【群馬・四万温泉】温泉地の新旧お菓子。今年オープンの農園直営カフェと40年以上続く群馬のソウルフードの老舗店。
グルメ大好き会社員
みゅー
2024年9月末、わたしの地元である群馬県の「四万温泉」を1泊で訪れました。
この旅行中に伺った2つのお店が、対照的であり、どちらもとても魅力的だったのでご紹介します。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
唐澤農園 いちご&スイーツカフェ
四万温泉までは電車とバスを乗り継いで向かいます。
まずJR吾妻線で中之条駅に到着した後、バスに乗り換えるのですが、わたしのルートでは、バスの発車まで1時間以上の空き時間がありました。そこで、駅周辺でランチやお茶が楽しめる場所を探していて見つけたのが「唐澤農園 いちご&スイーツカフェ」です。
中之条駅から歩いて5分。山々の美しい景色と川のせせらぎを楽しみながらたどり着くこのカフェは、2024年3月にオープンしたばかりの農園直営のお店です。
良いお天気の日でした
店主の唐澤俊さんは中之条の出身で、実家が農家ではなかったものの、高校で農業を学び、そのまま農業の道に進みました。
今から10年前、19歳だった唐澤さんは、いちご農家からハウスを借りられる機会を得て独立。
以降、農業についての勉強を重ねながら、やよいひめ、春恋、星の煌めきなど、こだわりの品種のいちごを肥料や水に気を配り丁寧に育ててきました。唐澤さんの愛情がたっぷり注がれた唐澤農園のいちごは、瞬く間に評判となり、多くの人々に愛されています。
大きな窓があり、太陽の光が差し込む店内
そして、独立から9年後の2023年、群馬県主催の「ぐんま6次産業化等イノベーションチャレンジ塾」に参加。ここで農林水産物の加工・販売ノウハウやマーケティングについて学び、ついにカフェをオープンしました。
カフェの店内は、大きな窓から農園の畑や美しい山々の景色が広がり、穏やかな太陽の光が差し込む設計。訪れる人が心からリラックスできる空間を目指して作られています。
店内のショーケースには農園で育ったいちごを使ったスイーツはもちろん、いちご以外にも旬のフルーツを使ったケーキやスイーツがたくさん並んでいました。
唐澤農園のいちごを使った「いちごのパンナコッタ」などが並ぶショーケース
この日は、チョコレートシロップの上にクリームチーズがトッピングされたかき氷をいただきました。
濃厚なチョコレートソースに甘みの強いクリームチーズがとてもマッチします。
かき氷 チョコレートクリームチーズ/ ¥858(税込)
店員さんに「農園直営のカフェだからフルーツのスイーツを食べるべきかなと思ったんですが、チョコもかき氷も大好きで、ついこれを選んじゃいました」と話しかけると「当店のいちごは本当においしいんですよ。食べてほしかったです!冬の時期が特においしいので、またお近くにいらしたときにはぜひお越しくださいね!」と温かい言葉をかけてくださいました。
お土産にできるクッキーやフロランタンなどの洋菓子も販売
故郷を離れてしまう若者が多いこの田舎町で、若い世代である唐澤さんがこの土地への愛を持ち続け、全世代で楽しめるいちご作りに力を注ぎ、しっかりと基盤を築いてこられた。その経験をいかして開いた若い世代にも親しんでもらえるカフェを訪れることができ、群馬県出身者として嬉しくなりました。
10月からは秋の食材を使ったメニューがたくさんラインナップされているそう。栗やぶどうなど旬のおいしさを味わうことができます。
くりっくりの栗パフェ/ ¥1,738(税込)
旅行にも最適な季節。四万温泉の近くへお出かけの際は、ぜひ唐澤農園に立ち寄って、秋の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。
SHOP INFORMATION
SHOP | 唐澤農園 いちご&スイーツカフェ |
---|---|
WEBSITE | https://karasawafarm.com/ https://www.instagram.com/karasawanouen/ |
ADDRESS | 群馬県吾妻郡中之条町597-1 |
TEL | 0279-26-8541 |
OPEN | 10時30分~17時30分(イートイン ラストオーダー16時30分) |
CLOSE | 毎週木曜日 |
焼まんじゅう 島村
旅館・温泉を堪能してチェックアウト。2日目は四万温泉街の散策を楽しみました。
温泉街散策で、訪れるのを楽しみにしていたお店が、2軒目にご紹介する「焼まんじゅう 島村」です。
場所は温泉街の中心エリア。店先で焼きたてのおまんじゅうをいただけます
焼まんじゅう、ご存じでしょうか?
焼まんじゅうとは、小麦粉に米糀を混ぜて発酵させた酒まんじゅうを竹串に刺し、甘い味噌ダレを塗って火にかけ、焦げ目が付くまで焼いたもの。群馬県の郷土料理のひとつで、よく「群馬県のソウルフード」と称されます。
群馬県の各地で親しまれているおまんじゅうで、筆者も子どもの頃には度々食べていましたが、現在の生活圏ではまったく目にすることがなく、たまに無性に食べたくなる一品。
そして、四万の温泉街に焼まんじゅう屋さんがあることを知り、旅行のときには必ず食べようとチェックをしていました。
外国人観光客も多い四万温泉、英語の説明書きもありました
お昼過ぎに訪ねると「よかったね、残り3本だよ」と店主の島村秀可さんが話しかけてくださいました。
「丁寧に焼くとおいしくなるんだよ。こうしておこげを作っていくんだ。」と言いながら串をひっくり返す島村さん。これまで数店の焼まんじゅうを食べてきましたが、炭火で焼く焼まんじゅうは初体験。期待が高まります。
炭火でじっくり焼き上げます
おこげがついてきたら、おまんじゅうに味噌だれを丁寧に塗って、焼いて、また塗ってを繰り返します。
このたれは秘伝のレシピ、なにが入っているのかは秘密なのだそう。
秘伝のたれをハケで塗っていきます
こうしてじっくりと丁寧に作られた焼まんじゅうがこちら!
ふかふかの焼まんじゅう/一串¥400(税込)
これまで数店の焼まんじゅうを食べたことがありますが、こんなにふわふわ食感な焼まんじゅうは初めてで感動のおいしさ。秘伝のたれは優しい甘さで、ぺろっと完食してしまいました。
ふと店内を見渡すと、過去に取材を受けた写真がたくさん。そこに写っているのはタレントさんとおばあちゃんでした。
店内には取材時の写真が所狭しと並んでいます
「ここはもともとはお母さまがやっていたのですか?」と尋ねると、島村さんは「少し過去のことを話させてもらうとね...」とお話をしてくださいました。
このお店は、島村さんのお母さまが43歳のときに始められ、そこから43年間にわたって切り盛りしてこられました。しかし約2年前、お母さまが逝去され、「母が作ったこのお店を絶やすわけにはいかない」と、息子の秀可さんがお店を継いだのだそうです。
わたしがお店を訪れたのは、9月の2回あった連休の後半のことでした。
「お客さんが『あのお母さんの焼きまんじゅうが忘れられなくて、また来ました!』と言ってくれるんだよね。頻繁に来られるような場所じゃないけど、連休になるとわざわざ来てくれるお客さんも多いから、店を開けておかないわけにはいかないなと思ってね。もう10日以上休みなく働いているよ。でももうそろそろ休みたいね。」と笑いながら話してくださった島村さん。
お母さまが始めた「もう一度訪れたくなるお店」は、息子さんの手によってしっかりと引き継がれ、今も大切に守られています。
SHOP INFORMATION
SHOP | 焼まんじゅう 島村 |
---|---|
ADDRESS | 群馬県吾妻郡中之条町大字四万4237-23 |
TEL | 0279-64-2735 |
OPEN | 10時00分~ ※完売次第終了 |
CLOSE | 月曜定休(祝日の場合は営業) |
後記
今年できたばかりのカフェと40年以上も続く老舗の焼まんじゅう屋さん。
お店の雰囲気も取り扱う商品もまったく違う2つのお店でしたが、どちらもこの地で営むことに特別な意味があるのだと感じました。
今回の旅では四万温泉や中之条駅に住む方々と触れ合い、みなさんが気さくに声をかけてくださるたびに、まるで実家に帰ったような温かさを感じました。訪れた2つのお店も、人々の優しさや温かさに触れることができ、自然と心が安らぐ、また訪れたくなるような場所でした。
人気の記事
-
【京都】国内最後の出店「アマムダコタン京都」限定、新作パンをチェック!
CAKE.TOKYO編集部
-
【2024年版】エキナカで手に入る!JR品川駅でおすすめの手土産スイーツ5選
CAKE.TOKYO編集部
-
【岐阜・各務原】新カフェ「matane HERB&SPICE(マタネハーブアンドスパイス)」がグランドオープン|ハーブとスパイスの癒し空間をレポート
アパレル勤務の一児のママ。
miki
-
【東京・駒沢】生ドーナツとベーカリーの新たな融合店舗「dacō?駒沢」がオープン!
CAKE.TOKYO編集部
-
【東京・お茶の水】大人気ベーカリーの2号店「ダコー 」はエンターテインメントなベーカリーカフェ
CAKE.TOKYO編集部
おすすめ記事
-
【お取り寄せ】ふんわり軽い、まろやかクリームの「中津菓子かねい」の「くりーむどら」
CAKE.TOKYO編集部
-
【お取り寄せ】栗農家とともに作る、愛媛「城川オリジナルモンブラン」のストーリー
CAKE.TOKYO編集部
-
【岐阜・各務原】新カフェ「matane HERB&SPICE(マタネハーブアンドスパイス)」がグランドオープン|ハーブとスパイスの癒し空間をレポート
アパレル勤務の一児のママ。
miki
-
ハーゲンダッツの新作!クリスピーサンド「 ロイヤルカフェモカ」を実食レビュー
CAKE.TOKYO編集部
-
【体験レポート】UCCコーヒーアカデミー 東京校でコーヒーのペアリングセミナーに参加しました!
フードイラストレーター
まるやまひとみ