“旅とお菓子”をテーマに、クリエイターさんのお気に入りを紹介してもらうシリーズを公開します。今回紹介してくれるのは、フリーランスのライター&編集者として活動する、旅好きユニット「auk(オーク)」の佐々木素子さんです。

オランダにはたくさんの魅力あふれる地方都市がありますが、南西部Zeeland州の半島に位置するMiddelburg(ミデルブルグ)は、私が好きな街のひとつ。

海辺の街ならではのゆったりとした雰囲気やユニークな民族衣装、童話の世界のような中世の街並み、自家製ヨーグルトアイスが評判の老舗カフェ、いつも素敵なエキシビジョンが開かれているギャラリー、掘り出しものが見つかるアンティークショップ…。

お気に入りの場所がたくさんあります。アムステルダムから電車で片道2時間半という移動時間も全く苦になりません。

そんなMiddelburgで買える大好きなおやつは、1892年に創業したJB.Dieschのバタースコッチ「BOTERBABBELAARS」。手作り感あふれる素朴な風合いのバタースコッチは、1粒が1cmほどの小粒タイプ。

オランダ語を直訳すると「バターのおしゃべり」という意味ですが、これはZeeland地方で女性がおしゃべりしながらコーヒーといっしょに食べている砂糖菓子の名前から由来しているそう。

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Middelburgの街並みや、民族衣装の子供がプリントされた缶

Middelburgの街並みや、民族衣装の子供がプリントされた缶創業当時から変わらない伝統的なレシピで手作りされているバタースコッチは、わたしにとってはキャンディというより“お菓子”。

バタースコッチが好きで、いままでいろいろ食べてきましたが、ここの味と固さがいちばん好みです。小粒なので、一度に2個を口に放り込んでは我慢できずにガリガリと噛み砕いて食べてしまいます。

この、ガリガリと噛み砕けるのもポイント。固すぎず、柔らかすぎない食感……絶妙。深入りのコーヒーによく合います。

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Zeelandの民族衣装を着た女性をデザインした青い缶も、昔から変わっていません。缶入りは、ほかの街で売っているのを見たことがありませんが、アムステルダムのオーガニックスーパー「Marqt」には、袋入りパッケージのものが売られていました。

民族衣装の女の子がプリントされた紙に1個ずつ包まれた、おめかしバージョンもあり、おみやげにもおすすめです。

お店は、マルクト広場に面した場所にあります。砕いたバタースコッチ入りのチョコレートバーもおすすめです。