日本の四季をイメージした、ほろほろ、さくさくのクッキー「香(か)ほろん」。洋菓子に和の要素を加えた新ジャンル、和洋菓子を扱うブランド「WA・BI・SA」の人気商品です。手がけているのは、葉巻形のクッキー「シガール」で有名な老舗ブランド「ヨックモック」。歴史ある洋菓子ブランドが、なぜ「和」に注目したのか? 老舗の洋菓子ブランドの視点で「和洋菓子」の魅力について伺いました。

伝統的な洋菓子に、和の雰囲気をまとわせて。「WA・BI・SA」が手がける「和洋菓子」の魅力

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みなさんは、「和洋菓子」という言葉を耳にしたことはありますか? 和の要素と洋の要素がバランスよく共存する「和洋折衷」を特長としているスイーツのジャンルです。

老舗の洋菓子ブランド「ヨックモック」が2004年に立ち上げた新ブランド「WA・BI・SA」が提案しているのが、まさにこの「和洋菓子」。「和の雰囲気を感じさせる 美しい洋菓子」をコンセプトに、さまざまな商品を展開しています。

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葉巻型のクッキー「シガール」、は「ヨックモック」ブランドの代名詞的存在。たっぷりとバターを使った豊かな風味とサクッとした口当たり、繊細な口溶けが人気。1969年の誕生以来、多くの人に愛され続けているロングセラー。10本入り670円〜。

「WA・BI・SA」というブランド名を日本語に置き換えると、「和・美・然」。それぞれ「和の心」「美の形」「然の美味しさ」を持った、繊細で新しい洋菓子。そんな気持ちが込められた、奥の深いネーミングなのです。

「WA・BI・SA」の「和洋菓子」を代表する商品が、ころんと愛らしいビジュアルのクッキー「香ほろん」。ヨーロッパの伝統的な焼き菓子の技法と和の素材を融合させた、大人気のシリーズです。

和を感じるフレーバーと、ほろほろの新食感の合わせ技

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「香ほろん」のころっとした形は、和のデザインに多用される四角形をイメージ。やさしくやわらかな雰囲気を演出しています。

見た目の愛らしさも魅力的ですが、口に入れるとさらに感動! 舌の上でほろりと崩れてするりと溶ける、ふんわりやさしい食感がたまりません。この、さくさく、ほろほろの独特の食感も、和を象徴するイメージのひとつ。

あえて卵を使わないことで生まれる独特のほろほろ感をベースにしつつ、素材の量や焼き加減の調整など、何度も試作を重ねてようやく行き着いた理想のバランスなのだそうです。

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「香ほろん」のもうひとつの魅力は、悩んでしまうほどにバリエーション豊かな味のラインナップ。一番人気の「和三盆」は、すっきりとした切れのよい甘さと上品な風味が魅力。ほろほろの食感との相性も抜群で、和の奥深さを堪能できるおいしさです。

そのほかにも、「抹茶」「きな粉」「苺」「ぶどう」など、魅力的なフレーバーがずらり。迷ったら味見をすることもできますので、気になる味があれば気軽にスタッフの方に声をかけてみてくださいね。

どのフレーバーも、見とれてしまうほど美しい色合いですが、なんと合成着色料は不使用。ぶどうの紫色も、いちごのピンク色も、食材が持つ自然由来の色合いです。「ありのままの姿を愛でる」和の精神が、隅々にまで宿っているのです。

バターが入っているのでコーヒーとの相性の良さは言わずもがなですが、和のおいしさを引き立てる日本茶とも好相性。洋食器はもちろん、和食器にも映えるビジュアルなので、お客さまのおもてなしには、和食器に盛りつけて日本茶と一緒にお出ししてみてはいかがでしょうか。

日本の四季をパッケージで表現。限定の「季節味」も要チェック!

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「香ほろん」は、一箱に2種類の味が2個ずつ入った4個入りパッケージで販売されています。「和三盆」と「抹茶」が入った「大地」、「和三盆」と「苺」が入った「朝ぼらけ」など、パッケージひとつひとつに和の趣あふれるタイトルがつけられているのも魅力的。

パッケージデザインがおしゃれで値段もお手ごろ、賞味期限も約ひと月半と長めなので、ちょっとした手土産にもぴったり。和風モダンなデザインは、海外の方にも人気があるそうです。パッケージを2個、3個とまとめて買えば、色鮮やかな紐で束ねてくれるサービスも。こんなに素敵なお土産、いただいたらきっと顔がほころんでしまいますよね。

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上記の定番の味のほか、夏は「白桃」、秋は「かぼちゃ」や「栗」など、四季の味わいが詰まった「限定味」も大人気。ハロウィン、クリスマス、お年賀など、季節の行事に合わせたパッケージもこれから登場予定です。

さらに今回訪問した「渋谷ヒカリエ店」では、「和三盆」と「きな粉」が入った「渋谷限定香ほろん」も販売中。人気の定番フレーバーが楽しめ、渋谷土産にぴったりです。

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新しい「和洋菓子」づくりに生かされる「ヨックモック」の伝統に培われた洋菓子技術

「WA・BI・SA」を手がけているのは、1969年創業の洋菓子ブランド「ヨックモック」。代表作といえば、葉巻のようにくるんとまるまった、40年以上の歴史を持つクッキー「シガール」! 国民的人気を誇る、大ヒット商品です。新感覚の「和洋菓子」を支えているのが、老舗の洋菓子ブランドだなんて、なんとも意外な事実……。

日本の四季の美しさや和の素材の奥深さを見直し、また、洋菓子だけでは表現しきれない新しい魅力を再発見するために、新ブランド「WA・BI・SA」を立ち上げたのだそうです。

「WA・BI・SA」が大切にしているのは、「ヨックモック」が培ってきた伝統的なヨーロッパの菓子作りの技術をベースに、日本ならではの美しさや季節の素材にこだわり、新しいおいしさを通してお客さまの心に感動を与えること。

「香ほろん」を始めとして、生地に餡を練りこんだ「あずきフィナンシェ」や、黒糖や和三盆が入った「しっとりショコラ」など、どの商品も、洋の技術と和の要素がお互いを邪魔することなくスマートに混ざり合っているのが印象的。洋菓子を徹底的に極めた老舗ブランドだからこそ実現できた、新しいものづくりの精神が感じられます。

「香ほろん」のような崩れやすく繊細な商品は、手作業が必要な工程が多いそう。すべてを機械に頼ることができない繊細な味わいも、「WA・BI・SA」の特長なのかもしれません。

今も昔も、大切にしているのは「まごころ」と「手づくりのおいしさ」。

ちなみに、前述の「ヨックモック」ブランドの代表作「シガール」も、発売当時はひとつひとつ職人さんが手作業でくるくると丸めて成形していたそう。繊細で慎重な技術を要する作業なため、人の手でなければ到底こなすことができなかったそうです。

成形は、焼きたてアツアツの状態が命。デリケートなクッキー生地は、冷えるとすぐに固まってしまいます。熱さに手を真っ赤にはらしながら大量のシガールをくるくるとスピーディーに丸め続ける仕事は、きっと大変だったに違いありません。

使用する機械も、「手づくりと同じレベルの味を再現できるものでなければ機械化の意味はない」「機械に合わせた菓子づくりではなく、菓子に合わせた機械づくりを」という思いから、特注の機械の開発にも長い時間と多大な苦労を要したそうです。「ヨックモック」のゆるぎない姿勢に、お菓子づくりへの並々ならぬこだわりを感じずにはいられません。

それほどまでにお菓子づくりと真摯に向き合い続けた企業だからこそ、「シガール」は今も多くの人から愛され続け、また、「WA・BI・SA」というブランドも、誕生から13年が経った今でもこうして生き生きと進化し続けているのではないでしょうか。

より多くの人に愛される「和洋菓子」を目指して

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「WA・BI・SA」では、大粒のざらめの食感が楽しめる「焦がしざらめカステラ」や、かき氷に見立てた夏限定のシャーベット「夏季の氷」など、他にも人気商品がたくさん。なかでも「焦がしざらめカステラロール」や「手だてぷりん」などの冷たいスイーツは、渋谷ヒカリエ店、アトレ吉祥寺店、ラゾーナ川崎店の3店舗のみでの展開となるため、たいへんな人気だそうです。

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季節について語らい合う心の余裕を持つようになったり、日本人が大切にしてきた思いやりや感謝の気持ちを伝え合ったり、人と人との豊かな結びつきが深まったり。お菓子をいただくささやかな時間がそんな素敵なきっかけになれば、という想いが詰まった「WA・BI・SA」の和洋菓子。これからもますます注目を浴びそうです。

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※ショーケースの内容は時期によって異なります。

■ 商品リスト

「香(か)ほろん」2袋4個入り 432円
「焦がしざらめカステラ」1ホール1458円
「夏季の氷」5個入り1728円
「焦がしざらめカステラロール」1458円
「手立てぷりん」324円〜

SHOP INFOMATION

NAME 【閉店】WA・BI・SA(ワ・ビ・サ)渋谷ヒカリエ店

※他、臨時休業する場合があります