ハーゲンダッツ特集、インタビュー第3回は、今年で発売20年目を迎える「グリーンティー」。日本で初めて開発されたということもあり、ハーゲンダッツジャパンにとって特別な存在であるフレーバーです。商品担当の渡辺淳巳さんに、開発のエピソードをうかがいました。
・第1回 ミニカップ バニラ
・第2回 ミニカップ ストロベリー
7年かけて完成させた独自の抹茶味
ーー ハーゲンダッツの「グリーンティー」は、“和”な風味の好きな人にとっては欠かせないフレーバーですよね。やさしい甘さのなかにほのかな渋みとうま味が感じられて、味わうたびになんともまろやかで幸せな気持ちになります。
渡辺さん : 「グリーンティー」は、初めて日本独自に開発されたフレーバーです。完成に7年も費やした、ハーゲンダッツジャパンにとって、とても思い入れの強いものなんです。
ーー これまた、7年も……?「ストロベリー」のときもそうでしたが、納得のいくものができるまで一切妥協しないハーゲンダッツの不屈の精神、本当にすごいです……。使われている茶葉は、どのようなものなのでしょうか?
渡辺さん : どのフレーバーにも言えることなのですが、ハーゲンダッツのクリームはとても濃厚な味わいなので、組み合わせる材料にもクリームに負けない強さが求められます。抹茶の原料となる茶葉のことを「てん茶」というのですが、ハーゲンダッツでは、専用にブレンドした「てん茶」を使用することで、旨味、香り、鮮やかな色味を追求しているんです。
ーー 抹茶もオリジナルブレンドなのですね!
渡辺さん : 茶葉は、その年の新芽だけを摘み取った「一番茶」を主に使用し、苦みや渋みを適度に与えるための「二番茶」を少し加えています。2種類の茶葉を合わせることで、味のバランスが絶妙に取れた茶葉に仕上がります。さらにそれを丁寧に石臼でひくことで、抹茶本来の風味と色を生かしています。
ーー すべて石臼でひいているのですか?ものすごい手間なのでは……。
渡辺抹茶は熱に弱いので、少しでも熱をかけずに茶葉をひくにはやはり石臼がいちばんなんです。ゆっくりと丁寧にひくため、一時間でひける量は石臼1台につきわずか数十グラムですが、こうした行程にこだわることで、滑らかで香りの良い抹茶ができるんです。
おいしさを守る遮光カップ
渡辺茶葉は光にも弱いため、茶園をヨシズやワラなどで覆い、直射日光から守っています。抹茶にする際も光が当たらないよう、真っ暗な中でひいているんですよ。
ええー!石臼でひくときもですか?
渡辺はい、石臼も暗闇のなかに設置されています。完成した抹茶をアイスクリームミックスと混ぜるときも、光や熱をなるべく加えないよう細心の注意が払われているんです。
また、商品が完成してからも、品質を保ったままお客様の元へお届けできるように、パッケージにも工夫がしてあるんですよ。このパッケージ、たとえばストロベリーのものと並べて見ると、違いが分かるでしょうか?
あっ、ほんとうだ。色が違いますね!内側のフィルムも、紙のパッケージも、色が濃いです。
渡辺そうなんです、フィルムも紙のパッケージも、遮光加工が施されているんです。徹底して光を避けることで、「グリーンティー」本来の絶妙な美味しさをご家庭までお届けすることができるんです。
何度も食べているのに、これは気づかなかったです……。商品が完成して終わりではなく、お客様のもとに届けるまでが「工程」なんですね。徹底した品質管理の姿勢に、脱帽です!(つづく)