ケーキの真髄に触れられる場所

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吉祥寺で大人気の「レピキュリアン」は、吉祥寺在住の親友に教えてもらったパティスリー。スイーツ界で名高い金子哲也シェフが自ら作るケーキがいただけるとあって、比較的人通りの少ない道にあるにも関わらず、テイクアウトスペースも8席ほどのイートインスペースも常に大賑わいだ。ショーケースには宝石のように美しい色とりどりのケーキが整然と並び、ガラス越しに目に入る厨房は常に隅々までピカピカに磨き上げられている。

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心地よい緊張感の漂う店内に、ケーキやチョコレートの甘い香りが上品に漂って、なんともいえない高揚した気分が胸の中に広がって行く。ぴしっとアイロンのかけられた一張羅のワンピースを着て、背筋をぴんと伸ばして訪れたくなるような。レピキュリアンはやっぱり、私にとって特別な場所だ。

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語源は古代ギリシアの「エピクロス」

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私が「レピキュリアン」という言葉に初めて会ったのは、学生時代に耽溺していた太宰治の小説の中だった。レピキュリアン=快楽主義者だと覚えていた私がそのことについてシェフに聞いてみたところ、店名の由来はさらに奥深く、レピキュリアンの語源となった「エピクロス」にまで遡るものであることを教えていただいた。

エピクロスは古代ギリシアの哲学者で、「哲学は、概念と論証によって幸福を作り出すための活動」と定義したことで有名だ。シンプルながらも奥深く、幸福のために全身全霊で答えを追い求めるべきもの。そんな哲学をご自身のケーキ作りに重ねて、日夜研究を重ね、パティシエ人生を邁進していらっしゃるのだろうかと思うと、厨房でお話を聞きながら胸が熱くなってしまった。

なかでも店名をそのまま冠した「レピキュリアン」は、シェフのケーキ哲学を雄弁に物語るひとしな。金子シェフの哲学に触れたいなら、ぜひこのケーキを味わってみてほしい。シンプルながらも奥深い味わいが口内で幾重にも広がって、きっと頭で理解する以上に心に染み込んでくるものがあるはずだ。

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商品リスト
レピキュリアン
460円