明治19年創業の老舗ごまメーカー「九鬼産業」がプロデュースする「GOMAYA KUKI(ごまやくき)」。世にもめずらしい、ごまアイスの専門店です。なかでも話題なのが、「世界一濃厚!」と話題の「超特濃」フレーバー。歴史あるごまメーカーが、なぜいま、アイスをプロデュースするのか? ごまとアイスクリームをめぐる相思相愛のストーリーを、九鬼産業の山岸祐希さんにお聞きしました。
創業131年の老舗ごまメーカーが、表参道にアイスクリームショップを開くまで
「GOMAYA KUKI」は、ごまアイスの専門店として連日行列ができるほどの人気ですが、そもそも、老舗のごまメーカーがあえてアイスのお店をオープンしたのはなぜでしょう?
山岸九鬼産業は、創業131年、ごま一筋でやってきました。良質のごまを、手間をいとわず製品化していくことを大切にして、おかげさまで「九鬼のごまはひと味違う」と高い評価をいただいております。ただ、若い世代の方にとっては、まだまだ地味だったり、年配の方のものというイメージがあったりするのではないかという声もありまして……。昨今の健康ブームで、ごまへの関心が高まっていることもあり、いま一度、若い世代を中心に、我が社のごまの魅力をお伝えできないかと考えました。平たく言うと、ブランド力の強化ですね。
そこで、全国のおいしいお店を支援するグルメメディア「favy」にコンサルティングをお願いして、より広い世代の方々に受け入れていただけるようなスイーツのお店をつくることになったんです。ありがたいことに、「favy」の社長が九鬼のごま製品のファンでいらしたこともあり、共同開発はたいへんスムーズに進みました。
商品をアイスクリームに限定するというのは、どういう過程で決まったのですか?
山岸ごまを使ったかき氷や、ごま油で揚げたとんかつなど、当初はいろいろなアイデアがありました。「favy」と一緒にマーケティングと試作を繰り返すうち、やはり最終的に、より多くの方に気軽に楽しんでいただけるのはアイスではないかということになりました。あとはやはり、ごまとアイスの相性がすごくよかった、ということ。「自信を持っておすすめできるおいしいものができた」というのが、いちばんの理由ですね。
ワンカップのアイスにごまが9,000粒! 世界一の「超特濃」フレーバーに挑戦
「超特濃」「特濃」など、濃さでアイスの種類が分かれているのがユニークです。このラインナップはどうやって決まったのでしょう?
山岸やはり、ごま専門の会社としましては、ごまの魅力をストレートに味わっていただきたいという強い想いがありまして……。
なによりまず取りかかったのが、「超特濃」フレーバーの開発でした。どうせやるならとことんやりたい! ということで、「超特濃」には、ワンカップ(2スクープ)あたり約9,000粒のごまを入れ、世界一濃厚なアイスを目指しています。おかげさまで、お客さまにもいちばん人気なのがこの「くろ超特濃」です。よかったら、ぜひ召し上がってください。
これは、濃いですね……。9,000粒という数字はかなりインパクトがあるので、一体どんな感じかと思ったのですが、ごまの濃厚な感じはダイレクトに伝わりつつも、決してしつこくはなくて、ごま好きにはたまらない奥深い味わいですね。とってもおいしいです!
山岸ありがとうございます。使用するごまの量が多いほど、ただの練りごまを甘くしたようなものになってしまう心配もありました。やはり商品化するからにはアイスクリームとしておいしくなければ成立しませんから、味や口当たりのバランスの取り方にはたいへん苦労しました。「超特濃」は、ごまの濃さとおいしさをお互いに限界まで高めた自信作です。ただめずらしいだけではなく、何度も食べたくなるようなおいしさを目指しました。
評判はいかがですか?
山岸おかげさまで、若い女性の方を中心にたいへん好評で、「こんなに濃いアイスは食べた事がない!」とびっくりされる方が多いですね。SNSなどでも話題にしていただいて、休日は一日500食を超える売り上げを記録しました。リピーターの方もたくさんいらっしゃるのがうれしいですね。「#gomayakuki」で検索すると、2,000件以上の投稿がされています。
あらゆる角度からごまの魅力が味わえる、濃度や食感の違うグランドメニュー6種類
グランドメニューは、「くろ超特濃」「くろ特濃」「しろ超特濃」「しろ特濃」「ごま塩」「つぶつぶ雑穀」の6種類となっていますね。
山岸味わいの違いを感じて頂くために、「超特濃」よりはマイルドな「特濃」というフレーバーもご用意しました。あとは塩を練り込み、さっぱりと仕上げた「ごま塩」、九鬼のセレクトした雑穀の食感が楽しめる「つぶつぶ雑穀」など、味や濃さ、食感の違いが楽しめるフレーバーをご用意しました。
当店ではワンカップで2つの味が選べますから、3回足を運んでいただけるとすべてのフレーバーが楽しんでいただけることになります。「ごま塩」や「つぶつぶ雑穀」も、好評いただいています。
メニューを拝見していると、黒ごまと白ごま、どちらにしようか迷ってしまいますね。
山岸黒ごまと白ごまは、ごまの種類が違うので味わいも異なりますが、栄養価的にはほぼ変わりません。現在、お店では「くろ」の「超特濃」がいちばん人気ですが、「しろ」もとてもおいしいので、ぜひ両方食べ比べてみていただきたいですね。一度に2種類選べるので、黒ごまと白ごまのアイスをひとつずつ選ぶと、見た目にもきれいかと思います。
材料のこだわりについて教えてください。
山岸ごまは、もちろんすべて九鬼産業のものです。アジア、アフリカ、中南米などのさまざまな地域から輸入し、自社の厳しい検査に合格したごまを、焙煎温度や時間を徹底的に管理することで安定したおいしさに仕上げています。1カップに9,000粒も使用するというのは、ほんとうに、自分でも思い切ったことをしたなあと思いますね(笑)。
「追いごま」「追いごま油」など、アイスのトッピングもごまづくし
よく見ると、イートインのみなさんは、ごまのアイスに、さらにごまやごま油をかけていただていますね! とても新鮮な光景です。
山岸ごまとごま油のかけ放題のサービスはオープン当初から行っていて、当店では「追いごま」「追いごま油」と呼んでいます。アイスクリームにごま油をかけるというアイデアは、レストランなどでも、バニラアイスにオリーブオイルをかけて提供していることにヒントを得たものです。同じオイルなら、ごま油でもいけるのではないかと思って試してみたら、予想以上においしかったので、すぐに取り入れました。
いただく前はどんな味か想像がつきませんでしたが、アイスに奥深さが加わって、とてもおいしいです! 家でも真似してみたくなりますね。
山岸「GOMAYA KUKI」を通して、お客さまにごまの魅力を再発見していただくことが我が社のなによりの理想ですから、そう言っていただけるととてもうれしいです。ごまは、日々の料理に使うのはもちろん、こうして極上のスイーツにもなるし、スイーツのトッピングにもなる。アイスを通して、ごまをより身近なものとして感じていただけたら、九鬼産業としては感無量です。
■ 商品リスト
「アイスクリーム2個セット」500円
※イートインスペースは他社のカフェと共有のため、アイスの他にドリンクの注文が必要です。
■ 教えてくれた人
山岸祐希さん
ごまの総合メーカー、九鬼産業株式会社営業部主任。入社7年目。GOMAYA KUKIのプロジェクトにたずさわる。個人的なおすすめフレーバーは「つぶつぶ雑穀」。
SHOP INFOMATION
NAME | GOMAYA KUKI(ごまや くき) |
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URL | http://gomayakuki.jp/ |
ADDRESS | 東京都渋谷区神宮前4-6-9 南原宿ビル1F |
TEL | 070-3265-0783 | OPEN | 11:00〜18:00 |
CLOSE | 不定休 |
※他、臨時休業する場合があります