【クレープの日】2月2日はフレンチクレープデー|「フランス惣菜TOGATEUR(トガトゥール)」で味わう黄金のクレープ
フードイラストレーター
まるやまひとみ
クレープは、子どもの頃から特別なおやつ。頑張ったときのご褒美、母の買い物を待つ間、ちょっと遠出をしたときに…。
あなたにとって、クレープの思い出はどんなものですか?
毎月9のつく日は「クレープの日」。より身近なおやつにしたいと制定されました。
童心にかえる、横浜の個性豊かなクレープをご紹介します。
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2017年、本牧通りに小さなフランスがやってきた。
商店街の端っこにある「フランス惣菜TOGATEUR(トガトゥール)」は、フランス各地方の家庭料理を、多彩な食材とアイデアで提供する惣菜店だ。
アーティスティックでユニークな感性を持つシェフ・富樫善弥(とがしぜんや)さんと、マダムの愛称で親しまれるシンガーソングライターの奥さま・小嶋佐和子(こじまさわこ)さん。
お二人が作り出す和やかな空気は地元の人々をポジティブな気持ちにさせ、通りすがりに思わず中を覗き込んでしまう。
フランス伝統の料理と日本の食材の共演が織り成す未知のおいしさ。
心潤すトガトゥールの世界があなたを待っている。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
家庭を手助けする普段使いのお惣菜
シェフが描く看板は商店街の名物。
日が落ち着いてきた冬の午後3時。店の明かりがほんわりと灯り、温かさを求めて入店する。
「TOGATEUR(トガトゥール)」という店名は、シェフが修行をしていた街の名前「Tours(トゥール)」、フランス語でお惣菜屋を意味する「Traiteur(トレトゥール)」、そしてシェフの苗字「トガシ」からできた造語。
フランスでの修行先が惣菜店だったそうで、現地での経験が今の店に繋がっているという。
カウンターのタイルもシェフが自ら創作。
店の奥にはふたり掛けのテーブル席がひとつとカウンター席があり、惣菜を店内でいただくことが可能。ペアリングにおすすめのワインなど、ドリンクメニューも用意されている。
長年音楽活動をしていたシェフは、ふと自身が好んで食べている料理の多くがフランス料理であることに気づく。
フランス料理に興味を持ち、いつかフランス風のカフェをやりたいという新たな夢へと進むことに。
40代でフランスに渡ると、語学を学びながら働く日々。
フランスの街には惣菜店が点々とあり、野菜をふんだんに使ったものから肉料理、ハムなどの加工品も並ぶ。
共働きで忙しい毎日でも人生を楽しみたいと考えるフランスの人たちにとって、惣菜店は欠かせない存在。
普段はお惣菜やスープ、パン、チーズなどシンプルな食事で済ませ、手の込んだ料理は休日やハレの日だけ。
本牧の人たちにも自分の作る料理で日々のちょっとした幸せを感じてもらいたい。
帰国後も都内近郊のレストランやライブハウスの厨房などで腕を磨き、本牧で念願の店を開いた。
フランスと日本、食が紡ぐ二つの文化
この日のおすすめは野菜のだしが濃厚な「鎌倉野菜のポトフ」。野菜が主役の料理ばかり。
サラダから肉料理までバラエティに富んだ色とりどりのお惣菜。
シェフ自ら鎌倉や三浦半島へ足を運び、農家直売の新鮮な野菜、肉、魚介を吟味して仕入れる。
カラフルな野菜は色を生かしサラダや煮込み料理に。
トガトゥール定番の「ピエモンテ風サラダ」はマヨネーズも自家製。
びっくりするほど具だくさんなキッシュ、絶妙な火入れでしっとり仕上げたローストポークにローストビーフ。私には食材が喜んでいるように見える。
惣菜にぴったりのマダムお手製「プチカンパーニュ」もおすすめだ。
気まぐれに登場するスイーツも要チェック。
人気のスペアリブも、旬の果物で季節を香り付け。
以前は作りたい料理に合わせて材料を選んでいたが、地元にある豊富な食材に触れ、食材から料理を考えるように。
フレンチらしい控えめな味付けが野菜の持つ香り、甘味、酸味、苦味を鮮やかに感じさせ、料理の世界を広げてくれる。
はじめはフランス産にこだわっていたが、縁のある身近なものを活かすことで何度行っても新しいメニューに出会える惣菜店として地域に根付く。
フランスの伝統も重んじつつ、独自のエッセンスを加えた品々で私たちにもフランスの豊かな食文化を伝えている。
まんまるのクレープはまさに太陽。
そのひとつとして、毎年2月2日に販売されるクレープがある。
フランスでは、2月2日は「聖燭祭(シャンドルール)」という祝日。いわば日本の「節分」だ。
イエス・キリストが生後40日目の2月2日に聖母マリアとともに神殿を訪れたことを祝福する古くからの風習で、教会ではロウソクに火を灯し、フランスの人たちはこの日にクレープを食べる。
それはクレープの色と形が太陽や光をイメージさせるからなど諸説あるが、たしかに鮮やかなたまご色は輝く太陽のようだ。
トガトゥールではマダムがクレープ担当。
フランスの家庭で作られるレシピを参考に、溶かしバターを加え香りよく仕上げた生地が特徴。
ポイントは強火でさっと焼くこと。ちりめん状に焼き色がついた生地はとても美しく食欲をそそる。
ソースは毎年少しずつ違う。それもまた常連客の楽しみだ。
今年はどんなクレープだろうか。予約しておいたクレープを受け取り、さっそく自宅でティータイム。
太陽の恵みがぎゅっ!澄んだ酸味を味わうクレープ(イラストあり)
illustration by まるやまひとみ
今回いただいたのは
●クレープ ¥518(税込)
今年のソースは今が旬、横須賀産のレモンと愛媛県産のみかん蜜を合わせたレモンソース。
レモン果汁にレモンの皮、そしてはちみつのシンプルなソースは、バターの効いたリッチなクレープに軽やかさを添える。
ほかほかのクレープにソースをたっぷり含ませ…
軽く温めた生地を器に盛り、別添えのソースを上からしっかりかける。
はちみつの甘い香りに乗ってレモンのさわやかさが漂ってきた。
レモンの皮を散らすとクレープが光を放っているよう。
シェフはフランスにいた頃この祝日を知らず、バスに乗っていると突然クレープ屋の前でバスが止まり、乗客がクレープを買いはじめて驚いたそう。
すると乗客の一人がクレープをおすそ分けしてくれたのだが、お皿があるわけでもなく、ソースで手をペトペトにしながら頬張ったとか。
しかしそれがおかしくておいしくて、今でも思い出に残っているという。
ナイフを入れるとソースがじゅわっと。
受け渡しの際「ナイフとフォークでどうぞ」とシェフ。そう、それが本場フランス流の食べ方なのだ。
ソースたっぷりのクレープを手に持って食べるシェフを想像し、さぞかしおいしかっただろうなと顔がほころぶ。
私はひと口ずつ切り分けていただくとしよう。
日光が跳ね返り、キラキラ、つやつやと。
ソースを吸った生地の透明感。伸びやかなコク。
バターの塩気が甘さを引き立て、レモンがそよぐ風のように広がってゆく。
内側はしっとりとして、ちりちりの縁は香ばしい。
素朴さの中にも上品さがあり、おしゃれだけど気取らないやさしい風味が笑顔を誘う。
また来年もこんな時間を過ごしたい。
次はどんなソースだろうか。今からもう予約をしておきたいほどだ。
料理も音楽も喜びを分かち合うもの
店内にはマダムがリリースしたCDも販売中。
惣菜店を経営する傍ら、現在もお二人とも音楽活動を継続している。
料理と音楽、どちらも幸せへと繋がる大切な栄養源だ。
新しい食材に触れた時、聞いたことのない音を耳にした時、込み上げてくるワクワクは好きの延長線上に感じられる日常の幸せ。
たとえ一人の食事であっても、作ってくれた誰かがいて、決して一人じゃない。
作った人の顔が見えるお店は、おいしさも喜びも倍増する。
「9のつく日はクレープの日」。そして「2月2日はフレンチクレープの日」。
あなたの思い出に残るクレープは見つかりましたか?
SHOP INFORMATION
| SHOP | フランス惣菜 TOGATEUR(トガトゥール) |
|---|---|
| WEBSITE | https://togateur.com/ |
| ADDRESS | 神奈川県横浜市中区本郷町2-32 |
| OPEN | 11:30〜13:30/15:00〜20:00(火曜のみ15:00〜20:00) |
| CLOSE | 日曜・月曜 |
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