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【シュークリームの日】ひとつひとつにまっすぐ向き合う「La Pâtisserie Seri(ラ・パティスリー セリ)」

UPDATE:

フードイラストレーター

まるやまひとみ

毎月19のつく日は「シュークリームの日」。“シュークリーム”と「ジューク(19)」の語呂合わせから制定された記念日です。
私は母とおばあちゃんの家へ遊びに行く時、必ずお土産にシュークリームを買っていました。
家族と分かち合う甘いひとときは、私にとってかけがえのない思い出。
あなたもきっとやさしい気持ちになる、様々なシュークリームをご紹介します。

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東急・田園都市線「梶が谷駅」から大通り沿いを進んでいく。
通勤、通学の足音。保育園へ向かう親子。自転車に乗って買い物をする人たち。
「ラ・パティスリーセリ」は、そんな暮らしの景色の中にさりげなく現れる。
ガラス越しに見えるショーケースから赤々としたいちごが並んでいるのが見え、目線そのままに店内へと吸い込まれていく。
そこにあるのは誰もが一度は見たことのある定番のケーキたち。けれど、その絵に描いたようにはっきりとした輪郭や色のコントラストが力強く並んでいる。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

目次

みんなが安心して食べられるケーキ

「ラ・パティスリー セリ」があるのはマンションの一階。

駅からゆっくり歩いて2~3分ほど。オープンと同時に馴染みのお客さんとの挨拶が飛び交う。
一流ホテルなどで修行を積んだシェフが、地元であるこの場所に2015年4月にオープンした。
長年の経験で培った確かな技術力を持ちながら、謙虚な姿勢を忘れず、ひとつひとつ丁寧にお菓子を作り続けている。

マスコットキャラクターの「だいごろう」くん(右)と、弟の「こじろう」くん(左)

「子どもから年配の方まで、誰でも来られること」をコンセプトに、お子さんや妊婦さんでも食べられるようケーキにお酒・着色料・マーガリンは使わない。
食べたいケーキを自由に選んでほしい。こうしたさりげない配慮にこの店らしさがある。
笑顔で出迎えてくれる大きなクマの兄弟も、お客さんのアイドル的存在。
お店に入った瞬間から明るい気持ちに。

どのケーキも迫力満点!

冬から初夏にかけて盛り上がるいちごシーズン。
通年販売されている「苺のショートケーキ」を筆頭に、季節限定で顔を見せる「苺のエクレア」「ナポレオンパイ」などがショーケースを鮮やかに彩る。
強い甘さや香りで印象づけるのではなく、磨き上げられた技術とセンス、小さな工夫で作られた夢のようなケーキに目が輝く。
特別な食材に偏らず、手に入るものできちんとおいしく作る。
基本に忠実であることも強みであり、お客さんの安心安全を第一にすることもまた大切にしている要素だ。

素直な感情に真正面から応える

粒揃いの苺に、凛と角が立ったクリーム。

きっちりと形の揃ったケーキたち。ケーキ屋の技術は“魅せる部分”にこそ現れる。
派手なデコレーションをするのではなく、果物の存在感やクリームの絞り方の美しさが心を惹きつけ、味を想像させる。
ひと目で伝わりひとくちで納得するケーキに共通しているのは、見た瞬間においしさが伝わること。
かわいい、きれい、食べたい!をそそる一個一個の大きさ。誰が見ても瞬時にどんなケーキかがわかる。
しかし、どれもひとくちでその想像を超えてくるのだ。
たとえばショートケーキは一見オーソドックスでありながら、その奥行きに気づくのはフォークを入れた瞬間。
スポンジは生クリームと馴染み、舌に触れた途端静かに溶けていく。
そこに重なるいちごの酸味が全体を輪郭づけ、甘さで押し切らず、香りで主張しすぎない。
側面にほどこされたデコレーションまで眼福。
見えるところにも見えないところにも、お菓子作りに込める情熱は同じだ。

こぶしを超える大きさ!

「ラ・パティスリー セリ」渾身の逸品、「魂のシュークリーム」。
香ばしく焼き込まれたシュー皮の中に信じられないほどカスタードクリームが詰め込まれている。
鍋の前で汗水たらし極限まで炊き上げるというカスタードクリームはかたく重ための質感に。
手間と時間もかかる工程だが、ここを妥協しないからこそ名乗れる職人の“魂”が宿ったシュークリームなのだ。
しっかりと焼き込まれたシュー皮には、アーモンドを加えて香り高さと軽い食感をプラス。

カスタードクリームが濃厚な分、この歯応えが見事にバランスを取っている。
心もお腹も満たしてくれる貫禄のシュークリームで、私も明日への活力を補充しよう。

一球入魂!シンプルを極めたシュークリーム

illustration by まるやまひとみ

今回いただいたのは

●魂のシュークリーム  ¥432(税込)

クッキー生地を重ねたシュー皮から、アーモンドの香ばしい匂いがむくむくと。
手にずしっとくる重量感。職人の魂がもう伝わってくる。

皮とクリームの間にすら、少しの隙間も与えない。

みっちり詰まったカスタードクリームは割ってもだれない。
見た目の密度だけでなくクリームそのものの粘度がすさまじい。
もったりとしているが光沢のあるなめらかな断面が美しく、甘い香りに引き寄せられながらかぶりつけば左右からぶわっとあふれ出す。
くちについたクリームもご馳走だ。思わずにやけ顔。

ざくっとした食感、じわっと広がるアーモンドの旨み。

最初に生地の香ばしさが立ち、追いかけるようにミルキーなコク。
凝縮された深みは重くなく、むしろ後味の軽やかさへと繋がっている。
上品なバニラ香がきれいに溶け込み、全体をやわらかな印象に。
皮の香ばしさとカスタードクリームの甘さが絶妙に合う。
パティシエの努力と熱量の高さに触れ、「食べ切れるだろうか」という心配をよそに、食べる手は少しも止まらなかった。

自分を元気にするための“1個”

ショーケースの上には今にも喋り出しそうなスコーンが。

ケーキ屋さんに行くのはどんな時だろうか。
誕生日や記念日、特別なことがあった時に行く場所というイメージがあり、普段使いには少しだけ敷居の高さを感じてしまう。
「ラ・パティスリー セリ」には、食べたい時に食べたいものを食べたい分だけ気軽に買いに来てほしい。
頑張った今日のご褒美に。悲しいことがあったけど前向きになりたい時に。そして「また頑張るぞ!」という明日の自分のために。

ここに並ぶケーキたちは、私たちが贈り物をする時に「どんなものにしたら喜んでくれるかな?」と考えるのと同じ気持ちを持っている気がするのだ。
常に受け取る相手を想い、喜ぶ姿を思い浮かべながら作られているように感じる。
小さなクッキー1枚だっていい。緊張をときほぐし、心をやんわりと包み込む。
今の自分に不足した何かを埋めてくれるひとくち。
“特別な日のもの”から“日常の中の小さな回復”へと変わる瞬間だ。

ユーモアのある「だいごろうクッキー」はパティシエが一枚一枚手で成形。

誰かが決めた特別ではなく、自分だけの特別のために選ぶ。
その甘さが、なんでもない日だって良い日に変えてくれる。
だからこそ「ラ・パティスリー セリ」はこの場所にあるのだ。
帰り道、ひとつだけ。梶が谷の暮らしのそばで、今日も誰かの支えになっている。

SHOP INFORMATION

SHOP La Pâtisserie Seri(ら・ぱてぃすりー せり)
WEB https://www.la-patisserie-seri.com
ADDRESS 神奈川県川崎市高津区末長1-50-45
TEL 044-767-6820
OPEN 10:00~20:00
CLOSE 月曜日(祝日の場合、翌火曜日)

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