【愛知・名古屋】「bonnieu」の洗練された空間でここにしかないケーキを
CAKE.TOKYO編集部
豊かな自然を眺めながらゆったりと過ごせるカフェ「bonnieu(ボニュ)」は名古屋・本山にあります。フランスで修行を積んだパティシエールが創り出す、やさしく美しいお菓子の数々。
この記事では、お店の由来やこだわり抜いた素材選び、店内の素敵な空間についてご紹介しています。また、お菓子開発にまつわるエピソード、これからの展望についてもじっくりと駒田ご夫妻に、お話を伺いました。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
目次
店名の由来はフランスの小さな村から
ガラスドアの向こうには開放的な空間が
お店は、地下鉄東山線「本山駅」5番出口から徒歩3分のところにあります。階段を上った先のガラス扉を開けると、目に飛び込んでくるのは窓一面の鮮やかな緑。駅から便利な場所にありながら、自然豊かで落ち着いた空間がそこにはありました。
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早速ですが、「bonnieu」という店名の由来を聞かせてください。
駒田記子さん
フランスの修行から帰る前に、南フランスにある、『Bonnieux(ボニュー)』という小さな村に行ったんです。何の計画もなく行ったので、泊まるところとかも何も予約していなくて...…。もう野宿するしかないような状況だったんですが、そんなときに出会った男性が、なんと家を一棟まるごと貸してくれたんです。
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家をまるごとですか!それはすごいですね(笑)
駒田記子さん
彼にとっておきの場所があると言われて連れて行かれたのが、その家の屋上だったんですが、そこから見える景色が本当に美しくて。南フランスには“鷲ノ巣村”といって、切り立った崖のうえに小さな村が点在しているんですが、地平線に沈んでいく夕日、そして遠くに別の鷲ノ巣村がかすかにみえて、それはもう息を呑むほどの美しさでした。屋上には簡易なテーブルと椅子があるだけだったのですが、彼は「ここで夕日を眺めながらワインを飲むのが最高の幸せなんだ。」と教えてくれたんです。
そんなボニュー村の人々の心の綺麗さや本質的な美しさに感銘を受け、自分もそうでありたいし、そういうモノをつくりたいと想いを込めて、「bonnieu」という屋号にしました。
「自然物」をテーマにしたお店づくり
大きな窓からの風景は、都会の喧騒を忘れさせてくれます
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「本山」という場所を選んだ理由をお聞かせください。
駒田尚人さん
圧倒的なロケーションも、ここ「本山」に実店舗を構えた理由のひとつです。いろいろな場所を見ましたが、僕たちが今住んでるところも自然の中ですし、「自然物」をキーワードにしたとき、ここがコンセプトにぴったりだと思いました。
駒田尚人さんは店内のトータルコーディネートを担当し、内装をはじめ家具も自らデザインされているとのこと。「自然物」をテーマにしたインテリアは、開放的で眺めのいい店内の魅力を引き出し、時間を忘れさせてくれる居心地のいい空間へと仕上げています。
安心・安全な素材で作られたお菓子を
手土産にちょうどいい焼菓子も揃います
お菓子作りにはもちろんですが「bonnieu」では店内で提供する水も毎朝、菓子工房を構える豊田市・旧小原村の湧き水を汲み、それを直接店舗まで運んできているそう。
———
素材選びのこだわりやお菓子を作るうえで大切にしていることをお聞かせください。
駒田記子さん
お菓子は、食べるのも作るのも大好きです。お店を始めるにあたって、その素材がお菓子に本当に必要なのかどうかをひとつひとつ見直しました。添加物や化学的な着色料などを省き、白砂糖も使っていません。食材に関しても、除草剤や化学肥料を使っていない、無農薬・減農薬で作られた素材を選んでいます。
美術館のような陳列のケーキケース
インスピレーションは和菓子から
———
お菓子も「自然物」というコンセプトのもとに作られているのですね。
ショーケースに入ったお菓子は本当にどれも美しくて芸術作品のようですが、開発はどのように行われているのでしょうか?
駒田記子さん
いわゆるフランス菓子の華やかで綺麗なもの、というよりは、和菓子からインスピレーションをもらっています。
和菓子って、花びらが散って重なったような、ほんの一片を切り取っただけで季節の移ろいを感じさせるように作られていて、その世界観がすごく好きなんです。季節がぎゅっと凝縮されているというか。それを自分なりのかたちで表現できるように目指しています。シンプルな素材の組み合わせも潔くて好きですね。
———
なるほど、bonnieuさんの繊細で美しいお菓子の秘密を知った気がします。お菓子づくりにおいて、大切にしていることはなんですか?
駒田記子さん
いつも発想は自由でありたいと考えています。ケーキのデザインはもちろん、香りや素材の組み合わせなど味覚の部分でも。本来デザートに使わないようなものを積極的に取り入れてみることで、新しい食材に出会えるのも楽しいです。
素材だけでなくデザインにも自然がもつ繊細さを表現したいという、そんな駒田さんの本質的な美しさを追及する姿勢がとても印象的でした。
「bonnieu」おすすめメニューをご紹介
ボニュのチーズケーキ¥550
「bonnieu」を代表するケーキのひとつ「ボニュのチーズケーキ」
軽く焦がした天面の香ばしさと、クリームチーズのどっしりとした濃厚さ、口当たりのなめらかさがたまらない逸品。数種類のハーブを熟成して作られたフランス産のリキュールがアクセントとなり、シンプルなつくりながらも品格と芳醇さを醸し出す「bonnieu」ならではのとろけるおいしさのチーズケーキです。
りんごパイ¥700
もう一ついただいたのは、季節のりんごを使った「りんごパイ」。
ナイフを入れると「サクッ」と音が聞こえるほどサクサクなパイ生地の上に、薄くスライスされたりんごがたっぷり乗っています。絶妙な焼き加減で、りんごの甘さもシャキシャキとした食感もたまりません。サイズ感も大きめでしっかり満足できます。
時季によって使用されるりんごを変えているとのことで、取材時は「ぐんま名月」を使用。それぞれのりんごの特長が感じられる一品なので、“りんごパイ”だけでも何度もお店に足を運びたくなりました。毎年、この季節が楽しみになるようなスイーツです。
十三(トレズ)¥800
チーズケーキを召し上がる方にぜひ、おすすめしたいのがブレンドティー「十三(トレズ)」。
実は、この「十三」は定番ラインナップの「ボニュのチーズケーキ」のために同じトレズ本山に併設されているハーブティー専門店「PFLANZEN APOTHEKE(プランツェン・アポテーケ)」によって考案された、オリジナルブレンドティーとのこと。
ラプサンスーチョンのスモーキーな香ばしさにレモングラスの爽やかさ、ジャスミンや白茶、ラベンダーのやさしい甘さが感じられるすっきりとした飲みくちで、「ボニュのチーズケーキ」のリッチな美味しさを存分に引き立ててくれています。
これからの「bonnieu」
店内にも緑が多く、ゆったりとした空間が広がります
食材だけではなく、パッケージも環境にやさしく
駒田尚人さん
実はいま、脱プラについて前向きに動いております。お店のテーマである「自然物」もそうなのですが、環境にも配慮できればな、と。パティスリーでよく使われるプラのケーキトレーも排除して、オリジナルの金台紙を制作しています。
ケーキ箱を入れる袋も割高にはなってしまうのですが、紙袋で提供しております。環境にもやさしく、シンプルでおもしろいパッケージデザインを現在検討中です。
———
お菓子を作るうえでの素材だけでなく、それを包む資材にも配慮されているのですね。
子どもたちに本物の美味しさを
駒田記子さん
イベントみたいなかたちで挑戦したいことは、未来を担う子供たちにも食べてもらえる機会を増やせたらなと思っています。常々、こども達にこそ素材を大切にしたお菓子を食べて、舌で感じてほしいなと考えていたので、例えば100円くらいのシュークリームとかを子供たちがお小遣いを持ってきて買う、みたいな日を限定で設けてみたいなって。食の大切さを、大人もこどもも一緒に感じて楽しんでほしいと思っています。
駒田尚人さん
あとは、少しずつ全国に発送できるようになれたらいいなと考えています。今は、お店から離れた場所にある工房からお菓子を届けていますが、それを拡大できたらなと。
———
環境問題やそれにまつわる食についても考えていらっしゃるのですね。
クリスマスに向けて
駒田記子さん
クリスマスケーキは、今まで作ってこなかったのですが、実は今年初めて挑戦してみました。
先日、予約を開始したのですが、ありがたいことに開始5分で完売してしまいました。ですが、年始に毎年やっている「ガレットデロワ」や、「ボニュのチーズケーキ」のホール販売、他にもいろんな焼き菓子のギフトなど。オンラインでも対応できるようにしていきたいと考えています。
お菓子やお店づくり、そのすべてに「自然物」というコンセプトが敷かれた「bonnieu」。
本質的な美しさ、美味しさを提供したいという駒田夫妻の想いが調和された居心地のいい空間を生み出していました。
忙しい日々の喧噪から少し離れたい、そんなときに「bonnieu」でのひとときが私たちに心ほどける上質な時間を与えてくれることでしょう。
SHOP INFORMATION
NAME | bonnieu(ボニュ) |
---|---|
WEB SITE | https://shop.bonnieu-gateaux.cm |
https://www.instagram.com/bonnieu.xiii | |
ADDRESS | 愛知県名古屋市千種区四谷通2-8 YOU YOTSUYA3F |
TEL | 052-784-4084 |
OPEN | (モーニング)9:30-11:00 Lo.10:50 /(ケーキ提供) 11:00-17:00 Lo.16:00 |
CLOSE | 日曜日・月曜日・火曜日 |
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