【大丸東京店にオープン】建築×パティスリー。小住匡彦が描く“唯一無二のスイーツ建築”──「Masahiko Ozumi Paris(マサヒコ オズミ パリ)」東京初出店
   
    
            
        
            CAKE.TOKYO編集部
    2025年10月29日、関西で話題を集めた“ザブトンモンブラン”で知られる「Masahiko Ozumi Paris(マサヒコ オズミ パリ)」が、ついに大丸東京店に初出店。
建築を学び、パリでスイーツの美学を磨いた小住正彦シェフが手がける、“構造と味覚が響き合うスイーツ”が東京に登場する。
ミシュラン星付きパティシエを目指す彼の、新たな挑戦とは。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。    
目次
大丸東京店に初出店。話題の“ザブトンモンブラン”がついに関東へ
        大丸東京店 店舗
2025年10月、「Masahiko Ozumi Paris(マサヒコ オズミ パリ)」が東京駅直結の大丸東京店の1階に新店舗をオープンした。
関西で話題を集めた代表作「ザブトンモンブラン」を筆頭に、建築的発想から生まれたスイーツを提案してきたブランドが、ついに関東へ進出する瞬間だ。
小住シェフ「大丸東京は、日本各地から人が行き交う“玄関口”のような場所。ここからブランドの“体験”を全国へ広げていきたいと思いました。」
関西で培った世界観を、東京で再構築する——。
出店が決まった今、小住正彦シェフの胸には、ひとつの大きな夢がある。
“自らの店で、ミシュランの星を獲得するパティシエになること。”
それは単なる野心ではなく、長い時間をかけて育まれた信念のかたちだった。
建築からスイーツへ。感覚を“設計する”ということ
        まるでニット小物のようなケーキ
関西大学建築学科で学び、サッカーに打ち込んでいた学生時代。父親がパティシエという環境に育ちながらも、自身がパティシエになるという選択肢はなかった。
だが、周囲が就職活動を始めた頃、明確な将来像はないままに、“スーツを着て企業に勤める自分”が、どうしても想像できず、ふと立ち止まる瞬間があったそう。
当時子どもたちのフットサルチームでコーチをしていた小住シェフは、サッカー強豪国・フランスへの憧れを抱くようになる。
そして、卒業式を終えると同時に、単身パリへ。
周囲が驚くほどの決断だったが、「自分の選択を正解にするのも不正解にするのも自分」と言い聞かせ、飛行機に乗り込んだという。
パリでの修業 ― 感情を動かす“味の体験”
        小住匡彦シェフ
フランス語を学びながら、現地のクラブチームに所属していた小住シェフ。
語学力が身についてきた頃「何か仕事をしてみよう」と思い立ち、両親の勧めもあり、パティスリーでのアルバイトを始めたことが人生の転機となった。
パリ中の店を食べ歩き、何度も足を運んで採用してもらったパティスリーで働くうちに、「お菓子には、人の感情を動かす力がある」と気づいたという。
ただ作るのではなく、“自分の手で体験としての味を生み出したい”——。そう強く思ったことが、シェフを志すきっかけとなり、パティシエとしての第一歩を踏み出した。
名門ル・コルドン・ブルーで基礎から技術を学び、数々の名店での修行を重ねたのち、26歳で「A Lacroix Patisserie(ア・ラクロワ・パティスリー)」のスーシェフに就任。
さらに28歳のとき、パリの五つ星パラスホテルからオファーを受け、スーシェフのテストに合格。約130人ものシェフやパティシエたちを率いる立場として、世界の第一線で自らの技術と哲学を確立していった。
帰国後は、小住シェフの父の店でもある大阪の老舗「Kent House Plus(ケントハウス プリュス)」の2代目シェフに就任。
その後、「Kent House」のセカンドブランドとして「Masahiko Ozumi Paris」をスタート。当初は月に一度のペースで提供していたが、「日常でもこの味を楽しみたい」という多くの声を受け、独立を決意した。
小住シェフ
「ブランド名に自分の名前を入れたのは、責任を持って表現していく覚悟を示すためでした。“Paris”という言葉は、私自身の菓子作りの原点であり、その精神を大切にしつつ日本から新しい価値を発信したいという想いを込めています。」
“建築的発想”から生まれた「ザブトンモンブラン」
        モンブラン ジャポネ ノワール ¥960(税込)
パリで学んだ“構造としてのおいしさ”を日本で再現するため、素材の組み合わせ、温度、香りの重なりまでを緻密に設計する。
その集大成が、ブランドを代表するスイーツ「ザブトンモンブラン」。モンブランといえば丸や山形になったイメージが一般的だが、「マサヒコ オズミ パリ」のモンブランはそのデザイン性で一線を画している。
小住シェフ
「日本のものを世界に発信したいという思いから、日本らしく芸術性も感じられる“座布団”の形を選びました。四角いフォルムの中にも、やわらかさを“構造”で表現したいと考えたとき、“ジェラート・ピケ”のパジャマを見て、表面で工夫で表現できることに気付いたんです。」
インスピレーションは特定のジャンルに留まらない。
ファッションや建築から発想することもあれば、街を歩いていて感じた空気感や、旅先で出会った景色、食材の色や香りから着想を得ることもある。
“感覚が動く瞬間”を大切にし、味の構造と思考を軸に「マサヒコ オズミ パリ」でしか味わえない体験を届けているのだ。
「ここにしかない体験を」― 形と味の“構造美”が生み出すスイーツ
大丸東京店では、定番の“ザブトンモンブラン”に加え、新作や限定商品がラインナップ。
小住シェフは“建築をスイーツで表現する”という原点に立ち返った、味覚と構造の両面から東京大丸限定メニューだ。
        モンブラン ジャポネ ノワール ¥1,280(税込)※冷凍で持ち帰り可能なタイプ
定番の「ザブトン モンブラン」を、冷凍の状態で持ち運びできるようにした、“東京駅だからこそ”の特別な一品。
一つひとつ専用箱に収められたモンブランは、持ち運びやすく、ギフトにもぴったり。冷蔵庫で3〜4時間ほど解凍してからいただくのがおすすめだ。
和栗を使用したモンブランクリームは驚くほど軽やかで、口に入れるとするりとほどける。栗本来の濃厚な風味と香り、やさしい甘さのミルクチョコガナッシュが絶妙なバランスで調和し、余韻まで美しい味わいに仕上がっている。
        ザブトン ミニョン プラリネ ブラン〈大丸東京店 限定〉 ¥2,300(税込)※写真左
大丸東京店限定のギフトスイーツ。「“手に取った瞬間から東京の空気を持ち帰ってもらう”。そんな想いを込めています」と小住シェフ。
赤レンガを思わせる深い色合いの缶と、構造的に並べられたサブレの造形が美しく、旅の記念やおみやげにも最適だ。
さくりと軽やかなクッキー生地に、ナッツの香ばしさとホワイトチョコのまろやかさが重なり、キャラメルのような余韻がふわりと残る。思わずもう一つと手が伸びるおいしさだ。
        ガトーボビン 抹茶 ¥930(税込) ※大丸東京店限定
他では見ることのない“ボビン(糸巻き)”をモチーフにしたケーキ。なめらかな抹茶ムースの中に、濃厚なバスクチーズを閉じ込めたチーズケーキだ。
心地よい抹茶のほろ苦さと、くちどけのよいチーズのコクが重なり合い、異なる食感と味わいがひと口の中で調和する。構造の妙と味覚の奥行きを感じる、まさに「マサヒコ オズミ パリ」らしい逸品。
“構造”で感情を動かすスイーツを世界へ
        可愛くて思わず足を止めてしまうショーケース
小住シェフ
「記念日でも、ふと立ち寄った日でも、“自分の感覚が豊かになる時間”を届けたい。店舗の数より、心に残る場所を増やしていきたいんです。」
小住シェフの視線の先にあるのは、世界の舞台だ。
小住シェフ
「自らの店がミシュランの星を獲得したパティシエとして、構造の中に感情を宿すスイーツを届けたい。流行ではなく、“本質的な美味しさ”で心を動かすブランドをつくっていければ。」
今のスイーツ業界では、植物由来の素材や糖質コントロールといった健康志向、そして環境負荷を考慮した製造方法など、サステナビリティが大きなテーマとなっている。
小住シェフもそれらを“流行”としてではなく、「これからのお菓子に必要とされる考え方」として捉えているという。
小住シェフ
「「マサヒコ オズミ パリ」 では、トレンドをそのまま取り入れるのではなく、味の構造として成立するか、食べたときに感動が生まれるかという観点で判断したいと考えています。」
東京駅から始まる新たな章。
建築とスイーツの境界を超え、体験としての“おいしさ”を世界へ届ける挑戦は、これからも続いていく。
SHOP INFORMATION
| SHOP | Masahiko Ozumi Paris(マサヒコ オズミ パリ)大丸東京店 | 
|---|---|
| WEBSITE | https://masahiko-ozumi.com/ | 
| ADDRESS | 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店1階 食品フロアほっぺタウン | 
| OPEN | 10:00~20:00 | 
| CLOSE | 館に準ずる | 
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