珈琲ほど、スイーツに合う飲み物はないと思っています。お菓子を引き立て、単体でも幸せを運んでくれる希有な存在。そんな珈琲好きが高じて、編集部の平野は、札幌出張に際して「森彦」「RITARU COFFEE」「BARISTART COFFEE」の3つのお店を訪ねました。北海道は、スイーツ王国であると同時に、おいしい自家焙煎珈琲が飲めるコーヒー屋さんがたくさんあるのです。3店それぞれが考える珈琲観について聞いてきました。
「本当においしいラテをつくるために、ミルクにとことんこだわったお店をつくりたいんです」
と、バリスタの竹内さんが話してくれたことが今でも印象に残っています。
場所は、北海道札幌。北海道出身の知り合いに「あなたが泊まっているホテルの近くに、ミルクにこだわったおいしいラテを飲めるところがあるから行った方がいい」と言われたことがきっかけでした。
名前は、「BARISTART COFFEE」。熊のロゴがかわいくて、家の形をした、外観もかわいいお店。MaWやA.P.C 札幌店などアパレルや飲食を運営するins&company.ltd.の新業態としてオープンしたコーヒースタンド 。数々の賞を獲っているヘッドバリスタの竹内雄基さんが主に店に立っています。
考えてみると…、数ある珈琲の中で、ラテのミルクに力を入れているコーヒー屋さんってあっただろうか?と。そこを強みにしているところってないなぁと思ったんです。そんな折にタイミングよく紹介してもらい、話を聞きに行くことにしました。
札幌駅から徒歩数分。交差点の先にある、大きな熊のロゴが目印の「BARISTART COFFEE」。
店内にも、トレードマークの熊が。
BARISTART COFFEEのラテの主役は、ミルク。「十勝ジャージー牛乳」や「函館ホルスタイン牛乳」、「美瑛ジャージー牛乳」」など、取材した2016年11月現在、4種類の牛乳から選んでラテをつくってもらうことができます。
今回オーダーしたのは、オススメの「美瑛ジャージー牛乳」でつくったラテ(630円)。濃厚なジャージー牛乳を使うときには少し苦めのエスプレッソにして味を調整しているのだそう。
「できました」と、差し出してくれたラテの美しさ…。スッと口をつけて一口飲んでみると、ラテの甘さを想像していたので、意外な苦さにびっくり。
ただ、だんだんと飲んでいくと、スーッと苦みが消えてなくなり、牛乳の甘さを感じるように。これまで飲んだどのラテよりも牛乳のおいしさが際立っていておいしかったです。
ちょうどお話を聞いた日は、“世界最高級豆”といわれている「ninety plus perci ruby」のカプチーノとエスプレッソの贅沢セットを頂ける最初の日。お客さんもそのコーヒーを飲みに朝早くからやってきていて、朝から賑わっていました。
つねにお客さんが来ていたため、間を縫って竹内さんに話を聞くと、勤めていた会社が倒産してしまい、たまたまTVで見たカフェの特集がきっかけで、カフェの業界に興味を持ち、専門学校で勉強したのだそう。
「当時勤めていたエクセルシオールで働いていたバリスタの方に、エスプレッソを落としてもらったんです。そのときに飲んだエスプレッソの味が本当においしくて。それが、9年前の21歳のころですね」
そこから、ドトール系列のエクセルシオールで働き、その後、自家焙煎珈琲店の「徳光珈琲」に就職。そこで5年間修行を積んだのち、2015年独立して「BARISTART COFFEE」をオープンしました。
「僕はずっとラテをやっていて。ラテアートって一種の技術なんです。練習すればうまくなるんですね。その技術を評価する大会もあって、それに出るために練習する。でもそれを追求しすぎて、何のためにラテをやっているんだろう…?と目的を見失ってしまう時期がありました。自分はどうしたいのか、よくよく考えた結果、『牛乳にこだわり抜いた本当においしいラテ』をつくりたいと思ったんです」
「コーヒー屋さんってコーヒー自体に目が行きがちなんですけど、僕は北海道育ちということもあって、北海道産牛乳のおいしさを十分感じていました。だからこそ、なんでミルクにめちゃくちゃこだわったものを自分でつくっちゃおうと思って」
そうして“牛乳”にとことんこだわったラテをつくるため、北海道の牧場を10軒以上回り、中には一日搾乳体験をさせてもらいながら、納得できる牛乳を探し求めました。
何度も農家さんと話し合いを重ね、殺菌方法・搾乳時間・絞る時間帯などを調整してもらってできたのが、特別希少なジャージーミルクを使ったこだわりの「BARISTART LATTE」です。まさに、“牛乳が主役のラテ”!
最後に、今後の展開について聞いてみました。
「今年は店舗展開や新たな契約牧場の獲得など北海道のBARISTARTでしか楽しめない唯一無二の至福のカフェラテを作りながら、ラテアートの世界選手権などで良い成績をとり日本一のラテを楽しめるお店にしたいです」
これまで、コーヒーは砂糖もミルクも入れないブラックオンリーでした。ただ、BARISTART COFFEEのラテを飲んだことがきっかけで、ラテもいいものだなぁと思うように。ここのラテを超える感動は、これ以降、未だありません。
もし札幌に行く機会があり、本当においしいラテが飲みたいなら、「BARISTART COFFEE」に寄ってみることをおすすめします。
SHOP INFOMATION
NAME | BARISTART COFFEE(バリスタートコーヒー)札幌店 |
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URL | https://www.baristartcoffee.com |
ADDRESS | 北海道札幌市中央区南1条西4丁目8番地 NKC1-4 第二ビル1F |
TEL | 011-215-1775 | OPEN | 10:00~18:00 |
※他、臨時休業する場合があります