成城石井の大ヒットスイーツの開発インタビュー第6弾は、フルーツと杏仁豆腐が相性抜群の「彩りフルーツの杏仁豆腐」シリーズです。成城石井でお菓子を開発し続けて18年、菓子グループ長の光野正三さんにお話を伺いました!

1927年に創業。老舗スーパーの杏仁豆腐へのこだわり。

「彩りフルーツの杏仁豆腐」は、たっぷりの新鮮な季節のフルーツ、はちみつとレモンのジュレ、ナタデココ入りの杏仁豆腐と、とても贅沢な一品ですね。

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光野杏仁豆腐は、実は、15年ほど前からあるラインナップです。当初の杏仁豆腐はパッションフルーツソースを別添えにしたシンプルなもので、とてもご好評いただいていました。でもソースを小さな醤油容器のようなものに入れていたのですぐに手作業の限界にきてしまって。

光野そんなとき、メロンをテーマにしたスイーツの試作中、杏仁豆腐にメロンをのせたらとても好評だったので、そこから季節のフルーツと組み合わせるようになりました。

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中華料理店でひし形に切られて出てくるような杏仁豆腐より、やわらかくて、ミルキーでとってもやさしい味がします。

光野ミルクゼリーのような杏仁豆腐が多いなかで、本格的にしっかりと「杏仁霜(きょうにんそう。アンズの種を粉末にし、砂糖などを加えたもの)」を使用しています。「杏仁霜」にもいろいろな種類があります。トゲトゲした強い香りのものよりも、やわらかい香りのものを使用して、さらにアーモンドのエキスを微量に足しています。杏仁の香りがよりふわりとやわらかくなるんです。

たしかに、アジアンスイーツなのに、ちょっと洋風な感じです。その濃厚な味に、ナタデココの食感がぴったり!

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光野バイヤーから提案してもらったのですが、食感が新鮮で面白く仕上がりました。成城石井のバイヤーの情報網は私もいつも勉強になっています。

上にたっぷりのったフルーツが新鮮でジューシーなこと! どれも甘くておいしいです。成城石井は、青果を得意とする「石井食料品店」として、1927年に創業されたとのことですが(来年で創業90周年!)、フルーツへのこだわりはありますか?

光野成城石井はフルーツに強いと思いますね。ショッピングバックにもメロンの絵柄が描かれているくらい象徴的なもの。バイヤーがフルーツを仕入れたら、そのままでももちろん販売しますし、スイーツに加工して販売することもあります。そうすることで、スケールメリットが活かせるから、いいものが魅力的な価格で手に入る。この味でこのボリュームでこの価格は、なかなか出せるものじゃありません。

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手づくりだから味わえる、おいしさがある。

光野杏仁豆腐で使うフルーツはすべて手でカットしています。スタッフのカットさばきは驚くほど速いですよ。まさに職人技です。

これをすべて手作業でカットなんて! そこまでして手間をかけるのはなぜですか?

光野「ほんとうにおいしくて安心できるものをお届けする」というポリシーのもと、加工はできるだけ社内で行うようにしているんです。缶詰のフルーツなんかだと、薬品で皮をとるので、それは絶対にしたくない。フルーツの形もさまざまだし、機械ではできませんね。

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ジュレがけというのも特徴ですよね。ほのかなはちみつの香りで、フルーツの甘さがより引き立っています。

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光野クラッシュしているので食感が固まらず、見た目も華やかになっているのがポイントです。当初は、網にゼリーをかけて手でクラッシュしていました。冷たいから凍傷になるかと思うくらい大変で(笑)。

光野さんが、スイーツづくりで心がけていることはありますか?

光野成城石井はスーパーマーケットですから、たくさんのご家族がきてくれます。わたし自身も自分の子供に食べさせられないようなものは出したくないので、作りません。おいしいのはもちろん、安心して食べられるものをご提供できるように心がけていますね。

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次回は、10年以上のベストセラースイーツ「もちもち黒糖きなこ」です。お楽しみに!

教えてくれた人
光野正三さん
成城石井製造本部、菓子グループ長。マキシム・ド・パリのパティシエなどを経て成城石井入社18年目。素材のもつピュアな味そのものが活きた菓子作りがモットー。
商品リスト
成城石井 自家製彩りフルーツの杏仁豆腐シリーズ