【シュークリームの日】週末に、ほんの少しの輝きを。「Maison Hestiā(メゾンエスティア)」
フードイラストレーター
まるやまひとみ
毎月19のつく日は「シュークリームの日」。“シュークリーム”と「ジューク(19)」の語呂合わせから制定された記念日です。
私は母とおばあちゃんの家へ遊びに行く時、必ずお土産にシュークリームを買っていました。
家族と分かち合う甘いひとときは、私にとってかけがえのない思い出。
あなたもきっとやさしい気持ちになる、様々なシュークリームをご紹介します。
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横浜元町ショッピングストリートの一本裏、元町仲通り。人通りはまばらながら、歴史ある職人街として老舗から隠れた名店まで軒を連ねる。
喧騒から少し離れ、昭和の面影が残るこの通りに、週末だけ扉を開く店がある。
「Maison Hestiā(メゾンエスティア)」は、本場フランスで磨いた繊細な技巧とナチュラル志向が融合したパティスリー&ベーカリー。
店名の「Hestiā」は、ギリシャ神話に登場するかまどの女神・エスティアに由来する。
家庭の平和を象徴する女神のなぞらえ、窯から焼き上がるシュークリームやパンがおいしくあること、そして食卓に幸せな時間が訪れることを願う。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
培った技術と、やさしさへの転換
通りがかる人たちが、外からショーケースを眺めては次から次へと店内に吸い込まれる。
スイーツもパンも激戦区のこの地に新たな息吹が吹き込まれたのは2024年。
ガラス窓にオープンを知らせる張り紙がされてから数日。初日は開店前から期待に胸を膨らませる人たちが列をなした。
落ち着いたトーンで揃えた店内。パンやお菓子の焼き色も温もりを増す。
店内には生菓子のほか、フィナンシェやクッキーなどの焼き菓子、北海道産オーガニック小麦を使った「140%超高加水食パン」の生地をベースにした菓子パンやサンドイッチもある。
パンは圧倒的な水分量から引き出されるもっちりとしたくちあたりとしっとり感が特徴で、消化にもやさしいため、赤ちゃんの離乳食や高齢者にも向いているという。
日常に寄り添うパンとして「誰でも安心して食べられること」を大切にしている。
一部の商品をグルテンフリーにしているのも、同様の想いがあってのこと。
確かな技術をベースにしながら、ヘルシーでおいしい独自の領域を探求している。
安らぎをもたらす旬を映したお菓子
断面のバランスだけでなく、さくらんぼの角度まで揃っている。
素材選びにも意識を向ける。白砂糖は使わず、ミネラルを含んだ砂糖を使用。
小麦粉や米粉、平飼い卵など、国産食材や地産地消にも力を入れ、できる限りオーガニックの身体がよろこぶ素材を選ぶ。
そして目を惹くのが、鮮やかな粒ぞろいのフルーツ。
四季を味わいつつ、しっかり満足感を得られるケーキに仕上げている。
ショーケースに並ぶケーキはすべてグルテンフリー。
米粉やコーンスターチをベースにつくられているため、ナチュラルな甘さとはっきりとした素材の輪郭が特徴的。
コクはあるけれど後味は驚くほどすっきりしていて、食後の重さやくどさがない。
小麦にはない難しさもあれば、米粉でしか表現できない味わいもある。
その奥深い世界を追求し続けることで、小麦のお菓子にも負けない食感やかたちを生み出している。
クリームは定番のカスタードに加え、週替わりが2〜3種類並ぶ。
中でも看板商品の「米粉のシュークリーム」はまさに米粉の潜在能力を引き出した一品と言える。
シュー生地は焼成を二度行うことでカリッとした焼き上がりに。
時間が経つと、中のクリームの質感が出てくることも計算し、もっちりとした食感に変化していくのもこのシュークリームの魅力だ。
さらに心をつかむのが、週替わりのシュークリーム。
スタッフ間で旬やトレンドを共有しながら会議を重ね、毎月のラインナップを決めているという。
店先に貼り出されたフレーバー表を見て来店日を決める人が多くいるほど、小さなイベントのようなワクワクが待っている。
私が訪れた週も、季節の移ろいを感じるフレーバーがお目見え。
有無を言わさず3種類。家族で食べ比べるのが毎回楽しみなのだ。
コーヒーを淹れてほっこりしたくなる、オリジナリティ満載のシュークリームをいただくとしよう。
可憐に香るバニラ!芳しき米粉のシュークリーム(イラストあり)
米粉のシュークリーム
illustration by まるやまひとみ
二度焼きがつくる不規則なひび割れ。
見るからにクリスピーで、愛らしいサイズ感とは裏腹に硬派な印象すらある。
「米粉のシュークリーム(カスタード)」 ¥430(税込)
まずは定番の「カスタード」。
カスタードクリームには熟成したAランク以上の最高級バニラを惜しみなく使用。うま味の濃い平飼い卵に負けない圧倒的なバニラの香り高さ。
バニラビーンズの芳醇な香りをまとわせた牛乳を卵や米粉と合わせ炊いていく。
こうした香りを味わうスイーツにも、主張しすぎない米粉は最適だ。
シュー皮のなかまでみちっとカスタード。
シュー生地はやや薄皮なので、華やかな香りがひとくちで届く。
舌の上に乗った瞬間やさしいコクがすっと広がり、すぐにバニラの上品な香りが立ち上がる。
噛めばパチパチと弾けるような食感まで感じられるバニラビーンズの量に驚き、カスタードの密度となめらかさに口元がゆるむ。
シュー生地の素朴な風味が戻ってきて、改めてシュークリームとしての味わいにまとまっていく。
「米粉のシュークリーム(ブルーベリーレアチーズ)」 ¥480(税込)「米粉のシュークリーム(ほうじ茶あずき)」 ¥450(税込)
今回の週替わりのクリームは、大粒のブルーベリーをコンフィチュールに仕立て、レアチーズクリームと合わせた「ブルーベリーレアチーズ」。
そして、北海道美瑛産あずきを丁寧に炊き、ほうじ茶の香ばしさで包み込んだ「ほうじ茶あずき」。
旬のフルーツに和風のクリームと、まったく表情の違う2種類が並ぶと食べ比べがさらに楽しい。
こぼれ落ちそうなブルーベリーをレアチーズクリームがぎゅっと支える。
「ブルーベリーレアチーズ」に使用するブルーベリーは甜菜糖の甘さで果実本来の味を引き出す。
レアチーズクリームにはフランス・ノルマンディーで作られる塩味の少ないクリームチーズを使用しているため、あっさりとしながらも奥ゆかしいミルク感でブルーベリーの香りを一層華やかに感じさせる。
「ほうじ茶あずき」は、あずきの輪郭を残す炊き加減でほどよい歯応え。
ほうじ茶クリームの濃厚な香りが口内を満たし、和の豊かさで癒しを与えてくれる。
これほど個性の違うクリームであるにも関わらず、どれもシュー生地としっかり馴染む。
きめ細かなシュー生地の軽やかさもあいまってフレーバーのおいしさが鮮やかだ。
持ち帰ったその先にある風景までを届けたい
「エスティアブレッド」¥880/おうちで一斤切り分けたパンの楽しみ方も人ぞれぞれ。
フランスでは、お菓子もパンも生活の一部になっている。
暮らしの中で得られる豊かさや喜びを、無添加のお菓子やパンを通して届けたい。
持ち帰って食卓を囲み、食べるその瞬間までを思い描きながら心を込める。
あなたも少しの特別を求めて足をのばしてみてはいかがだろう。
横浜・元町に週末だけ現れる“かまどの女神”が、ここでしか体験できない味や香り、季節のわくわくするラインナップが迎えてくれるはず。
SHOP INFORMATION
| SHOP | Maison Hestiā(メゾンエスティア) |
|---|---|
| https://www.instagram.com/maison_hestia_ | |
| ADDRESS | 神奈川県横浜市中区元町5-209 |
| OPEN | 土日祝 10:30〜17:30 |
| CLOSE | 月~金 |
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