こんにちは。Eat Designerのにしむー(@1108_ryu)です。
どんどんと暖かな日が増えて、街を行き交う人の装いも軽やかになってきた季節。これから梅雨に入り、じっとりとした日が多くなりますね。
そんな季節は、さっぱりクリームとジューシーフルーツがはさまった魅惑のフルーツサンドが食べたくなりませんか?
僕は鎌倉にてフルーツサンド屋さんをするくらい、年中フルーツサンドは食べたいのですが、これからの季節こそ、風の通る場所で、おいしいコーヒーと一緒にいかがでしょう。
今回ご紹介するのは、たっぷりいろんなフルーツを楽しめる「フツウニフルウツ」です。
一面ブルーのかわいい外観
代官山駅を降りて、中目黒方面・鎗ヶ崎の交差点に向かって坂を下って行くとお店が見えてきます。
涼やかなブルーの壁に、鉄をねじってつくられたいろんなフルーツの名前が踊るように飾られています。三角形の窓も、なんだか別世界にきてしまったよう。
会いに行きたくなる店長松田さん
爽やかな笑顔で迎えてくれたのは、店長の松田さん。
最初はお互い緊張からか、おや?少しこわい人かも…?と思ったことはすぐにどこかへ。話せば話すほど、この人はなんだかおもしろい人かもしれないぞ、という気持ちになってきました。
フツウニフルウツに来る前は、表参道の人気店であり系列店の『パンとエスプレッソと』の店長を4年間勤めていた松田さん。そもそも、どのようにして飲食の世界に行き着いたのでしょうか。
「元々僕は、札幌で自衛隊をしていました。そのあと紹介してもらった仕事が、たまたま飲食業で。そこで飲食業の面白さを知りました」
自衛隊から飲食業とは、かなりの異業種への転職。そこからずっと続けているのは、飲食業に心惹かれた何かがあったのですか。
「単純に接客することがおもしろいなと思って。その中でもコーヒーを淹れることは奥深い上にすごく楽しくて。その二つが合わさって飲食業に惹かれました」
「このお店でもコーヒーを淹れてるんです。でもなかなか注文されないんですけど。(笑)」
それでも楽しそうにお店のことを話してくださった松田さん。
フツウニフルウツのInstagram(@futsuunifuruutsu)の投稿を見ていると人柄も見えてきて、よりお店に行くのが楽しみになりますよ。
日常の中でフルーツを食べてほしい
フツウニフルウツという、つい声に出したくなる、ちょっと不思議な名前はどのようにしてつけられたのでしょうか。
「フルーツがデザートではなくて、もっと普通に日常の中で食べてほしいっていう想いを込めています」
「お店のコンセプトとして、まず『パンをおいしく食べてほしい』というのがあるんです。パンとエスプレッソとのパンを使って、本店にはない違ったパンの楽しみ方を提供したい、というところからフルーツサンドのお店になりました」
レトロメルヘンな三角形
ずらっと並ぶ大小様々な三角形のお店の窓。これってもしかしてフルーツサンドの断面をイメージしてるのでしょうか。
「ロゴも含めていろいろと三角形をモチーフにつくられていて。デザイナー曰く、雰囲気のコンセプトとして “昭和後期のファンシーショップ”を意識してるみたいです」
ファンシーショップ…、今だと聞き慣れない言葉ですけど、レトロにメルヘンを足したような雑貨屋さんって感じですよね。
「この窓ガラスにもすごくこだわっていて、当時のガラスを加工して使っているそうです」
よーく見ると古民家で見かけるようなデザインのガラスもちらほらと。「パンとエスプレッソと」の店舗とは全く違う雰囲気で、フツウニフルウツらしいデザインへのしっかりとしたこだわりが感じられます。
偶然生まれた、フルーツサンドの四角形
「実はお店のデザインを三角形をモチーフにするっていうことで、本当はフルーツサンドも三角形でつくる予定だったんです。でもいい感じの三角形の包材が見つからなくて。(笑)」
「でもこの四角形がいい!と言ってくださるお客さまもけっこういて。一度、Instagramで三角形にするのはどうだろう?という質問をしたら、四角形の見た目が可愛らしい、インパクトがあってよかったっていう声がけっこうあったんです」
確かに、インスタ映えっていう言葉もあるくらい、SNSが流行っている最近だと大切な要素になってきますよね。かわいらしい、きれいなものだとつい写真に撮って共有したくなります。
個人的に気になっていたのですが、このきれいな断面はどんな風につくってるんですか?
「切ったときのフルーツのバランスとか見え方は、スタッフみんなでどうやって置いたらいいんだろうって考えてます。切るときは、とても上手なスタッフがいるんですけど、やさしくざっくりと切っています」
フルーツに合わせるためのパンとクリーム
サンドの内容をどうするかとか、パンの厚みなどはどうやって考えてるんですか?
「メニューはスタッフみんなで考えています。がっちりお菓子づくり経験者って人がいないので、試行錯誤しながら」
一から調べたり、大変なことも多いかもしれませんが、逆に、その方が自由な発想ができそうでいいですね。
「使っている食パンは『パンとエスプレッソと』でつくってもらってます。他の食パンと比べて、食感はふわふわに、味はシンプルなものにしています。パンの厚みはボリューム感を大切にしています。バターはきかせず、小麦の味をしっかり感じるような」
「クリームは、かなりあっさりめに仕上げています。基本的には同じクリームを使っているんですが、季節限定のものは味を変えたりしています。今だと、夏らしい組み合わせのバナナとパイナップルとマンゴー。フルーツと馴染ませたいので、クリームにパッションフルーツのフレーバーシロップを隠し味程度に入れています」
出来たてフルーツサンドを確実に食べるためには?
いつも売り切れているので…、と言われることもあるかと思いますが、実は、販売の開始時間は1日数回あるんですよね。
「そうですね。平日は、11時、15時。土日祝日は、10時、13時、16時からです」
けっこう売り切れることもあるんでしょうか。
「早いときだと、開始から1時間くらいで売り切れてしまうこともありますね。開始時間の1時間前から並んでくださるお客さまもたまにいて(笑)」
確実に食べたい方は、販売開始時間から1時間以内に行った方がよさそうです。混雑時は個数制限もあるそうなので、そちらもお気をつけください。
フルーツたっぷりのサンドをテイクアウト!
5種類のフルーツサンドをテイクアウト。ずらっと並べると、本当にしあわせな光景が広がります…!
(↑)まずは、一番人気の「フツウニフルウツ(350円)」。
パンは松田さんが言っていた通りのシンプルな味。ふわっとした食パンをかみしめるとほんのりとした甘みが広がります。フルーツの甘さをじゃましないさっぱりとしたクリームが、パンとフルーツの間をじゅわっとつないでいます。
いろんなフルーツが散りばめられているので、キウイやオレンジの酸味にバナナのしっかりとした甘味がバランスよく味わえます。
(↑)次は、松田さんイチオシの「ダブルリンゴ(350円)」。フレッシュなリンゴと焼いたリンゴの食感のコントラストが楽しいサンドになっています。ふんわりと香るシナモンとクリームの相性が抜群です。
(↑)こちらは夏季限定の「ナンゴク(420円)」。これからの季節にもぴったりな爽やかさ。フルーツのジューシーさも加わって、いくらでも食べられそうです。
(↑)根強い人気がある「ダブルバナナ(350円)」。一口ずつ食べ進めるごとに、みかんの酸味、バナナの甘味が交互にきてバランスがいいサンド。バナナはごろっと入っているので食べ応えも抜群です。
(↑)期間限定の「ヤヨイヒメ(420円)」。残念ながら春限定のメニューなのですが、大粒のいちごがゴロゴロ入っていて、見ているだけでも幸せな気分になってきます。また、来年登場してくれるのが楽しみです。
ふわふわのこだわりパンにフルーツがたっぷりと入った「フツウニフルウツ」のフルーツサンドたち。愉快なスタッフさんたちのいるファンシーなお店は、通ってしまいたくなる魅力が詰まっていました。
お土産にも散歩のお供にも、これからの季節はサンドを持ってピクニックに行くのも素敵ですね。「ヤヨイヒメ」に代わる新メニュー「オウゴン」も登場しているそうなので、そちらも楽しみにお店へ行ってみてください!
SHOP INFOMATION
NAME | 【閉店】フツウニフルウツ |
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※他、臨時休業する場合があります