初めて私が「ca ca o」を知ったのは、NEWoManのエキナカ。チョコレートタルトが、とても可愛く並んでいて、食べてみたらその美味しさにびっくりしました!値段もお手軽で、新宿に寄った帰りには買っていたものでした。

今回は縁あって、鎌倉の小町通りに真っ白なお店を構える鎌倉本店にて、代表の石原さんにお話を伺うことができました。

まずは、気になるチョコレートの紹介から。

ca ca oの香り高いチョコレート菓子

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画像左上)アロマ生チョコタルト ホワイト

タルトがさくっと優しく口の中で崩れます。とろりとしたの上で溶けるホワイトチョコレートのクリームは、練乳のようなミルキーさと、優しい甘さ。ホワイトチョコレートにありがちなしつこさはなく、もう一つ食べたいなぁと思えるタルトです。

画像右上)アロマ生チョコタルト ビター

こちらも、さくっとしたタルトと、中のチョコレートのクリームのとろける対比がたまりません。舌触りがとても滑らかで、濃厚なチョコレートのクリームと、フルーティなチョコレートの香りが、口いっぱいに広がります。

画像左下)ca ca o エクレア ホワイトショコラ

とても可愛いフォルムのエクレアは、細身ながらもずっしりとした重さ。ホワイトチョコレートが練りこまれたクリームは軽く、ミルキーな感じがあります。板チョコと、ガナッシュがしっかり詰まっていますが、ホワイトチョコレートを違う食感で味わえ、ペロリと食べられます。

画像右下)ca ca o エクレア ミルクショコラ

しっかりとしたシュー生地の下に、なめらかなチョコレートクリーム。板チョコのパリッという食感に、濃厚なガナッシュが詰まっていて、いろんな食感を味わえます。華やかなチョコレートの香りを楽しめる、食べ応えのあるエクレアです。

他にも、鎌倉店限定の生チョコタルトフォンダンや、アロマ生チョコ、生チョコプリンなど、気になるお菓子が並びます。こんなにも沢山の種類のあるチョコレート専門店、心がときめかないわけがないですよね!

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こんな素敵なブランドをつくり出した、代表の石原さんに、チョコレートのこだわり、ca ca oができるまでを伺いました。

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写真左から、広報の石原なつみさん、代表取締役の石原紳伍(しんご)さん

ブランドを立ち上げる際に、チョコレートを選んだわけ

きっかけは、コロンビア産のチョコレートとの出会いからだそうですね。

石原僕は、もともと偏頭痛持ちで、チョコレートを食べると頭が痛くなってしまってたんです。だから、チョコレートは苦手という感じでした。

旅が好きで、いろいろな農園をめぐる中で、カカオ農園に行く機会が何度かありまして。コーヒー豆ハンターの川島さんと一緒にコロンビアに行ったとき、カカオ農園を紹介してもらったり、自分で足を運んだり。そうしている中で、カカオはフルーツだというのを知りました。コロンビアでチョコレートを食べたとき、頭痛にならなかったんです!こんなに食べれるんだって自分でもびっくりしました。

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ca ca oさんは、カカオをすべて「コロンビア産」に絞っているところが珍しいなと感じます。

石原コロンビアは国の政策として、ここ5年ほどカカオの生産に力を入れています。国内でカカオ豆を育て、チョコレートに加工するまでの工程を全て一貫して行っていて。だから、コロンビアの人もチョコレートを食べることができる。

コロンビアって、毎朝ホットチョコレートドリンクを飲む習慣があるんです。おばあちゃん、おじいちゃんから、小さい子供まで、日常にチョコレートが溶け込んでいるんですよ。

カカオ豆は、果物です。発酵させて乾燥させたとしても、生なんです。だから、船便とかで2週間とかかけて運ぶと、腐ってしまい香りが落ちてしまいます。

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ca ca oでは、コロンビアでチョコレートまでにしたものを輸入しています。また、チョコレートを作る際のカカオバターはとても繊細で、香りを脱臭してしまうところが多い中、ca ca oでは、香りを残したものを使用しています。「アロマ生チョコ」という商品名にしているのですが、すごく香りが良くてフレッシュなので、今まで食べてきたような“もったり”とするチョコレートとは違う食感がするかと思います。

たしかに!

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今はBean to Bar が一種のカルチャーのようになってきて、タブレットタイプで提供しているブランドがありますが、ca ca oさんでは、こだわりのチョコレートをさまざまなお菓子に加工しているのが、特徴的ですよね。

石原それは、加工した方が口どけの良さや香りをより感じてもらえるのではないかと思っているからです。口どけの良さは、乳化する温度が高いか低いかで変わります。パッと溶けた方が香りがすごく立つんです。

あとは、日本人の唾液量に合わせてチョコレートを開発しています。実は日本人って欧米の人と比べて、唾液量が少ないんです。板チョコは、口の中の水分が持っていかれるので、何枚も食べられないですよね。

確かに!知らなかったです!

石原なので、チョコレートの消費量が欧米の人と比べて圧倒的に差があるんですよ。日本人は一人あたり、年間チョコレートを2〜4kgくらいの消費に対し、欧米は16~20kg消費するんです。

「日本人の舌に合ったチョコレート」を考えたときに、タブレットタイプもいいけど、ただの生チョコでもなく、水分量を上げたチョコレートにした方が、より日本人に喜んでもらえるんじゃないかと考えて商品化を進めています。

主役は、生産者とお客さま

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ガラス窓からは、チョコレートをつくっている様子もよく見えます

ca ca oさんは、店舗ごとにその場でお菓子をつくり上げているのも、すごいですよね。

石原基本的に、それぞれ全部をその場でつくっています。なので、タルトを焼く機械も店舗ごとにあるんですよ。

チョコレートって、一般的には有名なショコラティエさんが出ていて、その方のパティスリーを、バレンタインの時期にコンセプトを決めて販売していることが多いですが、私たちは「日常でチョコレートを食べて欲しい」と思って立ち上げたブランドです。なので、主役は、生産者の方とお客さまなんです。

もちろん商品として並ぶチョコレートの最終ジャッジをするのは、経験を積んできたショコラティエにお願いしていますが、お店ごとにトップパティシエがいるわけではないんです。教育すれば社員でもおいしいくチョコレートをつくれる仕組みをつくり、チョコレートを科学したのが、一番頑張ったところですね。

ca ca oさんは日々開発していく中で、どういうところからヒントを得ているのでしょうか。

石原僕は、海外旅行が好きなんですが、そういうときに、海外のライフスタイルとか、日常からヒントを得ています。

海外に行くと、あちこち回るんです。泊まらないけど、リノベーションされたホテルを見せてもらったり、あとは、不動産に直接連絡して、現地の暮らしを体験させてもらったりしています。

一番印象に残っている場所は…コロンビアですか?

石原そうですね…!毎朝ホットチョコレートを飲んでいて、生産者と暮らしている人が寄り添っているあの風景は忘れられませんね。

新しいチョコレート文化を日常へ

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お店のブルーラインは、生産者とお客さんをつなぐラインをイメージして

ca ca oさんのこれからの展望を教えていただけますか。

石原日常にチョコレートを食べて欲しいという、新しいチョコレート文化を広めていきたいです。

ちなみに鎌倉に本店を選んだのは、鎌倉が文化都市で、武士の町だから。武士の町の鎌倉は、常に革新的なものを発信し続ける町なんです。日本らしい水があって、山があって、川がある。そして、チョコレート文化を広めていく拠点として、この町は決め手になりました。チャレンジ精神を持ってやっていきたいと思っていたので、ここを選びました。

今までは、いろんな方にチョコレートを届けたいという想いで、新店舗の出店やサロンデュショコラへの出展などしていましたが、3年目となる今年は、じっくりと「ca ca o」ブランドを育てていくフェーズになりました。まだ直近で店舗を増やすことは考えていないですが、次は日本よりパリや、ニューヨークなどに出したいなと思っています。

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とても香り高いコロンビア産のチョコレート菓子を、お手頃な価格で提供している『ca ca o』。

鎌倉と、新宿NEWoManとルミネの3店舗から、私たちの日常にチョコレートが馴染む日も、そう遠くはないのではないでしょうか。また何度も訪ねたいお店になりました。

SHOP INFOMATION

NAME ca ca o 鎌倉 / KAMAKURA
ADDRESS 神奈川県鎌倉市小町2–9–7
TEL 0467–61–3307
OPEN 10:00–18:00
CLOSE 無休

※他、臨時休業する場合があります