【錦糸町・And Tei】日本茶プラントミルクティーで創り出す「古き良き日本茶」の新しいカタチ
CAKE.TOKYO編集部
錦糸町にある「日本茶プラントミルクティー」のお店『And Tei(アンドテイ)』。
日本茶バリスタとして活躍の場を広げている倉橋佳彦さんが、お茶が生み出す香り、空気感、体験を最大限味わってもらうためにオープンしたティーハウスです。
プラントミルクとは豆乳やオーツミルクなどの植物素材のミルクのこと。そのプラントミルクと日本茶でつくるミルクティーが「日本茶プラントミルクティー」です。
『And Tei』は日本茶プラントミルクティーとプラントベイクのお店
日本茶の香りを最大限に楽しんでもらうために行き着いた、日本茶プラントミルクティーという新しいお茶のカタチ。
そして、日本茶とのペアリングを追求した先に行き着いた、植物素材だけで作り上げた焼き上げた焼き菓子・プラントベイク。
この記事では、And Teiでしか体験できない「新しい日本茶体験」の魅力をご紹介します。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
目次
下町にたたずむ、凛とした装いのティーハウス
And Teiの軒先
東京都は墨田区、錦糸町駅から北へ歩くこと10分。人の往来もまばらになり始める路地に、シックな出立ちのティーハウスを見つけることができます。
中の様子が伺えない外観と、軒先から漂う洗練された雰囲気。少し緊張が入り混じったような期待をかき立てられ、胸の鼓動もいっそう高鳴ります。
店内
店内へ入ると、雑音を濾して、静けさで満たしたような、凛とした空間が広がっています。
都会の喧騒から私たちを守ってくれるかのような、聖域のような空間。
座席
カウンター
オーナーである倉橋さんの「茶室のような静謐な空間での時間も、お茶の魅力のひとつ」「お茶の時間が自分と向き合う時間になれば」という気持ちを体現した空間づくり。
ゆっくりと息をすることを思い出させてくれる、日々の慌ただしさから切り離された時間が流れています。
オーナーは日本茶バリスタの倉橋佳彦さん
オーナーの倉橋佳彦さん
And Teiのオーナーは、日本茶の淹れ手「日本茶バリスタ」である倉橋佳彦さん。
日本茶の魅力を伝えるため、TV・WEBなどのメディア出演や、ワークショップの開催などでも活躍されています。
コーヒーバリスタとしての経験も活かし、今は日本茶バリスタに
浅草のカフェ「FEBRUARY CAFE」でのマネージャー・コーヒーバリスタとしてのキャリアもある倉橋さん。その他、様々なスタイルの飲食業の経験も積まれてきました。
そんな彼が日本茶の魅力をより広く浸透させるため、試行錯誤の末たどり着いたのが「日本茶プラントミルクティー」というお茶の新しいスタイルでした。
店内のお菓子はすべてプラントベース
また、中学時代からお菓子づくりを始め、パティシエとしての経歴もある倉橋さん。変わらぬお菓子づくりへの情熱は、今は「日本茶に合う最高のお茶請け」の追求へと注がれています。その結果生まれたのが、植物素材のみでつくり上げた焼き菓子・プラントベイク。
倉橋さんがコーヒーバリスタから日本茶バリスタに転身した理由、日本茶プラントミルクティーやプラントベイクの提供に至った経緯については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
日本茶の「香り」を楽しむためのプラントミルクティー
ミルクティーはバイオーダーで丁寧に淹れられる
And Teiでは4種類の日本茶(茶葉)と、3種類のプラントミルクを用意。
日本茶は「有機玄米茶」「有機ほうじ茶」「有機烏龍茶」「有機紅茶」の計4種類。
プラントミルクは「オーツミルク」2種類と、「豆乳」の計3種類。
茶葉とミルクは、好きな組み合わせで飲むことができるため、計12種類のミルクティーが楽しめます。
「何年もお茶を淹れていく中で、お客様がいちばん喜んでくれるのは、お茶の”香り”だと気づきました」と倉橋さん。
茶葉については、日本中の30箇所もの茶畑を渡り歩く中で、香りに焦点を当てて厳選しました。
日本茶との相性にこだわった結果、プラントミルクを使うことに
ミルクについても日本茶の香りを活かすという観点で試行錯誤。
「お店で扱うすべての茶葉に合うミルクを研究した結果、残ったのが今の3つでした」
牛乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクなどは、一部の茶葉とは相性が良いものの、合わない茶葉もあったため不採用に。素材選びのお話だけでも、入念な試作と吟味を重ねたことが伺えました。
「お茶を淹れる様子を眺めて、提供を待つ時間も楽しんで欲しい」と倉橋さん
最初にお店を訪れた人に飲んでほしいというのが「玄米茶」と、オーツサイドという「オーツミルク」の組み合わせ。
「ほとんどの人にとって、玄米茶のミルクティーも、オーツミルクのミルクティーも経験がないと思います」と言うとおり、初体験を詰め合わせたかのような一杯。
煮出すのではなく、中温域でじっくり温めることで茶葉の香りをミルクに移す
「有機玄米茶」×「オーツミルク」の日本茶ミルクティー(ホット)/¥750
カップから立ち上る、焙煎したお米の香ばしい香り。それは、こんがり焼きたてのお煎餅のような、淹れたてのお茶漬けのような、日本人にはとても馴染み深い香り。そんな心地よい香りが、これまで体験したことのないほど豊かに香ってくる。
日本人なら無防備に心を許してしまうその香りに、心はたちまちほぐれていきます。
福岡県うきは市の有機玄米茶を使用
その香りを下支えするのが、オーツミルクのミルキーな味わい。「お茶の香り」より前に出ない奥ゆかしさがありながら、飲みごたえのあるコクとまろやかさ。その優しくてリッチな味わいに、お茶の香りとはまた違う質感の、ホッと安らかな気持ちが染み渡ります。
手にしていたカップを置くと、思わず漏れた深いため息と入れ替わりに、胸を撫で下ろすような心地よさで満たされていきました。
「有機烏龍茶」×「ソイミルク」の日本茶ミルクティー(アイス)/¥750
茶葉が変われば香りも変わり、ミルクの違いもそれぞれの個性が表れます。
例えばオーツミルク(オーツサイド)はお茶の香りに寄り添うように交わっていましたが、ソイミルクは豆乳自身の風味もお茶の香りと混ざり、また違ったテイストのプラントミルクティーでした。
そして、もうひとつ1つのオーツミルク(マイナーフィギュアズオーツ)は、オーツの香ばしさがよく感じられるミルクだといいます。
「ミルクの味も気になるし、茶葉との相性も気になる」
すべての組み合わせを試して、違いを味わいたくて仕方なくなってきました。
「有機ほうじ茶」のストレートティー(アイス)/¥680
純粋な茶葉の個性を楽しみたくなったらストレートティーも。写真は滋賀県朝宮の有機ほうじ茶。アイスティーとは思えないほど豊かなほうじ茶の香りに、思わず大きな声をあげてしまいました。ですが、飲み口は濃さを感じさせず飲みやすい、素晴らしい淹れ加減。
その他、アールグレイやカカオチャイなどのスペシャリティーもラインナップされています。
日本茶との相性を追求したプラントベイク
店内のスイーツはすべてプラントベース
日本茶の香りを何よりも重視する倉橋さんが、お茶請けとして行き着いたのがプラントベイク、植物素材でつくる焼き菓子でした。
「ミルクティーと焼き菓子は定番の組み合わせですが、あるとき、素材をプラントベースにすると日本茶の香りが最大限活きることに気づきました」
塩こうじスコーン・プレーン(ハード)/¥400
中でも定番の品が「塩こうじスコーン」。
バターの芳醇さではなく塩麹の塩味や旨味で下支えされたスコーンは、素材ひとつひとつの存在を感じられる繊細さがあり、どこか和食のような焼き菓子。
日本茶と焼き菓子を合わせるという新しい体験
それはお茶と合わせた時も同じで、あくまでお茶の香りに寄り添い、それでも洋菓子としての満足感も持ち合わせている。日本茶のお茶請けとしてこれまでにない立ち位置の、新しいお菓子です。
全粒粉スコーン カカオ&マカダミアナッツ/¥500
一方、「カカオのスコーン」は、また違った個性のペアリングです。
カカオとお茶のそれぞれの香りが見事に調和し、そのマリアージュは何度も口にしたくなる食べ合わせ。
それもあくまで、プラントベイクのベースにある繊細さがあってこそ実現したペアリングだと感じました。
季節限定:ブラウニーとソイミルクアイスとキャラメルソース/¥980
バイプレイヤーにおさまらない、日本茶とのツートップを担うスイーツも。
手作りだという「ソイミルクアイス」は、プリンのような、なめらかでとろみのあるテクスチャー。その食感も手伝って、プラントベースでありながら濃厚さも感じられ、これだけでも絶品。
ブラウニーの間には杏ジャムをサンド。カカオの香りと、フルーティーで甘酸っぱいフレーバーが合わさり、リッチな味わいが広がります。
そして、そのブラウニーにアイスを添えてひとくち。ビターでリッチな味わいと、ミルキーなまろやかさのコントラストにうっとりとしてしまいました。
日本茶と合わせて美味しいというコンセプトは一貫
見た目も味わいもきらびやかな一品。ですが、やはり根底にはプラントベースの繊細さがあり、日本茶との相性の良さは一貫しています。
「古き良きお茶の時間」を新しいカタチに
And Teiでは新しいお茶体験の中で、変わらないお茶の良さを感じられる
日本茶とミルクティー。
日本茶と焼き菓子。
日本茶とプラントベースフード。
And Teiでは、伝統ある日本茶の良さを最大限感じられながらも、そこにいくつもの「新しさ」が重なるように店内での体験がデザインされていました。
記事の後編ではAnd Teiと倉橋さんの内面に迫ります
その意図について倉橋さんに伺ってみました。
すると、彼の並々ならぬ日本茶への敬意と愛情、日本茶の未来のため考えに考え抜かれ戦略の数々を、丁寧に話してくださいました。
「コーヒーの世界から日本茶バリスタへ転身した理由」「彼が日本茶の未来ために、日本茶のストーリーを伝えることを辞めた理由」「日本茶をプラントミルクティーにした本当の狙い」「日本茶の店でありながら緑茶を置いていない理由」
「100年後も日本の茶畑を残したい」という倉橋さんの想いと、日本茶の未来のため、思い描くストーリーについては、以下の記事へと続きます。
SHOP INFORMATION
SHOP | And Tei(アンドテイ) |
---|---|
WEBSITE | https://www.instagram.com/_and_tei |
ADDRESS | 東京都墨田区太平4-22-6 1F |
TEL | - |
OPEN | 平日 12:00~17:30/土日祝 12:00~17:30 |
CLOSE | 水曜日 |
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