでしょうか。

romiunie_10

ろみあえて言うなら、みんなが続けていけるように、「お菓子づくりが楽しい」という気持ちがしぼんでしまわないような労働環境を整えることが一番ですね。女性100%の女子校みたいな職場なので、やればやっただけお金になるってことよりも、きちんと時間内の労働で、保険があって、有給休暇が取れて、休みづらくなくてとか、そういうことが大事なんです。

ろみ結婚したり、こどもが生まれたり、子育てしたりしても仕事が続けられるような土壌がないと、スタッフはこの仕事は続けられないかも…と思ってしまうんですよね。他の割のいい仕事をしちゃうと、お菓子は趣味でいいやってなっちゃう方をたくさん見てきたので。そうならないように、お菓子作りの楽しさややりがいを感じてもらえる環境をつくることを大事にしています。

romiunie_11

ろみ例えば、うちでジャムを数年やってきて、次は焼き菓子をやりたい気持ちがある人には、私から「やる?」って言ってみたり。自分自身も、他の人に支えてもらいながら仕事の幅を広げてステップアップしてきたので。

ろみそれに、自然と長年やっていると、生活も含めてリズムができてくると思うんです。子どもが産まれてもそのまま継続できるし、それもまた違う視点でその仕事に向き合えるはず。毎日同じことの繰り返しではあるんですけど、“つくる”ってこととなると、「あれ?これ昨日とちょっと違う。なんだろう?」とか、そういうことに面白さを感じてきますし。そういうちょっとしたことも、アトリエの中で共有しながら、お菓子づくりの楽しさを探しています。

いっしょに働く人たちのこともとても大切にしているろみさん。お客さん、スタッフ、そうした人たちとのつながりの中で、生み出されているジャムだからこそ、なんだかじんわりとしみわたるようなジャムをつくり続けられるのかもしれません。

ろみさんおすすめの「グレープフルーツマーマレード」ジャム

最後に、ろみさんのおすすめジャムを聞いてみました。

romiunie_12

ろみどのジャムも好きなんですが、ここは「グレープフルーツのマーマレード」を。実は、ラベルにも付けているんですが、イギリスの「国際マーマレードアワード金賞」というものを受賞したんです。もともと自分の中でも自信があるジャムだったので、イギリス人の反応が知りたくてそのまま送ったら受賞してしまったんです(笑)。

ろみ工場生産のマーマレードは、ジュースを固めたような味で少し薄いなと思っていたので、私たちromi-unieのマーマレードである「シトラスシリーズ」では、独自の製法で果肉を残すことで、柑橘の爽やかさとフレッシュさをより感じられるものになっています。

これらの柑橘はどこ産のものを使っているんですか?

ろみこれらの柑橘は、日本の柑橘農家さんたちがつくっているものを使っていて、たくさんの種類があって、質がすごく高いんです。ただ、みかんの需要が減ったり、農家の方の高齢化などで、だんだん農家さんが少なくなってしまって。一方で、現役の柑橘農家さんたちが、みかん以外のレモンとかブラッドオレンジ、グレープフルーツなどの西洋風の柑橘をつくり始めているんですが、まだまだ流通もしてないし、値段的には高いんですね。

ろみでも、せっかくなので安心して皮を使える国産の柑橘を使って、もっといろんなマーマレードをつくってみたいという気持ちから、去年からマーマレードの「シトラスシリーズ」を始めたんです。それが国際的に評価してもらえたことがうれしくて、本当はもっとたくさんつくりたいくらい(笑)。6月からは、バレンシアオレンジが仲間入りしているので、ぜひ食べてみてほしいです。

 

数あるジャムの中から迷いに迷って、ろみさんイチオシのグレープフルーツマーマレード Citrus Pamplemousse(シトラス・パンプルムース)、鎌倉限定のCaramel KAMAKURA(キャラメル・カマクラ)をいただきました。

romiunie_13

まずは、金賞受賞のグレープフルーツのマーマレード。くどい甘さは一切なく、暑くなってくるこれからの季節でもいくらでもぺろっといけちゃうジャムです。普通のグレープフルーツのジャムは苦さが勝っていることが多いのですが、このジャムはグレープフルーツだけとは思えないやさしい甘さ!

さらにピールだけじゃなく果肉も入っていて、幸福感のあるマーマレードでした。パンに塗ってももちろん美味しいですが、ヨーグルトにかけて食べるとまたなんとも言えない美味しさに。季節限定のジャムなので、いますぐお店に行くしかありません。

romiunie_14

続いて、キャラメル・カマクラ。キャラメルのほろ苦さもありつつしっかりとした甘さのあるジャムでした。食パンに塗って食べるとちょうどいい甘さで、ヘーゼルナッツの香ばしさと食感が楽しいジャムです。食パンがデザートになった! と衝撃を受けました。

パッケージの可愛さ、ジャムの美味しさからずっと大好きだったromi-unie。いがらしろみさんと実際にお話ししてみると、この人がつくっているジャムだからこその味なんだと実感できました。

 

お菓子が好き、人が好き、話すのが好き。にこにこと楽しそうにお店のことを話すろみさんは、向日葵のようなとてもあたたかい方でした。お店に立っていることもたまにあるそうなので、ぜひ足を運んでみてください。もちろん他のスタッフさんも親切で丁寧な対応をしてくださる素敵な方ばかりでした(大量に買って、ラッピングをお願いしてもいやな顔ひとつせず接してくれました)。

romiunie_15

お土産に、自分へのご褒美にしたくなるジャム。ちなみに鎌倉のお店には、ジャムだけでなく焼き菓子やジャムをたっぷり使ったクレープもあるので、鎌倉に遊びに行った際にはぜひ食べ歩きのお供にしてみてください。