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Bean to Bar特集 第5弾は、三軒茶屋の三宿にある「CRAFT CHOCOLATE WORKS」。これまでのBean to Barチョコレートブランドとはすこし違った背景から、お店を立ち上げています。

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お話していただいたのは、代表の竹内誠太さん。パティシエとバリスタの両方のバックグラウンドを持ち、その知見を武器に、2015年9月にBean to Bar専門店を立ち上げました。

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まずは、竹内さんがつくるBean to Barチョコレートについて伺いました。(聞き手は、編集部の平野です)

カカオ豆の個性を活かす、2つの挽き方

竹内当店の作り方のこだわりは、カカオ豆の挽き方を調整しているところです。今は2種類の挽き方で調整をしているんですが、ひとつは「粗挽き」に、もうひとつは比較的「滑らか」になるように挽いています。ほとんどがカカオ70%、有機のサトウキビ30%の割合でチョコレートをつくっています。

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竹内カカオ豆にはそれぞれ個性があるので、それを殺さないようにと意識しています。酸味のあるフルーティな風味のカカオ豆だったら、瑞々しい風味が飛ばないように粗挽きにしています。

(食べながら)確かにすこしシャリシャリとしていますね。

竹内粗挽きにすると、カカオの粒子や砂糖の粒子が残って食感がたのしいんです。逆に滑らかな場合は、そこまで口に残らず、舌の上でさらつく程度。どちらにしても良い悪いではなく、カカオ豆の風味を引き出せるチョコレートづくりをしています。

縦置きが多い中での、あえての「横置きパッケージ」

ひとつ気になったのが、Bean to Barのブランドのパッケージって縦置きが多い中で、ここは横置きのパッケージデザインなのは、どういう意図があるのでしょう?

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竹内海外の有名なところで言うと、Mast BrothersさんやRaakaさんなど、アメリカで流行っているBean to Barブランドは縦型のラベルが多いです。日本でも縦置きのパッケージが多いです。

竹内そこにあえて、横置きの封筒のようなパッケージデザインにすることで、表にはブランド名と商品名、裏には製品表示を印刷したシールを1枚で貼れる、一石二鳥なパッケージになるんです。

確かに!

竹内実は、よく販売されている板チョコレートは横置きラベルが多く、若干迷いましたが(笑)。Bean to Barの市場では横置きは珍しいので、独創性はあるけど馴染みやすいという、ちょうどいいバランスになったかなと思います。

シンプルで直感的に風味がわかるパッケージは、誰がデザインされたんですか?

竹内友人がデザインしてくれました。

友人! どういうつながりなんですか?

竹内かつてシェアハウスに住んでいたときに出会った友人がプロダクトデザイナーで。その人にグラフィックデザイナーの福原なつこさんという方を紹介してもらって、今のこのデザインができています。結構、友だちだったり知り合いだったりで実現していますね(笑)。

竹内彼女は、和柄が得意で。それぞれの味の特色をしっかり出しつつ、色合いもバランスよくそろえてくれたので、ジャケ買いならぬ「パケ買い」も多いですよ。

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(笑)。どれも、パッケージに個性が出ていますね!

竹内そうですね。うちの場合は、カカオの風味とリンクするようなパッケージカラーを使っています。例えば、白ブドウのような甘くてさわやかなチョコレートには、白のパッケージを使っています。試食で食べ比べてみて、好きな味で選ぶのもありですし、パッケージの見た目で選ぶのもありだと思います。

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ちなみに、、パッケージをつくるときって、どのような行程でつくっているんですか? まず味をつくってからパッケージなのか、その逆なのかとか。

竹内もともとバリスタというコーヒーのソムリエの経験があるので、チョコレートにも同じように味わいの違いが出るだろうなと思ったんです。なので、まずはカラーリングを12色出して、そこからイメージデザインをつくり、チョコレートの味わいに合わせてパッケージをかぶせていくという順番ですね。

竹内また、チョコレートをお買い上げの方に、すべてのパッケージデザインと風味を記載したパンフレットを同封しているんです。自宅に帰ったときに、あとで確認するために。

帰ったときに「あれなんだっけ?」と、確認できる。

竹内はい。置いて売って終わり、ではなく。お客さまが購入して口に入れて味わってもらった後も、味の確認ができるパンフレットのようなものがあったら、次の興味にもつながるかなと思っています。

お店づくりをイチからはじめる上での大変さ

お店づくりやチョコレートづくりをしていく中で、大変だったことはどんなことですか?

竹内うーん、そうですね…。やっぱり、お店をつくる段階ですかね。お店を立ち上げること自体が初めてだったので。

竹内打合せにしても、店の外枠の色を決めるにしても、すべて手探りでした。何度も話し合った上で、内外装はアメリカのサンフランシスコやブルックリンの「シンプルだけど雰囲気のある」イメージに決めました。外枠もすこし紫がかったえんじ色を使って、ありきたりではない配色にしました。チョコレート色にも似ていますし。

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工房も、ガラス張りでつくっている様子が見えていいですね。

竹内もともと、ガラス張りもなくしたかったんですが(笑)、衛生的に売り場と工房を分けないといけなくて。とはいえ、お客さまが製造現場を見て安心できるように、ガラス張りにしています。

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(周りを見回しながら)取材中にも、ふらっと来られるお客さまが多いですね。

竹内ここがチョコレート屋さんだと気づかずに入ってくる方も多いです。セレクトショップっぽいと言われることも。実際、入ってみると試食ができるので、気に入った方は買っていただくこともあります。うれしいことに、リピーターさんもふえてきています。

竹内Bean to Barの取り組み自体、他とは違うと思うんですけど、やりすぎると馴染みづらいお店になってしまうので。こだわりはありつつも、入りやすいバランスのお店づくりが難しかったですね。

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パティシエ・バリスタを経て、チョコレート職人に

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バリスタの前には、他には何かやられていたのですか?

竹内はい、パリスタ以前にはパティシエをしていました。パティシエが2年半、バリスタが5年ほど。その7年半で嗅覚、味覚などの技術経験を積んだ上で、今は両方をかけ合わせてチョコレートをつくっています。

チョコレートとの出会いって、何がきっかけだったんですか?

竹内バリスタとして働いていたとき、たまたまカカオ豆が手に入ったことがきっかけですね。焼いてすりつぶしてチョコレートをつくってみたら、すごくおいしくて。もう、その瞬間ですね!

おお!

竹内それに、これまでの経歴と経験から、精度の高いチョコレートをつくることができると確信していました。

しばらくは、地元 三軒茶屋に腰を据えたい

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今回、どうして三軒茶屋にお店を構えることにしたんですか?

竹内三軒茶屋が地元だったんです。小中学生のころ、このエリアに住んでいて。小さいながらに、街の移り変わりを感じていたんです。その後成人するまではブランクがあったんですけど、三軒茶屋・三宿のエリアを経営者視点で見たとき、勝負ができるんじゃないか、と思ったんです。

と言うと…?

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竹内この通りは専門店が多いんです。チーズ専門店、ハードブレッド(固いパン)屋さん、珈琲専門店(ノージーコーヒー)さんなど。だけど、この周辺にチョコレート屋さんはない。それに、他のお店との相乗効果で、成長していけるんじゃないかと。そう考えて、かつてここに住んでいたことも相まって、腰を据えてやってみよう、と。

今はどのくらいの年齢層のお客さまが多いですか?

竹内いまは、20代から40代が多いですね。あとは、近隣のご夫婦の方ですね。価格帯としても、それなりのお値段はするので。添加物を一切使っていないので、健康を気にしてる方とか本物志向の方とか。パッケージも、プレゼント用にも使えるし自宅用でも問題ないデザインなので、自分用に買われるお客さまも多いですよ。

今後、ここから展開していく、ということは考えていますか?

竹内まだ分からないですが、3年から5年は、ここでじっくりと腰を据えてやっていこうと思っています。なので、工房を大きくつくっていますし。Bean to Barの板チョコレート以外にも、お菓子屋さんやカフェ、レストランが使いたくなるような材料としてのチョコレートブロックも卸すこともできればいいな、と思っています。

最後に、今後の展望について教えてください。

竹内Bean to Barは、ライフスタイル全体に根付いていくものだと思うんです。まずは試食してもらって、カカオ豆によってチョコレートの味がこんなに違うことを実感してもらって。もし気に入ってもらえたら、買ってもらえたらいいなと思ってやっています。もちろん、健康のためにもなりますし。

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竹内さんの「これがオススメ!」

最後に、店内で販売しているチョコレートを試食させていただきながら、竹内さんのおすすめを聞いてみました。

竹内そうですね…、どれもいいんですが、おすすめなのは「コロンビア シエラネバダ」ですかね。

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竹内このカカオ豆は、チョコレート界では有名なカカオハンターの小方真弓さんという方から仕入れています。コロンビアの現地で活動されているんですが、日本人の農家の方と手を取り合って、農園の管理や発酵の管理をやっているんです。サラサラとしたカカオの食感も楽しめる、初めての人には入りやすいチョコレートだと思います。

ありがとうございました!

SHOP INFOMATION

NAME CRAFT CHOCOLATE WORKS
ADDRESS 東京都世田谷区池尻2-7‐4
TEL -
OPEN 11:30~18:00
CLOSE 月曜定休(祝日営業、翌日休み)

※他、臨時休業する場合があります