卒業式お祝いに、ピアノの発表会後に。ちょっとした贈り物にマドレーヌをもらう機会は今まであっても、自分から進んで買うことは少ないのではないでしょうか。そんなマドレーヌを専門にしているお店が自由が丘にあります。お店の名前は、マドレーヌラパン。今回は代表の村井さんとフードコーディネーターの相原さんにお話を聞きました。

お店に入ると、ずらっと並ぶマドレーヌ。光を浴びてキラキラと光るマドレーヌは美しく、ぷくっと膨らむおへそは愛らしい。小物までかわいい店内には、甘い香りと朗らかな雰囲気が漂っています。

お店に並ぶマドレーヌの種類は、8〜10種類。一番人気は定番フレーバーの「バニラ」です。シンプルだからわかる優しい甘みが特徴で、マダガスカル産の最高級バニラビーンズを使っています。

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まずは食べたい、定番で基本の味「バニラ」。

反響が大きいのは「しゃりしゃりレモン」。表面はレモン果汁の入ったアイシングで覆われています。固めるのに時間がかかるため、数は少ないですが、店舗でだけ購入できるマドレーヌです。

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「しゃりしゃりレモン」。見た目よりもさっぱりしていて、甘さ控えめ。

期間限定フレーバーは4種類。来年の同じ時期に、全く同じフレーバーがあるとは限りません。もし同じ名前のフレーバーがあっても、トッピングや配合を変えてしまうことが多いそう。

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期間限定フレーバーの「さくら」。ほんのり塩味で、マドレーヌなのに桜餅をイメージさせる味。

ほかにも抹茶、チョコレートなど色とりどりのマドレーヌが並ぶ「マドレーヌラパン」。日本では珍しいマドレーヌ専門店です。お店のこだわりを詳しく知りたくて、お話を伺いました。

きっかけは「やさしいお菓子を贈りたい」という気持ち

はじめに、お店を始めようとしたきっかけについて教えてください。

村井きっかけは、2年半ほど前です。自分自身も含め、わたしの周りで出産する人や小さいお子さんがいる人が増えたんです。お手みやげのお菓子で、日持ちして安心して食べられて、カフェインが入ってないものがなかなか見つからなくて。そんなお菓子をつくれたらいいなって思いました。

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お菓子のなかでも、どうしてマドレーヌだったんですか?

村井シンプルな素材で出来ていて、優しい味で、ほっこりするお菓子…と考えたときに「マドレーヌだ」と思ったんです。お母さんが家で焼いてくれたり、お祝いやお土産でもらったりした思い出がある人も多いですよね。そのくらい日本に浸透しているのに、お菓子屋さんの片隅に置かれていることが多い。だからこそ、 専門店にすることで、もっと手に取ってもらえるんじゃないかと思ったんです。

村井さんはもともとパティシエさんなんですか?

村井パティシエではないですが、レストランやお店の開発に携わる仕事をしていました。なので、レシピや商品開発はフードコーディネーターの相原と今も一緒に進めています。

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フードコーディネーターの相原さん。

相原村井と共通の知人から「マドレーヌをつくりたい人がいるから話を聞いてみない?」という話を受けて、それからですね。「まずは試作してみよう」とレシピづくりがはじまりました。素材選びにもこだわったので、何度も分量を変えて、二人で味見して、1000種類以上の試作を重ねました。

シンプルなお菓子だからこそ、本当にちょっとした差で風味が変わってしまうんです。

マドレーヌにぴったりの、こだわりの素材

素材選びのこだわりについて、詳しく教えてください。

村井マドレーヌの基本材料は、小麦粉、砂糖、バター、卵の4つだけです。シンプルだからこそ、素材の良さがでます。安全であって、生産者の顔が見えて、おいしい素材を選びました。中でもこだわったものは、卵です。

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相原卵って、ニワトリが食べるものによって味が断然変わってくるんです。ニワトリが牡蠣のカラや魚粉を食べていたら、卵のにおいも魚っぽくなってしまいます。

村井お魚っぽい卵は、たまごかけごはんには適してそうだけど、マドレーヌには合わないねって。

そんなにダイレクトに影響するんですね。

村井だからこそ、抗生物質を摂らずに無添加無農薬のエサで育ったニワトリの卵を選びました。いろんな卵を試して、今は愛知県祖父江町にある歩荷農場さんをはじめとする、放牧されて育ったニワトリの卵を使っています。

大人の女性が「かわいい」と言えるものを。

店内も商品も、かわいいですね。どんなふうに気を使われているんですか?

村井大人の女性が「かわいい」と思えるマドレーヌを目指してつくっています。ラブリーすぎずエレガントに。マドレーヌはフランスで長く愛されているお菓子なので、そのイメージを壊さないように心がけていますね。

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焼きたてミニマドレーヌもかわいいと思いました。

村井これは小さいマドレーヌ型を見つけたときの「かわいい」の声から始まったんです。ミニサイズのかわいさと焼きたてを食べてほしいという思いから商品化に至りました。お店で新しいことをするときには、スタッフの「かわいい!」という声から始まることが多いんですよ。

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焼きたてミニマドレーヌは土日祝日だけ販売されます。焼きたてでホカホカです。

お客さまからも「かわいい」の声が溢れてそうですね。

村井10代の学生さんから60代の方まで、「かわいい!」って言ってくれるんです。そう言っていただけるととうれしいですね。

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ランチも人気メニュー。グラタンはホワイトソースを使わず、マッシュポテトとチーズがベースなので重くない。

時には100個以上の注文も。お日持ちマドレーヌをギフトに

ギフト用のマドレーヌも自由が丘店で焼いているんですか?

村井そうです。ギフト用は袋に入れてパッキングするので食感が少し変わりますが、店頭で販売しているものと、素材もつくり方も同じです。

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店頭と同じものと聞いて、素材は変わらないんだなと安心しました!

村井1週間ほど日持ちするのでパーティや差し入れのギフトとして、たくさん買って行かれる方もいらっしゃいます。2個入りの箱を100個とか。

100個! ギフト用でたくさんほしい場合は、事前にお店に連絡しておけば大丈夫なのでしょうか?

村井2週間前までにご連絡いただけると助かります。100個以上のご注文は1カ月ほど前に言っていただければ色々なご要望にも対応できます。

もっとマドレーヌを手に取るシーンを増やせたら

これからお店をどんなふうにしていきたいですか?

村井自由が丘店がオープンから1年半経って、どんどん認知してもらえているなと感じています。お客さまが継続して使いやすいお店であるようにしたいですね。あと、ビジネスのお手みやげに利用するお客さまにも選ばれるといいなと思っています。

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代表の村井さん。

そうなると、たくさんの人がマドレーヌを手に取るシーンが増えそうですね。

相原マドレーヌは材料もとってもシンプルなやさしい味のお菓子です。わたしはラパンのマドレーヌを1日何個食べても飽きないんです。マドレーヌがもっと日常にとけ込んで、多くの人に食べてもらえるお菓子になったらうれしいです。

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教えてくれた人
村井瑞枝さん
マドレーヌラパン代表。2015年7月よりマドレーヌラパンをオープン。「実際にパリにも行って、お店の作りまで研究しました」
相原祐子さん
フードコーディネーター。お店の立ち上げから関わっている。「新しくお店を作ることは、つらいよりもとっても楽しかったです」 商品リスト
商品リスト
バニラ 213円
しゃりしゃりレモン 230円
さくら ※春の期間限定フレーバーは4月14日までです。 218円

SHOP INFOMATION

NAME 【閉店】マドレーヌラパン自由が丘店

※他、臨時休業する場合があります