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Bean to Bar特集 第2弾は、蔵前(東京都台東区)にオープンした「ダンデライオン・チョコレート[ファクトリー&カフェ蔵前](以下、ダンデライオン・チョコレート)」。都営浅草線「蔵前」駅 A0出口より徒歩約5分、都営大江戸線「蔵前」駅 A5出口より徒歩約10分歩くと見つかるお店です。

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ダンデライオン・チョコレートとは、2010年サンフランシスコで発祥した、人気のBean to Bar専門店。2016年2月上旬に、日本の蔵前に世界初上陸したとあって、オープンして以来、TVやWebメディアで取り上げられています。

一階は丸ごとファクトリーになっていて、購入した商品を二階のカフェで食べることができます。さらに、お店の目の前には公園があり、春になると桜が咲くのだそう!(写真は、2月下旬のものです)

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今回お話していただいたのは、ダンデライオン・チョコレートの飯田明(めい)さん。

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まずは、ダンデライオン・チョコレートについて聞いてみました。聞き手は、編集部の平野です。

さまざまなご縁が重なりはじまった、日本初店舗「蔵前」のオープン

日本に世界初上陸したと話題になっていましたが、どうして、最初に日本を選んだのでしょうか?

飯田創業者のトッド・マソニスが日本好きで、4、5回ほど日本に来ていて、日本人の食に対する豊かさや感度の高さを知っていました。じぶんたちのチョコレートが日本でどう受け取られるのかを試してみたかったのだそうです。

では、どうしてここ「蔵前」という場所を?

飯田たまたまご縁が重なった、というのが正しいかなと思います。日本法人代表の堀淵が、いろんな物件を探していたときに、ここの物件が一棟丸ごと借りられて、かつ駅からも近く、目の前に公園もある最高の立地だったんです。

飯田また、蔵前周辺は、昔から「ものづくり」が根付いていると同時に、新しいセレクトショップやレストランがオープンしたりと、伝統とニューウェーブがいい感じにミックスしている街。トッド曰く、10年前のサンフランシスコのミッション地区と雰囲気が似てるんだそうです。

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食文化が豊かな日本で、一棟借りができる物件を見つけたのが、サンフランシスコと雰囲気が似ている蔵前だったことが、オープンのきっかけだったんですね!

飯田そうなんです。一棟借り、というところにはかなりこだわっていて。

どうしてですか?

飯田Bean to Barを日本に根付かせたいという想いが強く、カフェとファクトリーは同じ場所につくりたいと思っていたからです。輸入して販売するだけではなく、ここで、お客さまに「新しいチョコレート体験」をしてもらいたいんですね。

新しいチョコレート体験…?

飯田Bean to Barだと板チョコレートが定番ですが、他にも、ペストリー(焼き菓子)やチョコレートドリンクもあるので、チョコレートがつくられていく過程を見ながらそのチョコレートを食べられる、「新しいチョコレート体験」をしてもらいたいと思っています。

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完璧な状態でチョコレートを提供したいから、ファクトリーをつくった

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ダンデライオン・チョコレートさんならでは、なところはありますか?

飯田一番のこだわりは、本当においしいチョコレートを純粋に召し上がっていただきたい、と本気で考えているところですね。シングルオリジンのカカオ豆でつくり、自信を持って出せるものでなければ出したくない、というところがダンデライオン・チョコレートのこだわりだと思います。

飯田完璧な状態でお客さまにチョコレートを提供するため、その年のカカオ豆ひとつひとつに合わせて何度も焙煎の時間や加減を変えてテストしているんです。豆によって異なりますが、1種類の豆で30サンプルくらい。

飯田ただ、今のところは、本国から送られてきているものを使っています。今後当店でつくった場合は、ラベルは「KURAMAE(蔵前)」になるかなと思います。

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では、現時点(2月下旬)ではまだ本国のチョコレートを使っているんですね。

飯田桜が咲くころにとは言っているんですが、、まだ難しそうで。本当に、完璧な状態でお客さまにチョコレートを提供するために、妥協はできなくて。今も、アメリカからスタッフにも来てもらって毎日毎日テストしていますが、まだ納得がいっていないみたいです。

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おいしさを科学的に分析しながら「本質」を目指す

ダンデライオン・チョコレートさんの大事にしている考え方を伺いたいです。

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飯田まずは、これまでの歴史から話しますね。

飯田もともと、創業者のトッドとキャメロンはIT起業家でした。2008年にWeb事業を売却したことを機に、新しいことをしようと思って考えたのが、チョコレートでした。トッドは、大のチョコレート好きで。

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飯田そして、友人宅のガレージを借りて、一切の添加物も使わず、シンプルな製法でチョコレートをつくりたいという思いを実現させるために、Bean to BarのコミュニティのWebサイトでレシピを集めて1から開発して。

飯田また、良質なカカオ豆をつくるには、現地の農家の方々にご協力いただかなくてはいけません。そのため、サンフランシスコのダンデライオン・チョコレートのカカオ豆ソーシング(調達・買い付け)担当がベネズエラ、ベリーズ、マダガスカル、エクアドルなど、農家さんとの出会いを求めて、様々な場所に出かけています。

飯田そうして直接農家さんから仕入れた良質なカカオ豆をさらに選び抜いて、ひとつずつテストしながら、分析しながらつくりあげていったんです。

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じぶんの見える範囲のもので、最高品質のものをつくりたい、という意思を感じます。

飯田そうですね。リーマンショックが起きたり、日本で東日本大震災が起きたりとか、何が起こるかわからなくなった時代に、じぶんが信じられるものを1からつくろうと、「ものづくり」が見つめ直される流れは世界共通なのかもしれません。(オーガニックや食の安全が急速に着目されてきたって言うことも同じ流れではないかと思うんですけど)それに…、

それに…?

飯田彼らは、そうした製造方法を独占するのではなく、オープンにしているんです。そういう独占的ではなく「一緒に盛り上げていこうよ」というところは、私もいいなと思います。

素敵ですね。

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産地の違うカカオ豆からできたブラウニーを、食べ比べ

ここで、産地の違うカカオ豆からできた3種類のブラウニーを食べ比べできる「ブラウニーバイトフライト」を食べてみました。

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左から「LIBERIA(リベリア)」「DOMINICAN REPUBLIC(ドミニカ共和国)」「MADAGASCAR(マダガスカル)」となっていて、それぞれ味の違いをブラウニーで味わうことができます。(*ラインナップは時期によって変更します)

(食べながら)これ、、全然味わいが違うんですね! マダガスカルは、フルーティな味わい。ドミニカ共和国はもう少し濃厚ですね。どれもフルーツを入れていないのに、びっくりです。

飯田ぎっしり、という表現が一番合いますよね。ワインも、葡萄によって全然味が違うじゃないですか。チョコレートでもそれに近いようなことがあるっていうのを、あまり考えたことがなくて。

しかも、食べた後には、産地の地図が出てきた! 世界への興味にもなっていいですね!

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飯田ですよね。おいしかったものは記憶にも残りますし。

カカオ豆によってここまで味が違うっていうのは、はじめて食べた人にとっては、衝撃かもしれないですね。

飯田かもしれません(笑)。これまでの大量生産時代では、品質を一定にして大量に生産することでコストを下げるのが当たり前でした。でも、Bean to Barチョコレートは、こんなにも味が違うしおいしい。それは小ロット生産だからできる小回りの良さだなと思いますし、今後もこの流れはふえていくと思います。

他のブランドと一緒に、Bean to Barを盛り上げていきたい

他のBean to Barブランドにもお話を伺ったのですが、どこのブランドでも「トレンドでは終わらせたくない」という話をされていて。ダンデライオン・チョコレートさんでは、どのように考えていますか?

飯田自分たちがいいと思っているものを1からつくるということに誇りを持っているので、Bean to Barを盛り上げるためには、日本の他のブランドと一緒に盛り上げていくのが一番良いかなと思っています。

やっぱり、Bean to Barって小ロット生産なので、一社だけで盛り上げていけるわけではないと思っていて。横のつながりを強くして、一緒に日本で「Bean to Bar」というカルチャーを育てていけたらなと思っています。

これまでに、例えばどんなことをしていますか?

飯田チョコレートに関するワークショップや、ファクトリーツアーなどをおこなっています。

http://peatix.com/group/34017/

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飯田チョコレートって昔から馴染みのあるものだけど、実はどうやってつくられているのか知らない人も多いはず。私もそうだったので。一緒に勉強するクラスができたらいいなと思ってはじめたので、幅広い層のお客さまに来ていただきたいです。

飯田「蔵前」という街に一棟丸ごと借りれたので、今後は、蔵前にあるお店とも何かコラボレーションできたらと思っています。

ありがとうございました!

最後に、店内に置いてある「HOW TO TASTE CHOCOLATE(チョコレートの味わい方)」から、一部を引用して終わりにしたいと思います。

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“ チョコレートに正しい食べ方なんてありません。
あなたの好きな食べ方が正しいのです。

口に入れるいちばん大切なのは、
純粋にチョコレートをたのしむことです。 ”

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