「亀屋万年堂の目の前に、あんぱん屋ができたらしいから買ってきたよ」
と、上司が買ってきてくれました。どこをちぎっても“あんこ”が入っている「ロール編み」という形なのだそう。
亀屋万年堂の目の前?と言われて、はてどこだろうと思って行ってみると、なるほどここかぁと納得。
「申し訳ございません。1日200個しか作れませんでした。」
という看板とともに、「亀屋のあんぱん」という名前入りのまるいロゴマーク、ちょこんと小さい店舗ができていました。
CAKE.TOKYOのTwitterアカウントで、あんぱんの感想をツイートしようとしたその時、スマイルズの広報を担当している蓑毛さんから、丁寧な取材依頼の連絡をもらいました。
そもそもこのコラボは、自由が丘を拠点にしている「亀屋万年堂」と「自由が丘ベイクショップ」がつくった新商品。11月現在、亀屋万年堂 自由が丘駅前店でのみ販売している商品です。
今回お話を聞いたのは、今回のコラボを起案したWhav.の奥角翼さんと、株式会社亀屋万年堂代表取締役社長の引地大介さん、そして、今回の取材を取り次いでくださった株式会社スマイルズ広報の蓑毛萌奈美さんの3人。聞き手は、編集部の平野です。
コラボあんぱんが生まれるまで
はじめまして、今日はよろしくお願いします。以前あんぱんを買ったとき、パンとあんこのバランスがちょうどよくて、ペロリと食べてしまいました。
引地ありがとうございます。普通のあんぱんって、中は空洞なのでどこかにあんこが寄ってしまって、少しがっかりしますよね。
なので、すごくうれしかったんです。まずは、今回のコラボ企画を考えた、奥角さんからお話をお聞きしたいです。どういう流れでこのコラボが生まれたんでしょう?
奥角私は、自由が丘で生まれ育ち、今もここで新商品の企画開発や、街を盛り上げる事業をやっています。このあんぱん企画のきっかけのひとつは、引地社長と面識があったことです。
亀屋万年堂は、自由が丘に住んでいる人間にとって日常的な存在。亀屋万年堂さんに、僕のできることで、少しでも役に立てることはないかと考えていました。そこで、「こんな商品はどうか?」と提案させてもらったんです。
定期的に?
奥角ええ。その過程で、亀屋万年堂さんをもっと知りたいと思い、横浜にある自社工場を見学させてもらいました。それはそれは立派なもので。
自社でつくる「亀屋のあんこ」は、メーカーとしての強みになるんじゃないかなと考えました。そのあんこを使った商品アイデアのひとつに、「あんぱん」はどうか?と相談したら、社長も「やりたいと思っているんです」と。そこからはじまったんです。
引地たしか、ゴルフの帰りくらいだったかな?(笑)
奥角きっかけはそうですね。だいたい、1年前くらいかな。僕が考える企画の中では、普通に亀屋万年堂のあんこを使ってあんぱんをやっても良かったんですけど、「自由が丘ベイクショップ」さんを新たに絡めることで、亀屋万年堂さんに新しい価値を創ることができるのではないかと考えました。
奥角今回のコラボを引地社長に提案する前に、「自由が丘ベイクショップ」の浅本社長に「あんぱんをつくるのを手伝ってくれませんか?」っていう相談をして。その話を通した上で、亀屋さんに「自由が丘ベイクショップさんとあんぱんをつくりましょう」と伝えました。何回も商品開発をおこない、やっと先月発売することができました。
引地社長は、そのアイデアを最初に聞いたときにどう思いましたか?
引地実は、社内的にも「あんぱん」のアイデアが出ていたタイミングでして。というのも、当社は中元や歳暮といった贈答需要をメインに、ナボナを中心とした商売をしていますが、自分の代で新しい商品、新しい価値を生み出していきたいという想いは常に持っています。
その中で、社内でどんな商品が出せるのか話し合い、出てきたアイデアのひとつが、「あんぱん」だったんです。自社でのあんぱん企画が進むなかで、翼君(奥角さん)が提案してくれて。会って話をして、「お、これはいい!」と思い実際に動き始めた感じですね。
「自由が丘」が引き合わせたご縁
最初に連絡をいただいたのがスマイルズさんだったのが「?」だったんですが、どういう引き合わせだったのでしょうか?
奥角2016年4月に「also Soup Stock Tokyo」をオープンしたときのリーシングを私の会社で担当しまして、そこからのつながりです。それと、スマイルズさんが大事にしている「世の中の体温を上げる」という価値観が、このプロジェクトに合っているなぁと思ったんです。
蓑毛さんは、依頼を受けたとき、どうでしたか?
蓑毛純粋に楽しそうだ、と思いました。スマイルズはネクタイ専門店やスープ専門店など「専門店好き」なんですね。今回の企画も一種類のあんぱんだけの、いわば専門店じゃないですか。
引地社長や浅本社長の話を聞いて、自由が丘で新しい価値を生み出していくことのやりがいを感じました。HPサイトのディレクションもしています。キャッチコピーや表現方法については相談しながら進めましたが、亀屋万年堂さんの柔軟さ、度量の大きさは魅力のひとつだと思いました。
引地亀屋万年堂は、「自由が丘」にずっとこだわりを持っていて、暖簾やロゴマーク、パッケージの中には必ず「東京・自由が丘」を入れています。もし、全然関係ないパン屋さんとのコラボだったら違ったかもしれませんが、自由が丘にあるベイクショップさんとのコラボということで、街の活性化にも貢献できるんじゃないかなと思いました。
Whav.奥角さん、亀屋万年堂さん、自由が丘ベイクショップさん、スマイルズさん…、みなさん、自由が丘をきっかけに生まれたご縁なのですね!
蓑毛そうですね!自由が丘ベイクショップ浅本さんも、「自由が丘」という街に対する想いが強くて。奥角さんからいただいた提案だったことに意味があると仰っていました。亀屋万年堂の引地社長がおっしゃったみたいな、自由が丘同士のコラボだからこそ我々は一緒にやりたいのだ、と。
自由が丘を盛り上げたいという想いが強い者同士が集まったからこそ、「亀屋のあんぱん」には熱量を感じるのだな、とこの話を聞いて納得しました。素敵です!
後編に続きます。後編では、亀屋のあんぱんのこだわりについて・自由が丘のイメージについて聞きました。
SHOP INFOMATION
NAME | 亀屋万年堂 |
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URL | http://kameyanoanpan.com/index.html |
ADDRESS | 東京都目黒区自由が丘2-11-5 |
TEL | 03-3717-4510 | OPEN | 9:00~20:00(※売り切れ次第、販売終了) |
CLOSE | - |
※他、臨時休業する場合があります