【ショートケーキの日】笑顔の花咲くショーケース。「創作菓子 ポトロブランコ」
フードイラストレーター
まるやまひとみ
カレンダーを見ると22日の上に15日(苺)が乗っていることから、毎月22日はショートケーキの日に制定されました。
白いクリームに黄色いスポンジ。そして真っ赤な苺。
いつの時代も変わらず私たちに幸せをもたらしてくれる日本のショートケーキ。
あなたにおすすめしたい、横浜の素敵なショートケーキをご紹介します。
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下町の風情を残す横浜洪福寺松原商店街があり、地元の人たちでにぎわう天王町。
商店街から天王町駅へと向かう途中小道に入ると、お花に囲まれた優しい雰囲気に誘われる。
学生の頃からケーキ一筋というご夫婦が営む街のケーキ屋さん「創作菓子 ポトロブランコ」。
このお店では、洋風から和風まで揃う多彩なお菓子が揃い、2001年の創業から変わらぬ明るいケーキが、お客様に幸福を与え続けている。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
特別なケーキ屋さんになれるように
お花屋さんのような可愛らしい外観。
「ポトロブランコ」は、スペイン語で「白い仔馬」を意味する。
数万頭に一頭しか生まれない希少な白い毛の馬になぞらえ、特別なケーキ屋さんになるようにとの願いで名付けられた。
製菓の専門学校を経て、数々のホテルやケーキ店で腕を磨いたのち、ご夫婦が生まれ育った横浜に「創作菓子 ポトロブランコ」をオープンした。
地元に寄り添い、街に馴染む店にしたいとこの地を選んだ。
コツコツ集めたというスペインの陶器雑貨が壁一面にたくさん飾られている。
ほどよい明るさで落ち着く店内。ショーケースには旬のフルーツが彩るケーキが並び、季節の移ろいを感じられる。
ケーキを選ぶお客さんの笑顔が大好きで、その笑顔を見たい一心で日々お菓子作りに励むご夫婦。照明に照らされキラキラと光るケーキを眺めていると、私も無意識のうちに顔がほころんでいた。
ショートケーキといったらやっぱり「苺」!
ホールで欲しくなるたっぷりクリームのロールケーキや、注文を受けてから表面を炙るクレームブリュレ。
「ポトロブランコ」の苺のショートケーキは、年間通して不動の人気を誇る。お子さんだけでなく、ご年配の方にも「ショートケーキは苺」というイメージが根強く、夏でも「苺のショートケーキ」を提供できるように、特別に“夏いちご”を仕入れている。
季節ならではの味を感じてほしいという思いから、ケーキ自体の甘さを変えることはしない。自然の風味を大切にし、見た目も味も旬を楽しめるケーキに仕上げている。
メロンから羽が生えたような美しいデコレーション。
プリンやシュークリームなどの定番はもちろん、その時々で装いを変えながら季節を楽しませるケーキも揃っている。これらのケーキは食への好奇心を育ませ、訪れる子供たちは指をさしながら楽しそうにケーキを選ぶ。
時にはお礼の手紙をもらうこともあり、「おいしかった」「たのしかった」といった感想がなによりも嬉しく、励みになると店主は話す。
オリジナリティを加えた焼き菓子もイチオシ。
ひときわ目を引く「ヒラソル」は、スペイン語で「ひまわり」を意味する。
ベーキングカップのヒダを花びらに見立て、太陽の光を受けて大きく咲いたひまわりのようなマドレーヌだ。
お店の顔となるお菓子を考えた際、当時流行っていた大きなマドレーヌと、奥様が好きなひまわりの印象が似ていたことから生まれたもの。
醗酵バターをふんだんに使った生地はしっとり優しい味わいで、素朴さを持ち合わせた風味が懐かしさを感じさせる。
大きく食べ応えがあるので、朝食にもおすすめだそう。
一度食べるとまた食べたくなる、次来た時は誰かのためにも買いたくなる、そんなケーキたち。
今しかないとびきりのおいしさを味わい尽くす。
口いっぱいに咲き誇る夏の贅沢!(イラストあり)
illustration by まるやまひとみ
今回いただいたのは
●苺のショートケーキ ¥475(税込)
一般のスーパーにはほとんど出回らないため「幻のいちご」と呼ばれることもある貴重な夏いちご。冬のいちごとは異なり甘みは少ないものの、フルーツらしい酸味が暑さを吹き飛ばしてくれる。
シュッとした美しいカットに絞りの躍動感。フォークを刺すだけでもわかるスライス苺の厚み。二段にサンドされた高さのあるショートケーキに、嬉しさが込み上がる。
ひと粒のブルーベリーをさていつ食べようかと思い巡らすのも幸せ。
飾りの夏いちごを口に入れると、しっかりとした果肉と粒感があり、噛んだ瞬間に果汁と香りが一気に弾ける。空気を含んだスポンジの舌触りとたおやかなクリームの口溶け。
はちみつの濃厚な甘さが広がったあとに感じる、いちごのきゅんとした酸っぱさが楽しい。見た目通りの鮮やかな味が夏いちごの魅力。爽やかな風味をショートケーキで味わえるのは今の季節ならではの贅沢。
唯一無二の王道でありながら、そのシンプルさで季節を記憶に残してくれる。
夏を詰め込んだ新作メニュー「ベル エテ」。
カラフルなフルーツが明るく彩り、甘みをたくわえたマンゴーのジュレとムース、まろやかなパンナコッタを合わせた三層仕立てで夏を盛り上げる。涼やかなジュレの甘酸っぱさとやわらかく濃厚なマンゴームースのとろける甘さが走り出すのを、パンナコッタがクリーミーにそっとなだめる。
華やかなフルーツもあいまってメリハリのある味わい。南国気分に浸り、食べ終わったあともマンゴーの余韻でいっぱいに。
フランス語で「夏を楽しんで!」。
ケーキはどんな時も人を元気づける
ショーケースの上でお行儀よく座る白い仔馬。
13時ちょうど、時計の音楽が鳴り響く。
音に誘われたかのように続々と訪れるお客さんは、みんな誰かを想い購入していく。
記念日やイベントなど楽しいシーンに買われることが多いケーキ。
けれど、悲しいことがあった時や落ち込んだ時にもケーキ屋さんに行ってほしいという。
ショーケースに並んだケーキを見ればきっと元気になれる。
ひと口食べれば涙も止まるはず。
ポトロブランコはいつでも心に寄り添い、背中を押してくれる特別な存在だ。
SHOP INFORMATION
SHOP | 創作菓子 ポトロブランコ |
---|---|
WEBSITE | https://www.instagram.com/potro_branco |
ADDRESS | 神奈川県横浜市保土ケ谷区天王町1-2-4 I・Kビル |
TEL | 045-332-8091 |
OPEN | 11:30〜19:00 |
CLOSE | 水曜日 |
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