こんにちは、CAKE.TOKYO編集部の名和です。おいしいパンがある朝は、いつもよりちょっとだけ早く起きれる気がします。
今回、取材したヘブンズテーブルは、手紙社が主催する「第10回東京蚤の市」だけでなく、「もみじ市」には第一回から出店しているパン屋さん。ふだんは週に一度アトリエでの販売、パン教室を開催しています。そんなトミヤマさんのつくるパンについて、お話をきいてきました。
オープンは金曜日だけ。埼玉県のパン屋さん
取材日は世田谷ものづくり学校の「まちのピクニック」の出店時に伺いました。12種類のパンや自家製シロップ、グラノーラにスコーンまで、どれもおいしそう!
パンはお二人でつくられているのですか?
トミヤマパンは私がひとりで作っています。夫はイベント出店のとき手伝ってくれていますが、メインは音楽活動をしています。東京蚤の市ではトミヤマカズヤスマキとしてライブステージに出演しますよ。
なんと!素敵なご夫婦です。それにしてもおいしそうなパンがたくさん並んでいます。せっかくなので、おふたりの冬季おすすめを教えてください。
トミヤマゆずはやっぱり”冬がきたんだなぁ〜”と感じる香りがいいですね。食パンはほんのりですが洋梨の香りがわかるかな?主張が強くないのでお食事系でも甘いジャムとも相性がいいです。
今回の「東京蚤の市」で買えるパンのおすすめを教えてください!
トミヤマまずは定番人気のパンだとこの5つ。
・左上 : ほうじ茶酵母のあんぱん(定番人気)
・右上 : レモン酵母のレモンとカスタードパン(定番人気)
・左下 : オレンジ酵母のマロンショコラ(季節限定)
・右下 : 酒粕とヨーグルト酵母のスモークチキン(不定期)
・中央 : バナナ酵母のバナナチョコマフィン(不定期)
トミヤマ定番人気の2種類は年間で安定的に出しています。マロンショコラは冬の限定です。私がすごく栗好きで、オレンジ酵母と組み合わせてみるとしっくりきましたね。酒粕とヨーグルト酵母は、結構好きでよく使ってます。成城・城田工房さんのスモークチキンがのっていて満足度も高いですよ。バナナ酵母はバナナのもつ香りと深い甘みが出ていてお気に入りです。
「とにかく時間がかかるんです、自家製酵母って」
そもそも”自家製の天然酵母”って何ですか?
トミヤマパンを発酵させるとき、安定してかつしっかり膨らむ”ドライイースト”と、時間はかかるけれど素材独特の豊かな風味を生む”天然酵母”があります。特に果物や野菜、茶葉などから酵母をおこしたものを”天然酵母”といいます。市販のものもありますが、ヘブンズテーブルのパンは、わたしの作った”自家製の天然酵母”を使っています。
酵母を起こすところから、パンになるまでどれくらい時間がかかるものですか?
トミヤマ酵母を起こすだけで1週間くらい、パン生地にしてからだと12時間以上寝かせることも。イベントなどで大量にパンを焼く場合は、焼き上がって冷ましてから袋詰めにした状態で売らなくてはいけない事もあり、イベント前夜に焼く場合が多いですね。昨日は朝3時から作っていました。
朝3時から?!すごいです…「パンは生き物みたいなもので、待ってくれない」と聞いたことがあります。
トミヤマそうそう、待ってくれない。生地の発酵に合わせて明朝に起きるんです。それから半日かけて焼いてると、途中で「何やってんだろう」って思うこともありますよ(笑)。ほんとに効率が悪いパンなんです。
「だから時間かけて、手間暇かけて、つくるんです」
それでも自家製の天然酵母にこだわる理由ってなんですか?
トミヤマ私すっごくひねくれてて、人と同じものはつくりたくなくて。どうしても市販の酵母だと、同じようなパンになっちゃいそうだなと。天然酵母って奥が深くて、毎回作るたびに状態が微妙に違ったりします。
では、同じ素材、酵母、生地をつかっても同じ味は作れない?
トミヤマそうです。全部ちゃんとおいしいパンですが、完全に同じパンはひとつもないんですよ。パンになると私にしかわからない違いなんですけどね…。
酵母がうまくできると、その分パンもおいしくなりますか?
トミヤマ焼き上がりを見ると、「あ、やっぱりね!」ってわかります。すごくいい出来上がりだと、純粋に嬉しいし、その気持でパン作りづつけてるのかなぁ。効率悪くても、時間かけて手間かけて、私にしかつくれないパンを作りたいんだと思います。
トミヤマさんにしかつくれないパン、ぜひたくさんの人に食べてほしいです。
酵母がつなげたおいしいご縁
酵母につかう素材は無農薬のものを使われているんですか?
トミヤマそうですね。どのパンも複数の農家や販売店から仕入れていますが、ほうじ茶の茶葉と、レモンはきまったところから仕入れています。
ほうじ茶は和歌山県の「どこでもそら」から、レモンは愛媛県の大三島で知り合った「しまど」から、どちらも無農薬のものです。お互いイベント出店でお話する機会があったり、知り合いづてに紹介してもらったり、繋がっていったんですよね。
無農薬のものを集めるのって、難しいんですよね、定期的にだと特に。だからすごく助かってます。どちらもなんだか発酵が良い気がして。
それぞれ丁寧に育てられたものが集まって、トミヤマさんのパンになっているんですね。
第10回東京蚤の市について(11/20のみ出店予定)
「東京蚤の市」では、パンの他に何か販売されますか?
トミヤマ第10回東京蚤の市は、11月20日のみ出店予定です。今回紹介した自家製酵母パンはもちろんのこと、肉まんや、台湾風の豆乳スープ、すだちシロップなど、身体がぽかぽかあたたまるフードをご用意する予定です。
パン屋さんの肉まん!どんな味ですか…?
トミヤマ台湾料理には欠かせないスパイス五香粉(ウーシャンフェン)を使った、風味豊かな肉まんです。豆乳スープはザーサイ、桜えび、ネギなどが入った具沢山の台湾風豆乳スープです。台湾では朝食の定番なんですよね。パン屋がなぜ台湾料理をと良くいわれるのですが、台湾が大好きだから台湾の美味しい物を沢山の人に伝えたくて。
パンは持ち帰りも出来ますし、もちろんその場で食べて頂いても。肉まんはその場で蒸し上げていますのでアツアツを召し上がって下さい。
無農薬の果物や野菜、茶葉からつくられたトミヤマさんの自家製天然酵母パンは、どれも”いましか味わえない、唯一無二のパン”。パンとのおいしいご縁を見つけに、東京蚤の市へ遊びにいくのもいいなぁ、なんて思いました。
SHOP INFOMATION
NAME | ヘブンズテーブル |
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URL | http://www.f6.dion.ne.jp/~h-table |
ADDRESS | 埼玉県川口市飯塚1–9–38 ホッカイマンション102 |
TEL | 048–253–7980 | OPEN | 金曜日11:00〜売り切れ次第終了 |
CLOSE | - |
※他、臨時休業する場合があります