世界中のグルメ食材からこだわり抜いたオリジナルフードまで取りそろう、「成城石井」のベストセラースイーツ。 どれもこだわりが詰まったオリジナル商品の裏側を、全10回にわたってご紹介します。 第一弾は2015年3月の発売以来、大ヒットしているという、アジアンスイーツ「モーモーチャーチャー」です。

“ごちゃ混ぜ”にして食べる、至極のアジアンスイーツ

cake.tokyoチームの試食会でも大好評! …と同時に、初めて食べたスタッフからは「どういう意味?」「このスイーツはなに?」と「?」が続出したこのスイーツ。

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なにが入っているかというと、二層になった容器の上段には、さつまいもの甘露煮、ヒヨコ豆、赤エンドウ豆のかのこ、羽二重餅、下段にはココナツブランマンジェ。

どうして成城石井からこの商品が生まれたのか知りたくなり、編集部は成城石井に取材依頼を出し、成城石井の心臓部とも言われている南町田にある「セントラルキッチン」へお邪魔しました!

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成城石井の約200種類の自家製のお惣菜・スイーツ・パン・加工肉はここ「セントラルキッチン」で職人たちの手によって主に手作りされ、全国へ出荷されるのだそうです。

お話を伺ったのは、成城石井のお菓子を開発し続けて18年、菓子グループ長の光野正三さん。さっそくお話を伺いました。

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光野モーモーチャーチャーは、もともとはマレーシア生まれのスイーツです。それが中国に伝わって漢字では「麼麼咋咋」と書くようなのですが、「ごちゃ混ぜ」という意味と言われています。 私がはじめて食べたとき、ココナッツミルクのお汁粉だなと思いました。日本ではあまり知られてないし、これを成城石井風にアレンジしたら?と考えたらいろいろなアイデアがひらめいて。これはヒット商品になるぞ、と思いましたね。

最初からすでにヒットの予感が!? アレンジのアイデアとはなんでしょうか。

光野「麼麼咋咋」の芋とココナッツミルクの組み合わせが新鮮だったのですが、そのままでは成城石井らしくない。そこでさつま芋を甘露煮にしたものと、甘さを引き立たせるため塩気を利かせたに赤えんどう豆をトッピングに選びました。 ご飯が食べられるくらいのしょっぱさなのですが、この塩気が思いのほか好評で。 これらを「ごちゃ混ぜ」にして食べるのが正しい食べ方です。

甘じょっぱさと、ごちゃ混ぜにしたトロトロ感がクセになります。ココナッツミルクの濃厚さもたまらないです。

光野万人受けするか分からないけど、私がつくるものは“濃厚”なものが多いんです。素材の味を活かしながら「ガツン」ときかせたい。ココナッツを嫌味じゃない程度にどこまで出すかが、試作に一番時間がかかりましたね。 上に浮かべたアングレーズソース(カスタードソースの一種)はパティシエとしての味付けです。香りも味もぐっとよくなるんです。

アジアンスイーツに、洋風のアングレーズソースというのがポイントですね。あと忘れてはいけないのがこの羽二重餅(砂糖や水飴を加えて練り上げた餅)!

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光野餅は全部自家製なんです。でんぷん質なので冷蔵庫に入れると硬くなってしまうのですが、これはずっとやわらかくなるように工夫しました。

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全国分が全部自家製なんて! そのこだわりが、もっちりくにゅくにゅしたおいしいお餅を生み出したのですね。それから「ごちゃ混ぜ」で食べるなら、なぜ最初から混ざってないのでしょうか?

光野お客さまがお持ち帰りをするときに、水分がにじまないようにという配慮です。固まってはいるけど、かきまぜると、さっと液状にトロトロになる食感を目指しました。飲むヨーグルトみたいな食感に近いですね。ふつうの寒天とかゼラチンじゃ、こうは固まりません。

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光野わたし的には、最初は混ぜずに少しずつ素材の味を味わってその後で混ぜて食べてます。いろんな楽しみ方ができるのも楽しいです。

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職人による、本格的な「成城石井の味」づくり

光野おかげさまで売れゆきは順調です。もっと有名になって「モーモーチャーチャーといえば成城石井」となるのが夢ですね(笑)。

美味しいし、一度聞いたら忘れられないキャッチーなネーミングなので、そうなる日も近いんじゃないでしょうか。実は、光野さんにお話を伺うのをとても楽しみにしていたんですよ。成城石井のパティシエとして、数々のメディアに出演されている光野さんですが、以前はマキシム・ド・パリで働かれていたとか。成城石井にはいつ入社されたのですか?

光野18年前に入社しました。そのときは成城石井にはコーヒーゼリーとプリンしかありませんでした。例えば町のケーキ屋さんには、「お店の味」というものがあるでしょう? だから、私は「成城石井の味」を確立させるのが第一の仕事でした。

お話を伺って、工場の機械ではなく、一流のパティシエの手がスイーツを産み出しているというところに「成城石井の魂」のようなものを感じました。

光野ありがとうございます。手作業ですと、素材を丁寧に扱えますし、ちょっとした微調整もすぐに行えますし。

なるほど。だからこそ、成城石井の味をつくれるのですね!

続いて、成城石井のさらなるこだわりを、「プレミアムチーズケーキ」「ナチュラルチーズのクアトロフォルマッジォ」「特製焼プリン」「北海道えびすかぼちゃのパンプキンプリン」「フレッシュフルーツの杏仁豆腐」「もちもち黒糖きなこ」「desica和三盆ポルボローネ」「desicaアーモンドフロランタン」「国産果実のひとつぶゼリー七種ミックス」の開発秘話を紐解きながら伺います!

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手で作業するから、サツマイモや豆、やわらかい餅の形をくずさずに容器に入れられる。
教えてくれた人
光野正三さん
成城石井製造本部、菓子グループ長。マキシム・ド・パリのパティシエなどを経て成城石井入社18年目。素材のもつピュアな味そのものが活きた菓子作りがモットー。
商品リスト
成城石井 自家製モーモーチャーチャー 431円