こんにちは、ライターの平賀です。

今回は東急東横線の「学芸大学」駅にある、伝統的なフランス菓子をつくるお店、「リュードパッシー」をご紹介します。

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リュードパッシーは、2001年にパティシエの長島正樹さんがオープンしたフランス菓子のお店。店内に入ると、ショーケースに入ったケーキが目に入ります。ミルフィーユやシュークリームなど、スタンダードなお菓子も並ぶ中、よく見ると「オペラピスタッシュ」や「パリブレスト カシス」など、百貨店や普通のお菓子屋さんではあまり見かけないケーキが並んでいます。

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その理由はコンセプトとして、伝統的なフランス菓子にモダンさを融合したケーキづくりを掲げているからなんです。数ある種類の中から、まずは一年を通して人気の「キャラメルサレ」をご紹介します。「サレ」は、フランス語で「塩を含ませた」という意味です。

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キャラメルサレ 460円(税別)

キャラメルサレは、アーモンドを使用した焼き菓子の生地(パンドジェンヌ)を使用。フランスのゲランド塩田でつくられた海塩を含んだキャラメルクリームを、生地と交互に重ねています。

一番上の層はグラッサージュしているため、宝石のようにキラキラと光を放っています。塩気を含んだクリームを一緒に食べることで、濃厚なキャラメルの甘さがより一層引き立っていました。

ケーキをいただきながら、お菓子づくりに対するこだわりについて長島さんにお伺いしました。

伝統の中にもモダンさが残る、パリの街並みのようなケーキを

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長島さん

世田谷区成城にある「マルメゾン」などのフランス菓子店での修行後、長島さんは26歳のときにフランスへ渡り、パリやノルマンディー、ミディピレネーといった、各地方の名店で修行を重ねました。

「リュードパッシー」が伝統とモダンを融合させたお菓子を提供する理由として、フランスで過ごした経験が関係しているのだと言います。

長島伝統的なフランス菓子にひと工夫加えて提供しているのは、パリの街並みのような、伝統的なものにモダンさを融合したものを届けたいと思ったからなんです。

グリーンが鮮やかな「オペラピスタッシュ」のこだわりも聞かせていただきました。

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オペラピスタッシュ 550円(税別)

長島伝統的なオペラは、コーヒーとチョコレートでできています。それももちろんおいしいですが、とても重厚感がありますよね。この「オペラピスタッシュ」は、ビスキュイジョコンドやバタークリームなどにもピスタチオを混ぜてあります。

ガナッシュ、バタークリーム、ビスキュイジョコンドなどオペラの基本要素は変えることなく、ピスタチオを加えることで、味にも見た目にもモダンさを出し、オペラに軽やかさを持たせています。

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オペラピスタッシュ 断面図

側面を見てみると、ケーキにきれいな層が。一口目にはピスタチオの味を感じつつ、二口目にはガナッシュの味も広がって、濃厚さと軽やかさの交互を楽しめます。サクッとしたフィアンティーヌも重なり、クラシックなオペラとはまた違った後味でした。

自分の味を届けるために、自家製にこだわる

続いては紫色が映える、「パリブレスト カシス」をいただきました。

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パリブレスト カシス 500円(税別)

パリブレストも、フランスの伝統菓子として有名です。長島さんはヘーゼルナッツのクリームとカシスのクリームを組み合わせ、下にはカシスのコンフィチュール(ジャム)を敷きました。

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クリームにはヘーゼルナッツのキャラメリゼを添えて

サクっとしたシュー生地となめらかなクリームにコンフィチュールが合わさって、甘みも酸味も楽しめる、モダンなパリブレストです。

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フランスでの修行時代に、長島さんが撮りためた写真が飾られていた

リュードパッシーは、コンフィズリーも充実しています。中でもキャラメルは、長島さんが力を入れているお菓子です。修行をはじめた約30年前、キャラメルといえば製菓会社が大量生産しているお菓子でした。しかしフランスの修行先では、職人がパティスリーのお菓子づくりと同じように、手づくりでキャラメルを製造していました。

それを見た長島さんは、「キャラメルを日本で、自分の手でつくったら喜ばれるのではないか」と考えるようになります。

長島レモンの酸味を加えたり、アーモンドを入れてカリカリとした食感を出したり…。こんなキャラメルを子どものころに食べたら、思い出に彩りが加わるんじゃないかなと思ったんです。同じ味、同じ食感ではないキャラメルという小さなお菓子から、変化や多様性を知ってもらえそうだと思いませんか。

オープン当初は5種類だったキャラメルは、今では15種類。中でも「キャラメルジャポネ」は、厳選した和素材を使ったキャラメルです。麹のたっぷり入った「味噌」や京都の「抹茶」、鹿児島のサトウキビからつくられた「黒糖」などのフレーバーがあります。

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あらかじめつくられたフォンダンやプラリネ、コンフィチュールを購入し、お菓子に使用するお店もあります。しかし長島さんは、それら自家製のものを使ったお菓子を販売し、お客さまに提供しています。

「同じケーキでも、可能な限り副材料を作り込んで自分のお菓子の味にしていきたい」と、長島さん。自家製にこだわり、伝統菓子にモダンさを取り入れたことで、リュードパッシーらしさが反映されたケーキやコンフィズリーでした。

普通のフランス菓子店では出会えないケーキを食べたい方は、ぜひリュードパッシーを訪れてみてください。