お菓子を買うときって、大人にとっても子どもにとっても、わくわくする瞬間ですよね。食べるのを楽しみにしたり、あげる相手を思い浮かべたり…そんな気持ちを思い出させてくれるのが、浅草の観音裏にあるお菓子屋さん「NOAKE TOKYO」です。遊び心のあるお菓子を生み出す、パティシエの田中伸江(たなかのぶえ)さんにお会いしました。

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屋台からスタートしたお菓子屋さん

中学生くらいから、お菓子をつくることで頭がいっぱいだったという田中さん。大学の仏文科を卒業後、製菓会社に勤めてフランスのお菓子屋さんを担当したり、退職後は東京やスイスのお菓子屋さんで働いたりと、国内外で経験を積みます。帰国後は「ベージュ アラン・デュカス東京」でパティシエを勤め、独立して「NOAKE TOKYO」を創業したのが2009年。驚くことに、屋台営業からスタートしたのだといいます。

「お祭りの屋台は、子どもにとってハレの日のもの。私にとってもそうでした。そんなハレの日みたいなことが、日常にあったら楽しいなって。ドラマやアニメでも、仕事帰りにおでんのような屋台に立ち寄るシーンってあるじゃない?そういうのもいいですよね。屋台での営業は簡単ではないけれど」

表参道や六本木で屋台のお菓子屋さんとして活動し、2012年には現在のお店を浅草にオープンしました。店の中央には、実際に使っていた屋台が今も鎮座しています。

看板商品のボンボンキャラメル

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屋台を中心に並べられているのは、見た目にもかわいい「ボンボンキャラメル」や、綿菓子のような「雲菓(くもか)」など、遊び心が感じられるお菓子ばかりです。田中さんにとって、お菓子作りにも「お祭り」は大事なキーワードなのだとか。

「最初につくったのが『ボンボンキャラメル』でした。お祭りで食べるりんご飴とかチョコバナナって、すごくかわいい。それを大人も食べたくなるように、“もっとおいしくしよう”と思ったのが、つくったきっかけ。『ボンボンキャラメル』は創業時からずっとあるので、自分にとって大事な存在です」

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左から「ブルーベリとカルピス」「苺とフランボワーズ」「レモンとミルク」
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「グリオットチェリーとバラ」(左)と「アプリコット」(右)
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左から「洋ナシと蜂蜜」「バナナとオールスパイス」「パッションフルーツ」
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一口かじると、チョコレートと、果汁感あふれるとろっとしたキャラメルが合わさって、これが絶妙においしい組み合わせ!全部で8種類ある「ボンボンキャラメル」は、創業時からほぼ顔ぶれが変わりません。

「新しい味や限定のフレーバーをつくることはできると思う。けど、香料とかを使っていないから、果汁自体が持ってる粘度や糖度・繊維とかを考えると、今ある8種類がずっと安定してつくれるなと思って」

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大人になっても食べてほしい

そう言われて見回してみると、「NOAKE TOKYO」にはお菓子屋さんでは珍しく、期間限定の商品というものを見かけません。いちごや栗を使ったお菓子が季節限定商品としてありますが、それも毎年同じ時期に登場します。

「限定品は楽しいと思う。本当は“令和”とか書いたりして売りたいという気持ちはあるもん(笑)。だけどそういうのって、いつかなくなっちゃうじゃない?『NOAKE TOKYO』は、子どものときに食べたものが、大人になってもあるお店でありたいと思ってる。もう10年くらい誕生日ケーキをつくってあげている子がいるんだけど、その子が大人になっても同じものが食べられる状態にしたいんだよね」

田中さんの、利益や話題性重視の売り方から距離を置いた姿勢は、お店を構える場所にもあらわれているようです。選んだのは、独特の季節感をもつ浅草。田中さん自身が浅草界隈で育ち、小さい頃から三社祭などのお祭りが身近で、寺や神社の催事で季節を感じてきました。

「商業的にざわざわしないところにいたい。そうしたらお金儲けにはならないんだけど(笑)。
今は春だから、お祝いのためにお菓子をお求めになるお客さまがたくさんいらっしゃる。それはすごく楽しい。夏は自分のためにいらっしゃる方が増える。秋から冬にかけて、誰かにあげるためにいらっしゃることが多い。食べて楽しいだけじゃなくて、あげて楽しいというのも素敵だと思う」

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「ボンボンキャラメル」はブーケにしてもらって贈り物にするのもぴったりです。

わくわくすることは何か

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心から本当にわくわくするお菓子をつくること、そしてお店を続けることを考えて、田中さんはずっとお客さんに来てもらうために、日々マーケット観察をしているそうです。

「地場商売であるお店を存続させるのって難しいこと。最近の人はお財布は堅いかもしれないけど、楽しいことは好き。何をすごく楽しいと思うんだろう?今日来たお客さんが、10年後も来てくれるためにはどうしたらいいか考えてます」

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最後に大事にしてる言葉を聞くと、すぐに返ってきたのが「日々是(これ)感謝」という言葉。「何にでも“ありがとうございます”と思うようにしている」と話してくれました。

店舗には全ラインナップが揃い(売り切れの場合あり)、イートインも可能。イートインでおすすめの『キャラメルバナーヌ』は、キャラメライズしたバナナがぎっしり入っており、濃厚で食べ応え抜群です。

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お話を伺いながら、NOAKE TOKYOに向かうとき、お菓子を手に入れて帰るとき、いつもわくわくする秘密が分かったようでした。人と楽しみや季節を共有したくなる、そんなお店です。駅から少し離れていますが、ぜひのんびりとお菓子をのぞきに行ってみてください。

■商品リスト

ボンボンキャラメル 1本280円
キャラメルバナーヌ 452円
その他、焼き菓子やサブレなど

※2019年5月からの改定価格を掲載しております