とれたての栗を、そのままの味で
千駄木駅から5分ほど歩くと、レトロな下町の雰囲気を色濃く残す「谷中銀座商店街」に辿り着きます。メンチカツの香りが漂う中、活気に溢れる人波をかき分けて進んでいくと、そこにあるのはーー
「和栗や」はその名の通り、和栗専門のスイーツ店。店内では、モンブランやパフェなどの栗を使った10種類ほどのオリジナルメニューが楽しめ、お持ち帰りもできます。「栗専門店のモンブラン」だなんて、字面だけですでにおいしさが伝わってきませんか…?
栗は、全国一の栗の産地・茨城県の笠間地方で一番新鮮な状態で収穫・加工されたものだけが使われています。さらに、栗を加工するときに通常行われる「燻蒸(くんじょう)」という農薬を使うステップがないため、体にも優しいそう。栗への強いこだわりが伺えますね。
無論、百聞は一食にしかず。こうしたこだわりの数々は、一口食べてみればすぐわかります。まずは、定番メニューである「栗薫モンブラン」。
モンブランには珍しい四角形が美しいです。一段目には渋めの剥き栗のクリーム、二段目には棒状の無糖の生クリーム。その間に、メレンゲが入っています。そして三段目には、一段目よりも少し甘みの強い渋皮栗のモンブランクリームが重なっています。土台部分のビスキュイもサクサクしており、空気を含む軽やかな食感が、口の中での栗の風味に広がりを与えます。
このペースト、栗の風味がこれでもかというくらい凝縮されていて、たまりません。舌触りもなめらかで、舌の上に展開してゆっくり味わうと、実にしあわせな気持ちになれます。
上質な栗を厳選することに加え、店内でも栗の風味を最大限とじ込めるための工夫がされています。和栗や店長の横倉さんが、その秘訣を語ってくれました。
横倉栗はとても扱いが繊細な食材なので、いずれのメニューも注文を受けてから作ります。通常のモンブランは、お酒や香料、砂糖を加えることで長持ちさせていますが、なるべく作りたてを味わっていただくことが、栗本来の味を損なわないためには重要なのです。
栗と相性の良い意外な果物
次は、さらに豪華な「栗薫パフェ」を味わってみます。
こんなに美味しくて良いのか…! 思わず、そんな言葉が出てしまいます。こちらにのっている栗のペーストは、モンブランの三段目の渋皮栗モンブランクリームと同じようです。
溢れんばかりのイチゴは甘く柔らかで、モンブランと一緒に食べると栗の渋みとのコントラストが引き立ちますよ。アイスも栗らしい舌触りを感じられる食感で、ペーストの風味をまろやかに包み込み、全体として大人っぽいパフェだと言えます。
パフェの下の方には、なんとバナナが沈んでいます。バナナと栗というと慣れない組み合わせに聞こえますが、実際食べてみると相性の良さを認めざるをえません。イチゴもバナナも手懐けてしまう和栗に、ポテンシャルの高さを感じます。
また、各種スイーツに使われているお砂糖も、3種類のお砂糖が使い分けられているのだそう。こだわり抜いた栗本来の味わいを、ぜひ谷中のお店で。
SHOP INFOMATION
NAME | 和栗や |
---|---|
URL | http://waguriya.com/tokyo.html |
ADDRESS | 東京都台東区谷中3丁目9-14 谷中銀座商店街内 |
TEL | 078-599-9208 | OPEN | 11:00 – 19:00 |
CLOSE | - |
※他、臨時休業する場合があります