【東京・国分寺】湧水地そばの癒しカフェ「茶々日和」で味わう、どらやきと手炒りほうじ茶
お茶好きライター
芦谷日菜乃 ashitani hinano
都会の喧騒から離れ、ほっと心を落ち着かせたい―
そんな時にぜひ足を運んでほしいのが、東京・国分寺にある日本茶カフェ「茶々日和(ちゃちゃびより)」です。2018年、店主の関口(せきぐち)さんがオープンしました。
今回は、関口さんがセレクトしたこだわりの日本茶とお茶をふんだんに使った甘味をご紹介します。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
目次
緑あふれる和の空間
JR中央線「国分寺駅」から10分ほど歩くと閑静な住宅地にたどり着きます。
そこから、さらに進むと「お鷹の道」と呼ばれる遊歩道があります。そばには「真姿(ますがた)の池湧水群」と呼ばれる湧水地や沢、地元野菜の販売所も点在。散策にうってつけのエリアです。
この一角にひっそりと佇むのが、今回ご紹介する「茶々日和」です。
店内の出入り口にはスロープが設置されているので、ベビーカーや車いすでも安心して来店できます
店内には木材や竹が随所に使われ、温かみと和の趣を感じます。席間が広く、ゆったりくつろぐことができます。
大きな窓から光が入る店内
茶道具も飾られています。店内にある水槽ではメダカやタナゴなどの小さな川魚が泳いでいました。静けさの中、水が流れる音が心地よい―
庭先では山野草50種類以上が育てられています。
「日本の山に古くから自生している山野草。園芸品種よりも花が咲く時期が短いのですが、可憐な花が咲きます」と関口さん。四季折々の風景を楽しめます。
店内にも山野草を寄せ植えした鉢が並んでいました。
左:庭先の池のほとりに咲く野アヤメ/右:寄せ植えされた立坪スミレ
「茶々日和」では、絶品お茶スイーツと、オーナー関口さんが茶農家から直接仕入れている様々な種類のお茶が楽しめるとのこと。
ここで、CAKE.TOKYO編集部が厳選したラインナップをご紹介します!
贅沢に抹茶本来のうまみを堪能「抹茶かき氷」
器は益子焼。その他、京焼の抹茶碗や常滑焼・萩焼などの茶器もあり、関口さんのセンスの良さが垣間見えます!
注目は夏季限定メニューの「抹茶かき氷(ミニいっぷく茶付き)」(¥1,000円)。
ふわふわのかき氷に、惜しげもなく高級抹茶をかけていただきます。抹茶本来の味わいを贅沢に感じる一品です。
抹茶は3種から選ぶことができます。甘みが楽しめる「宇治抹茶」、苦みと甘みがバランス良い「狭山抹茶」、ほのかな焙煎香が魅力の「そのぎ炒り抹茶(長崎)」。
甘みは別添えの白蜜をかけて好みで調整しますが、加えずに完食する方もいるほど。抹茶そのものがおいしいと評判です。
(提供は例年10月ごろまで)
しっとり生地の自家製どらやき
どら焼きの皮は銅板で焼きあげられます。香ばしさがたまらない
次に紹介する「どらやき」は、「茶々日和」の定番メニュー。
「ほうじ茶あん」「煎茶バターあん」のうち、今回いただいたのは「ほうじ茶あん どらやき」(¥250)です。
ほうじ茶葉がたっぷりと粒あんに練りこまれています。皮は、きめ細かくしっとり。さらに、中に潜むもちもちの求肥餅もたまらないアクセントになっていました。
「たい焼きや大判焼きも中の餡より『皮』が大好き」という関口さん。試行錯誤を重ねた結果、生地を一日寝かすことでしっかりハリのある皮にたどり着いたそうです。
さらに、サンドウィッチのようにおかずの具材を挟んだ「どらやきサンド」も人気。
小腹がすいた時にも嬉しい一品
「どらやきサンド スモークサーモン」(¥600)は、分厚いスモークサーモンと大根、ニンジン、レタスを甘さ控えめのどらやき皮でサンド。スモークサーモンの風味と手作りのほうじ茶マヨネーズはここでしか食べられない名コンビ。食べ応えも抜群です。
ちなみに、どらやきはすべてテイクアウトも可能。散策のお供にもぴったりです。
ほうじ茶とあん、アイスが溶け合う至福の「あんみつ」
ミニバニラアイスの「トッピング」がおすすめ
根強い人気メニューは「ほうじ茶あんみつ ミニバニラアイストッピング(ミニいっぷく茶付き)」(¥950)。
寒天と蜜にほうじ茶を使用。つるっと舌触り滑らかな茶々日和特製の寒天と柔らかい求肥餅、食感の違いを楽しめます。ほうじ茶と粒あん、バニラアイスが徐々に溶け合うことでコクを生み、至福の味わいに。
どれもほっとする味わい
手炒りで表現する、超・浅煎りほうじ茶
「浅炒りほうじ茶(温)いっぷく茶スタイル」(¥500)は、うまみたっぷりの一番茶の茎茶を使用。
「浅炒り」の中でもさらに浅炒り、つまり超浅煎りで仕上げられています。トウモロコシなどの穀物を焼いたような、甘い香りとまろやかさにうっとりすること間違いなし。浅炒りほうじ茶を、深炒りほうじ茶と比較するのもおすすめです。
左:急須を使ってお茶を淹れるひとときも楽しめる/右:茶葉を炒り始めると芳ばしい香りが広がる
「茶々日和」のほうじ茶はすべて、店内で約15gずつ手炒りされています。今回は、お茶を炒る様子を実際に見せていただきました。
焙烙(ほうろく)と呼ばれる、小型のフライパンのような道具に茶葉を投入。熱しながら焦げ付かないように左右に振るうちに、芳ばしい香りが広がりました。
「気温によって炒る時間が変わるほど繊細な調節が必要なので、手炒りでないとこの味は出せません」と関口さんは話します。
さらなる深みを感じてみて!八女茶飲み比べ
左から「やぶきた」、「おくゆたか」、「さえみどり」
「煎茶品種飲み比べ(温)」(¥900)は、福岡県・八女の煎茶から、品種違いの3種類を比べることができるユニークなメニュー。味、香り、じっくり堪能してみてください。関口さんが一杯ずつ丁寧に淹れるお茶は格別のおいしさです。
ちなみに、関口さんは「お茶をより楽しんでほしい」という思いから淹れ方をほんの少し調整することもあるそうです。例えば、渋めのお茶を要望されるお客さんに対しては高めの温度で淹れて提供したり。細やかな心配りが嬉しいですね。
また、煎茶だけでなく、国産の紅茶、玉露などからも選択できます。迷ったときにはぜひ、お茶を良く知る関口さんに相談しながら選んでみてください。
「急須のお茶」が給湯室で評判に
店に立ちながら、今も毎日お茶を飲む時間を大切にしているそう
店主の関口さんは開業前、魚の専門商社で13年間、食に携わっていました。営業担当として魚の調理方法を提案したり、生産現場の監督をしたり。そんな中、お茶に舵を切るきっかけは給湯室にあったそう。
「実は、物心ついたころからお茶が大好きだったんです。子供の頃からいつも祖父母が淹れてくれるお茶を飲んでいました。勤めていたころも会社の給湯室では、急須を使ってお茶を飲んでいたんですよ。そんなある日、同僚にお茶を淹れたらとても喜んでくれました」
関口さんが給湯室に向かうと、お茶飲みたさに後をついてくる人もいるほどだったそう。それをきっかけに、お茶にさらなる興味を抱いた関口さん。日本茶を専門的に学び、30代前半には日本茶アドバイザーという資格も取得しました。
心安らぐ、街中のオアシスと出会う
いつか日本茶のお店開きたいと思い描きながら、たまたま巡り合った物件が今の場所でした。
「始めは、海や川といった水辺や、自然が身近にある街を探していました。でも、今の場所との出会い、地元・府中の隣町である国分寺にも湧水や川があると知りました。『それならば、若いうちに挑戦してみよう』と踏ん切りがついて、開業を決めました」
沢沿いにある「お鷹の道」。取材日はあいにく雨でしたが、晴れた日は鳥のさえずりを聞きながら散歩できます
「茶々日和」のあるエリアは、街中にありながらオアシスのように水が豊富な地。まさに運命的な出会いを経て、2018年にオープンされたのでした。
自分と向き合う時間を
店名には、どのような思いが込められているのでしょうか。
「茶々日和」という店名は、ぽかぽかと陽射しのさす縁側でお茶を飲みながらゆったり過ごす―そんな日の情景をイメージして名づけました。忙しなく毎日が過ぎているかたも多いと思います。でも、その中で、一杯おいしいお茶を飲むだけで、ほっと一息つけ、その一日も穏やかに過ごすことができると思うのです」
ひとつひとつ誠実に答えてくれる関口さん
そして、もちろん「茶々日和」のテーマはお茶にあります。より一層お茶のことを知ってもらえるようイベントなどの機会を作りたいと話す関口さん。
現在すでにほうじ茶の焙煎ワークショップや、お庭の手のひらサイズの小さな盆栽づくりなどスタートしていますが、今後は様々な種類のお茶を飲み比べできる貸し切り企画なども考えているそう。
できるだけ手作りにこだわるスイーツと、関口さんが丁寧に淹れるお茶。そこで過ごす時間は、まさに癒しの空間でした。ぜひ、自然とともにある「茶々日和」に足を運んでみてください。
SHOP INFORMATION
SHOP | 日本茶カフェ 茶々日和(にほんちゃかふぇ ちゃちゃびより) |
---|---|
WEBSITE | https://chachabiyori0913.com |
ADDRESS | 東京都国分寺市東元町3-18-5 |
TEL | 042-313-8122 |
OPEN | 11:00~18:00(LO.17:30)12月~2月 11:00~17:00(LO.16:30)※土曜日13:00~ |
CLOSE | 水曜日、第2・4日曜日 |
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