1980年の創業以来、わたしたちの暮らしをさまざまな商品で彩ってくれる「無印良品」。無印良品特集、Café & Meal MUJIデザート開発インタビュー第1回はCafé & Meal MUJIのユニークで真面目な取り組みについて、開発担当の日向桃子さんにお話を伺いました。
素材の味を最大限シンプルな調理法で活かす
まずは、Café & Meal MUJIのコンセプトから教えてください。
日向「『素(そ)の食』はおいしい」を伝えることです。「素材そのものの味を活かすこと」を大切にして、できる限りシンプルな調理方法で作っています。2000年からスタートした事業で、いまは全国で24店舗、2013年からは海外展開もしています。
驚いたのですが、ホームページではCafé & Meal MUJIのレシピが公開されているんですね。便利で役立つうえに、食材の情報が見られるので、安心感も増すなあと感心しました。
日向お客さまから「レシピを教えて欲しい」というご要望がたくさんあったんです。気張らないメニューで毎日の食事に役立つレシピなので、ぜひ生活に取り入れてもらえたら嬉しいですね。
生産地を自分の目で見るから気づくこと
テレビ番組の企画で、無印良品の取り組みを拝見する機会があったのですが、生産地を訪ねるシーンが印象的でした。
日向「自分の目で見る」ことって大切なんですよね。日本だけでなく世界中の産地へ、会社からも「行ってきなさい」と言われるんです。わたしもいろいろなところを訪ねていますが、次の出張では店舗で出しているコーヒーの産地のひとつであるコロンビアへコーヒー豆を見に行ってきます。
Café & Meal MUJIのスタッフ研修でも、食事で提供するお米を作っていただいている農家さんのところへ、毎年田植えと稲刈りの体験をさせていただいています。食材のなりたちや背景、産地の風景も含めて、スタッフ自身の目で確かめてもらうことに意味があるんです。
無印良品の真面目さを垣間見た気がします。とても素晴らしいことですね。メニュー開発はどういった流れで行われるのですか?
日向通常の開発以外に、現地へ赴くと、芋づる式にいろいろな食材に出会うこともあります。気になった食材などを企画チームがテーマとして決めて、全店舗のCafé & Meal MUJIのシェフにアイデアを練ってもらうんです。
そのアイデアを選考し、メニューを決定します。そして店舗のキッチンで、「素材」を活かす味つけ、香り、食感、そして提供の仕方など試行錯誤を重ねます。一回で決まることはまずないですが、練り直しは3回までと決めています。あまり回数が多いと迷走してしまうので(笑)。
(笑)。多数決で決まるのですか?
日向ケースバイケースですね。アイデアを出したシェフの意見を採用したり、外部のアドバイザーに入ってもらうこともあります。私たちスタッフだけで決めてしまうと、美味しさより先に「理由」を考えてしまう場合があるので、外部の方に客観的に見てもらう必要もあるんです。
お食事系のメニューはキッチンで作っているのがカウンター越しに見えるのですが、デザートはどうですか?
日向好評をいただいているチーズケーキは取引先にお願いして作ってもらっていますが、それ以外はすべて店舗で作っています。作りたても、こだわりのひとつです。
それでは、次の記事からCafé & Meal MUJI不動の人気デザート、「本和香糖のチーズケーキ」「焼きプリン」「Café MUJIのソフトクリーム」「ほうじ茶プリン」「ガトーショコラ」について開発秘話を伺います。どうぞお楽しみに!(つづく)