英国発の人気ブランド「マーガレット・ハウエル」が手がける「マーガレット・ハウエル カフェ」。実は、カフェは日本独自のもので、英国には存在しないことをご存知でしたか? デザイナーの哲学が隅々にまで感じられるメニューやインテリアは、ブランドのファンなら一見の価値あり。今回は渋谷・神南店にお邪魔して、オープン当初から定番人気のスコーンをいただきました。

開放的で洗練された空間でデザイナーの感性をたっぷりと味わって

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英国を代表するファッションデザイナー、マーガレット・ハウエル。シンプルなのにどこか新しい、良質でモダンクラシカルなデザインは、日本でも多くの人から愛されています。そして、食の分野においてもマーガレット・ハウエルの世界観に触れられるのが、ショップに併設されたカフェスペース。広々としたテラスに自然光が降り注ぐ、なんとも心地よい空間です。

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店内をぐるりと見渡すと、シンプルでいて洗練された雰囲気。こちらがオープンしたのは1999年。ブランド初のライフスタイルショップとして、洋服のショップと同時にオープンしました。アパレルブランド併設のカフェとしては、かなり先駆け的な存在です。

さりげないグリーンや壁に飾られた食器など、シンプルな中にも時代の気分を反映させたディテールがとても現代的で、マーガレット・ハウエルが提唱する“モダンブリティッシュ”の精神が隅々にまで感じられる場所です。

オープン以来大好評の人気メニュー、オートミールスコーンは英国の味

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「オートミールスコーン(ジャム付き)」650円

さっそくオーダーしたのは、オープン当初から定番人気のオートミールスコーン。毎朝ショップ内のキッチンで丁寧に手づくりされているため、ちょうど焼き上がりの時間にお店に行けた日は、焼きたての甘い香りがお店いっぱいに広がって、幸せな気持ちになることうけあいです。

レシピは、マーガレット・ハウエルが監修した英国流のものを日本でも再現できるようにアレンジした完全オリジナル。材料は、日本の契約農家から取りよせた小麦粉と、厳選された有機オートミールを使用。シンプルだからこそ、素材の良さには徹底的にこだわっているのです。

ざくざく、ほろほろの本格的な味わい。クロテッドクリームとジャムが相性抜群!

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まずは、スコーンを横に割ってから、そのままひとくち。

砕いた有機オートミールのざくざく、ほろほろとした素朴なおいしさが、噛み締めるたびに口のなかにふわりと広がります。どこまでも素朴でシンプルなのに、ひとくち食べたらクセになる不思議な魅力があります。

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添えられているブラックカラント(カシス)のジャムも、お店のキッチンで手づくりされているオリジナル。ほどよく残った果実の食感が、舌の上でつぶつぶはじけてとてもまろやかな味わいです。英国ではポピュラーなクロテッドクリームは、日本人の好みに合わせて生クリームをミックスしたもの。ほどよいコクとあっさりとしたさわやかさが絶妙なバランスに仕上がっています。

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当たり前ですが、ジャムもクリームも、スコーンとの相性抜群!一緒に食べることで、それぞれのおいしさを引き立てあってくれるのです。

わたしはスコーンを上下に割り、クリームとジャムの両方をたっぷりのせていただくスタイルが好きですが、クリームだけ、ジャムだけと分けてたべたり、ハンバーガーみたいにクリームとジャムをはさみこんでぱくついたりと、みなさん思い思いに自由な食べ方を楽しんでいるようです。

そうそう、スコーンはテイクアウトもOKで、毎日のように買いに来られるご婦人もいらっしゃるのだそう。朝食はいつもマーガレット・ハウエルのスコーン……だなんて、うらやましいですね。

食器や盛りつけに込められたマーガレット・ハウエルの哲学

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BROWN BETTY TEAPOT 2CUPS:3,024円、4CUPS:3,780円、DENBY CUP & SAUCER:3,240円、DENBY SALAD PLATE:2,160円

味や素材のほかにもこだわっているのが、盛りつけ。

飾り気のないように見えますが、見れば見るほど、絶妙に考えられたバランスの美しさを感じます。「シンプルに、ストレートに、きれいに」というのがマーガレット・ハウエル流。

けっして華美にならず、けれども美しく。伝統は重んじつつも、時代の空気を反映させて……。ファッション同様、ここにもマーガレット・ハウエルの引き算の美学を感じます。

ポットは英国のブランド、ブラウンベティのもの。カップ&ソーサーやプレートは、200年以上の歴史を持つデンビー社のものです。どちらも、マーガレット自身が機能性と美しさにほれぬいて選んだもの。

決して高価なものではなく、気に入ったら併設のショップで購入できるのもうれしいところ。ちなみに、ティーカップが白色なのは、紅茶の色を楽しんでもらうため。すべてに、ちゃんと理由があるのです。

スイーツタイムのお供には、上質なオリジナルのブレンドティーを

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そしてもうひとつ、スコーンとともにぜひ味わってほしいのが、マーガレット・ハウエルオリジナルのブレンドティー。ロンドンにあるティーショップ「ポストカード・ティーズ」にスペシャルオーダーをして、マーガレット・ハウエルが認めたブレンドを商品として展開しています。

ちなみにこの17年間で、完成した紅茶は「ハイティー」「ライトグレイティー」「ルイボスティー」のたった3種類のみというところにも、マーガレット・ハウエルの強い職人意識が感じられます。

今日いただいた「ライトグレイティー」は、アールグレイのライトブレンド。ベルガモットオイルでスモークした茶葉がなんともいえず良い香りで、一般的なアールグレイが苦手な方にもぜひおすすめしたいおいしさでした。紅茶はすべて店内でも売られているので、お気に入りが見つかればぜひ持ち帰りを。

マーガレット・ハウエルのカフェがあるのは、世界中で日本だけ!

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ところで、マーガレット・ハウエルのカフェがあるのは日本だけで、英国には存在しないとご存知でしたか? こちらでいただけるレシピも、オリジナルのブレンドティーも、すべて日本のカフェのために考え出されたものなんです。そう思うと、改めてわくわくしてしまいますね。

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カフェと洋服のショップは併設されていて、店内で直接行き来できるので、お洋服で迷った方がクールダウンのためにお茶をする(色やデザインで迷ったときに「一度冷静になってから、どちらを買うか決めよう」……ということ、よくありますよね!)姿もよく見られるそうです。

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そしてまた、ゆるぎないスタイルは持っているけれど、ストイックになりすぎていないのもマーガレット・ハウエルの魅力。

堅苦しい雰囲気は一切なく、テラス席では、喫煙もペット連れもOKです。おいしい焼き菓子を食べながら、読書をしたり、ノートを広げてなにか考え事をしたり……。開放的な居心地の良さに、思い思いの午後をゆっくりと過ごすおひとりさまの姿も多く見られます。

ちなみに今回お邪魔した神南店のほか、二子玉川や吉祥寺にも店舗があり、メニューも少しずつ違っているそう。機会があればそれぞれ訪れて、お店の雰囲気を比べてみてはいかがでしょうか。

シンプルなのに、なぜか新しく、訪れるほどに、ますます好きになれる場所。このカフェには、そんな言葉が似合うような気がします。

■ 商品リスト

「オートミールスコーン(ジャム付き)」650円
(スコーンのテイクアウトは400円)
「ライトグレイティー」700円
※ライトグレイティーのリーフ(50g)は1,500円

SHOP INFOMATION

NAME MARGARET HOWELL SHOP&CAFE
URL https://www.margarethowell.jp
ADDRESS 東京都渋谷区神南1-13-8 パークアベニュー神南1F
TEL 03-5459-3721
OPEN 11:00〜20:00
CLOSE 不定休

※他、臨時休業する場合があります