今回ご紹介するのは、世界各国の珍しいお菓子が味わえる「Binowa cafe」。世界を旅しながら、郷土菓子を研究しつづける林周作さんが、2016年7月に原宿にオープンしたお店です。

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雑貨店も併設された、異国情緒あふれる店内

林さんは、世界の郷土菓子に魅せられ、2012年6月から自転車でユーラシア大陸を横断。フランスからはじまり、クロアチア、トルコなど32か国を訪れ、300種類以上のお菓子を食べ歩いてきた“味を伝える菓子職人”。

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林周作さん

もともと調理学校でイタリア料理を学んでいた林さん。料理店やパン屋で勤務する中、日本で味わうことのできない世界の郷土菓子に興味を持ち始めたそう。インターネットで調べながら独自で世界のお菓子作りに没頭するように。

旅するきっかけは、「お菓子を再現するうちに、そのお菓子の味が本当に合っているのかどうか知りたくなって」。実際に行ってみたら、知らないお菓子がいっぱいあって、どんどん世界の郷土菓子の魅力にはまっていったとか。

昨年末に帰国した後、旅する中で出会った郷土菓子のうち、約50種類を再現。その一部を「Binowa cafe」で味わうことができます。

さっそく、どんなお菓子があるのか、お店の中をのぞいてみましょう。

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「シェチェルブラ」(400円)

一見、餃子のようにみえるこのお菓子は、アゼルバイジャンの代表的な郷土菓子「シェチェルブラ」(400円)。粗めの砂糖とほろっと崩れるナッツの食感が楽しい一品。ふわっと口に広がるカルダモンの香りがくせになりました。

店内には、珍しいお菓子の製作過程を覗き見ることができるオープンキッチンの併設も。取材に行ったこの日はちょうど、シェチェルブラを製作する様子を見ることができました。

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シェチェルブラ製作中
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ひとつひとつ手作業で丁寧に作っていく

シェチェルブラの表面に描かれる独特の模様は、先のギザギザになったピンセットを使って描きます。この道具は、アゼルバイジャンの市場でしか購入することができないとか。

ほかにも、こんな魅力的なお菓子が並びます。

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「ベサン ラドゥー」(450円)

祝い事やヒンドゥー教の行事には欠かせないインドの郷土菓子「ベサン ラドゥー」(450円)。ギーと呼ばれる発酵バターと、ひよこ豆の粉をあまく炊き、カルダモンやレーズンなどを合わせたもの。 ピンクのパッケージは「シナモン」、黄色のパッケージは「カルダモン」。

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「バーズラーレッカリー」(600円)

スイス北西、バーゼルの郷土菓子「バーズラーレッカリー」(600円)。ハチミツ、スパイス、アーモンド、柑橘ピールを混ぜ合わせたソフトクッキー。歯にくっつくようなねちっとした生地で、ひと噛みごとにさまざまな味わいを楽しむことができます。

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「ポルヴォロン」(300円)

こちらは、スペイン南部、アンダルシア州の郷土菓子「ポルヴォロン」(300円)。口に含むとホロリと崩れる新食感。溶ける、という表現だと納得できるほど柔らかいです。現地では、ポルヴォロンが口の中で崩れる前に「ポルヴォロン」と3回唱えれば幸せが訪れるのだとか。

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「ベラヴェッカ」(1本1800円)

ホリデーシーズン限定販売の「ベラヴェッカ」(1本1800円/100本限定)。フランス・アルザス地方で11月辺りからお菓子屋やパン屋にずらりと並び始める。クリスマスに向けて毎日少量ずつ味わうのが正しい食べ方。ドライフルーツ好きにはたまらない一品です。

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ラインナップは全10種類。上段の3種は季節限定商品

いかがでしょうか?

どれも日本ではなかなか味わうことができない珍しいものばかりです。レシピは、現地の人々に聞いたり、ネット上で調べたり。最終的には、林さん自身の“舌”に記憶された味を頼りに仕上げていきます。

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16か国のレシピをのせた書籍も発売中

現在、ラインナップは全10種類。今後、林さんがいままでに味わった300種類の中からどんどん新しい商品を展開予定とのこと。これからどんなお菓子が出てくるのか、今後も「Binowa Cafe」から目が離せません。

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