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【東京・椎名町】規格外りんごの焼き菓子で産地とつながる「林檎と紅茶と」

UPDATE:

お茶好きライター

芦谷日菜乃 ashitani hinano

2022年6月、東京・豊島区椎名町にオープンしたりんごスイーツ専門店「林檎と紅茶と」。りんご農家から直接、規格外の「訳あり」りんごを仕入れてつくる、りんごタルトやアップルパイが大人気。そのお菓子の魅力と、店主・居石和恵(すえいしかずえ)さんの、りんごへの熱い思いを伺いました。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

目次

りんごスイーツよりどりみどり

西武池袋線・椎名町駅北口から商店街を8分ほど歩くと、「林檎と紅茶と」にたどり着きます。

入り口ではユーカリとローズマリーがお出迎え

店内に入ると、焼きたてお菓子の甘い香りが店中に漂っています。インテリアは韓国風カフェを参考にしており、明るいグレーで統一されたモダンなスタイルです。

椅子はアンティーク。ウッディなディスプレイ棚は廃材を再利用したもの。あたたかみを感じます。

(下段、左から)「バナナ林檎とチョコレートのマフィン」、「林檎のカスタードタルト」、「スコーン」3種。(上段、左から)「ネクタリンと紅茶のスクエアケーキ」、「レモンティーケーキ」、「林檎タルト」、「チェリーパイ」。

「林檎と紅茶と」では、オーナーの居石さん自らが農家さんと連携をとり農園直送のりんごを使用していることが特長です。特に、規格外の「訳あり」りんごを「アップサイクル」して作られる手作りベイクドスイーツは絶品です。店内ではカフェ利用も可能ですが、テイクアウトもできるとあって定期的にお店に足を運ぶ方もいるのだとか。

ここで、CAKE.TOKYO編集部が厳選したおすすめのラインナップをご紹介します!

まるごとりんごを感じる「林檎タルト」

食べ応えのある、スクエア型のタルト。

まずは「林檎と紅茶と」のシグネチャー「林檎タルト」(¥500)。
スライスされた林檎のお行儀よく並んだ様子がキュート。中にはぎっしりと林檎のコンポートが詰められてており、シャキっとした食感を楽しめます。発酵バターを使用した固めのタルト生地は、口の中でほろりと崩れてりんごと溶け合います。

ポイントは、季節ごとに旬のりんごを味わえること。青森県や長野県のりんご農家から直送されるりんごは、品種や味わいが時期によって異なります。りんごの甘みや酸味、煮崩れしやすさに合わせて、作り方を日々試行錯誤しているとのこと。「いつも同じではなく、そのときにあるりんごの味わいを楽しんでもらいたいです」と居石さんは語ります。

ザクごろ食感がやみつき「林檎のスコーン」

ホイップバターと林檎ジャムのトッピング(¥50)がおすすめ。

紅茶とぜひあわせたいのが「林檎のスコーン」(¥380)です。
こんがりと香ばしい焼き目がついたスコーンで、中には大きめにカットされた林檎と、ラムレーズンがごろごろと入っています。生地はやみつきになるザクザク食感。ブレンダーを使わず、手で生地を混ぜることで、その独特の食感が生み出されているのだとか。

夏限定!果実感満載の「チェリーパイ」

ルビー色に輝くプルプルのジャムがたっぷり。

夏限定の「チェリーパイ」 (¥600) は、旬のチェリーと林檎でつくったジャムを使用。「果物そのものの甘みを感じてほしい」との思いから、砂糖の甘みは控えめで果実感が抜群。ジャムにはチェリーの実が丸まる一粒入っていて、プチっとはじける食感がたまりません。発酵バターのコクを感じるサクサクのパイ生地と一緒にほおばれば、幸せまっしぐら。

★ちなみに、林檎の収穫期である9月~3月ごろは「チェリーパイ」ではなく「アップルパイ」が登場。カナダ式のパイからヒントを得て、スパイスを数種類効かせたクセになる香りが特徴です。発売時期は林檎の収穫状況次第なので、お店のインスタグラムを確認してください。

りんごと相性抜群のこだわり紅茶

さらに、スイーツとぜひ合わせてほしいのが、居石さんが厳選した紅茶です。

店内ではティーバッグも購入できます。

ストレートティーは「ニルギリ」、「アールグレイ」、「ダージリン」など計7種類。妊娠中の方やお子様に配慮し、オーガニックの紅茶3種も含まれています。また、フレーバーティーも人気で、「林檎とグリーンルイボス」や、「林檎加賀棒ほうじ茶」など「林檎と紅茶と」ならではのオリジナルのフレーバーが楽しめます。

「りんごと紅茶ってほんとうに相性が良いんです」と居石さん。

おすすめの紅茶は、埼玉県石田園から仕入れる「和紅茶」(¥500)。
ふんわりとほうじ茶のような香ばしさと甘みを味わえます。

スカッとしたいなら「アップルティーソーダ」

添えられたハーブ、セルフィーユの甘い香りも感じてみて。

紅茶とりんごを掛け合わせたオリジナルドリンクもあります。「アップルティーソーダ」(¥550)はりんごの甘みが感じられる炭酸ジュースに、アールグレイを煮出した自家製シロップを合わせた一品。スカッと爽快なのどごしとりんごの爽やかな香り、エレガントな紅茶の味わいが絶妙にマッチしています。

(画像奥側)大きなりんごは「フジリンゴ」、小さなりんごは「ジャズリンゴ」。品種によって見た目もこんなに違います。

「林檎と紅茶と」のスイーツは、どれも素材の魅力がこれでもかと表現されていました。りんご愛あふれるお菓子を作る居石さんは、どのようにお店をスタートしたのでしょうか。

捨てられるりんご、何とかしたい!

店主の居石さん

「実は父の実家がりんご農家だったので小さいころからずっとりんごを食べて育っていました。でも、規格のサイズより小さいものや大きいものは捨てられたり、安く買われたりすることも見ていました。味は変わらずおいしいんですけどね。だから、そのりんごをうまく再利用できたら素敵だなと思ったんです」
居石さんは池袋で育ち、ケーキや紅茶のお店に勤めたのちに結婚。子育てがひと段落してきたころ、長年の夢だったカフェを開きたいと思い、シェアキッチンで出店を始めました。

お店のロゴマークには、規格外のりんごを表現した小さなドットがたくさん描かれています。よく見るとひとつひとつ形が違っています。

幼いころから身近にあった、父の実家・青森から仕入れるりんごを使った焼き菓子は地元でも大好評。念願叶い、2022年に「林檎と紅茶と」をオープンしました。営業を続けるうちに、りんご農家や他の果物の生産者との新たなつながりも生まれています。

「りんごは長野県からも仕入れるようになりました。りんご農家さんはインスタグラムで『林檎と紅茶と』のお菓子を見てくれているので、うれしいですね。逆に私たちも農家さんが投稿する果物の写真を見て、励みにしています。旬の季節には、農家さん直送のりんごを店頭で販売することもあるんですよ。あまりスーパーで見かけないような珍しい品種のりんごもあるので、ぜひ知ってほしいです」

地元椎名町で清掃活動も

夫の河合禎督(かわいただよし)さんと夫婦二人三脚でお店を営んでいます。

そんな居石さん、今後はより地元での活動をふやしていきたいと話します。

「椎名町って、地元の方同士のつながりもあたたかい街なんです。池袋から一駅なのに下町風情があって、商店街や居酒屋は夜も地元の人でワイワイにぎわっています。何か地域でできることはないかなと、最近はイベントに出店したり、清掃活動の企画をしたりしています」

季節のりんごを届けながら、椎名町のつながりも生む「林檎と紅茶と」。ぜひ足を運んでみてください。

SHOP INFORMATION

SHOP 林檎と紅茶と(りんごとこうちゃと)
WEBSITE https://www.instagram.com/ringo.to_koucha.to
ADDRESS 東京都豊島区長崎2-2-11 エスポワール1F
TEL 080-7095-2004
OPEN 10:00~18:00
CLOSE 月曜日

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