2016年1月に公開し、こだわりっぷりに感動した無印良品特集をもう一度!ということで、今回は、秋の新作から定番商品までご紹介します。最初に、無印良品のお菓子のアイコン的存在である「バウムクーヘン」について、長く愛され続けるワケを食品部のお菓子の開発担当の山田達郎さんに教えてもらいました。

並べてみたら日本を往復できるほど売れた、
“ロング”セラー

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無印良品のお菓子の定番商品「バウムクーヘンシリーズ」は、気がつくと新しい味が店頭に並んでいますが、どのくらいの種類がこれまでに発売されたのですか?

山田これまでにレシピ変更なども合わせて発売された数は、全部で72種類です。現在は、「マロンバウム」「かぼちゃバウム」「バナナバウム」「スイートポテトバウム」「宇治抹茶バウム」「オレンジサンドバウム」「チョコがけバナナバウム」「キャラメルサンドバウム」が店頭に並び、12/7には「アイシングがけレモン」「アイシングがけいちご」が発売されます。

「バナナ」や「スイートポテト」は定番ですが、「マロン」「かぼちゃ」は季節商品ですね。

 

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いろんな味があったとは知りませんでした…。「バウムクーヘンシリーズ」の棚を見ているだけで、季節の変わり目を感じられますね。ちなみに、一番人気は何ですか?

山田ずばり「バナナ」です。先日、発売開始の2000年からこれまでの売り上げ総本数を調べてみたのですが、約4,500万本中「バナナ」はおよそ4分の1の、約1,000万本でした。

「バナナ」は年齢問わず好きですもんね。それにしても、4,500万本ってすごい数ですね。

山田実は、並べたらどれくらいになるのかも計算もしてみたのですが、スティック状のバウム(14cm)を4,500万本並べると、6,500kmになりました。

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6,500km!

山田これは、日本列島を北(青森)から南(鹿児島)まで往復できる長さなんですよ!

それはすごいですね、まさしく“ロング”セラーですね!

バウムクーヘンなのに、スティック型

バウムクーヘンといえば、切りかぶ型が一般的ですが、この細長いカタチは無印良品良品ならではですね。

山田バウムクーヘンといえば、昔はお皿にカットしてフォークで食べるような、「ハレの日」のおやつのイメージでした。それをスティック型にすることで、気軽に日常でも食べられるようにと、発売当時に考えられた形なんです。

無印良品良品のバウムクーヘンは、筒を立たせて縦にカットしてつくります。ちなみにこれが原型です!

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だからああいう形になったんですね。ところで、バウムクーヘンシリーズには、一般的な切りかぶタイプもありますよね。片手で食べられる「気軽さ」は引き継いでいると思うのですが、なぜスティックタイプではないのですか?

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山田たとえば「抹茶」。抹茶はすぐに色や香りが飛んでしまう繊細な素材なので、断面の表面積が少ない円形で作ってみました。

「キャラメルサンドバウム」「オレンジサンドバウム」は、間にソースが入っているのですが、バウムクーヘンの製造過程でソースを挟むのは至難の技でして。さらに見た目もソースが入っていると美味しそうなので、あえて切りかぶ型にしています。

 

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“しっかり”から“ふんわり”へ。
進化し続ける無印良品のバウムクーヘン

すっかり日常のおやつの代表選手になった無印良品良品のバウムクーヘン。これまでに何か変化してきたことはありますか?

山田 大きな変化としては、2000年当時は“しっかり”した生地だったのですが、パンケーキなど柔らかなお菓子に人気が出てきた世の中のトレンドに合わせて、2014年を境目に“ふんわり”した食感に変更しました。

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ほんと、ふわふわした優しい食感ですね。フレーバーも進化していると思うのですが、どのように開発されていますか?

山田季節やそのときのトレンド、過去の人気だったフレーバーのリニューアルなどで、新商品が生まれています。ちなみに今発売中の「マロンバウム」もリニューアルして再登場した商品です。和栗を使い、より栗感を感じていただけるようにレシピを見直して再登場させました。

和栗を使っているんですか!贅沢ですね。 確かに、「かぼちゃバウム」もかぼちゃ感がたっぷりです。

山田ありがとうございます。他のお菓子にも言えるのですが、バウムクーヘンも素材の味を大切にしてつくっています。なので、着色料など使用せずに素材そのものの色を大切にしているため、「スイートポテト」と「バナナ」は、一見同じ色に見えてしまいますね(笑)。

 

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最後に、これまでに72種類のフレーバーが発売されたとのことですが、印象的なものはありますか?

山田そうですね、ユニークなところでいうと2007年に発売された「黒ごま 竹炭入り 黒バウム」とか、2009年発売の「コーンポタージュバウム」とか。

知らなかったです!食べてみたかった…。

山田これまでいろいろなフレーバーが発売されてきたので、お客さまから復活を望む声なども「IDEA PARK」で数多くいただくので、中にはそれを商品開発にも活かしています。

最近では、この2月にどんなフレーバーに復刻してほしいかの店頭試食アンケートを行ったんです。人気があった「桃」「紅茶」「塩キャラメル」の3種類に投票してもらったのですが、どれが1番だったと思いますか?

どれも美味しそうですね。う〜んどれでしょう、「塩キャラメル」とか人気がありそう!

山田残念、実は「桃」が一番人気でした!5月に復刻発売したのですが、店頭でもあっという間に売れてしまうほど人気で。

無印良品良品のお菓子のアイコン的な存在「バウムクーヘンシリーズ」。その人気のひみつは、①時代のトレンドに合わせること、そして ②お客さまの声とともに商品が進化し続けていることでした。さて、みなさんは何味がお好きですか?よかったらツイートで教えてください!

■ 教えてくれた人

山田達郎さん

(株)良品計画 食品部ローカルMD担当。一番好きなバウムクーヘンのフレーバーは「バナナ」。

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商品リスト
「マロンバウム」1個 180円
「かぼちゃバウム」1個 180円
「バナナバウム」1個 180円
「スイートポテトバウム」1個 180円
「宇治抹茶バウム」1個 180円
「キャラメルサンドバウム」1個 180円
「オレンジサンドバウム」1個 180円