紫がかった美しいブルーのブランドカラーが印象的な洋菓子店「OGGI(オッジ)」。風格漂う佇まいはまるでヨーロッパのお店のようですが、1978年の創業以来40年近い歴史を持つ、れっきとしたメイド・イン・ジャパンブランドです。チョコレート界のフォアグラと呼ばれる「ショコラ デ ショコラ」や、他には無い味わいの「オレンジピール」まで、ロングセラーのチョコレートを多く生み出してきたOGGI。幅広いお客様から長く愛されている理由を、営業部の坂井藍さんに伺いました。
OGGIブルーは袈裟の色?創業者・松濤真美氏のユニークな経歴とお菓子作りへの情熱
創業者の故・松濤真美(まつなみなおみ)さんは、とても多彩な経歴をお持ちですね。
坂井松濤は、東京で歴史ある寺院の次男として生まれました。現在“オッジブルー”と呼ばれ、皆様に親しまれているブランドカラーは、実は最高位の僧侶が身に着ける袈裟の色をモチーフにしているんです。
学生時代は微生物発酵や酵素ついて研究し、卒業後は醸造試験所という研究所で、日本酒に等級をつける仕事につきました。その後、ビスケット製造会社で洋菓子の製造技術を学びました。
1978年に独立し、銀座に夫婦で喫茶店「OGGI」をオープン。これがいまの「OGGI」の前身です。自分たちでもオリジナルの洋菓子を作りながら、声がかかれば大手洋菓子メーカーの創業にもたずさわるなど、とにかく好奇心旺盛でチャレンジ精神豊富な人物でした。
夫婦で開いた銀座の喫茶店から始まり、後の看板商品が生まれたのは、飛行機の上での何気ないやりとりがきっかけでした。
飛行機での偶然の出会いから生まれた、究極のチョコレートケーキ「ショコラ デ ショコラ」
それが、OGGIの代表作である「ショコラ デ ショコラ」ですね。
坂井そうなんです。新しい味のヒントを求めて、松濤が夫婦で訪れたフランスからの帰途、飛行機で偶然隣りに座っていた女性から、「パリのレストランでつくってもらったんだけど、よかったらおひとついかがですか」と一切れのチョコレートケーキをいただいたことがすべての始まりでした。
そのチョコレートケーキがあまりにもおいしく、帰国後もその感動が忘れられず、なんとかして再現したいと夫婦でチョコレートケーキの研究に没頭。そうして完成した商品が、今でも熱狂的なファンを持つ「ショコラ デ ショコラ」です。
それでは、本題の「ショコラ デ ショコラ」の魅力について教えてください。
坂井「ショコラ デ ショコラ」は一見シンプルなチョコレートケーキに見えますが、手に持つとずっしりとした重量感に驚かれると思います。
メインの素材は、ベネエズラとガーナのカカオをブレンドした特別なチョコレート。バターとカカオバターをたっぷり加え、さらにコショウやシナモンをほどよく効かせて味のアクセントにしております。ねっとりとした濃厚な生地の質感が、ナイフ越しに伝わるほど。舌触りはヴェルヴェットのようにきめ細やかです。
職人の手づくりにこだわっているため、一度に120本しか焼くことができませんが、おかげさまで、熱狂的なファンの方もいらっしゃる人気商品として定着し、そのリッチな味わいから、“チョコレート界のフォアグラ”という呼び名もいただくようになりました。オリジナルのパッキング開発により、賞味期限も1ヶ月以上と長めですので、ギフトとしての需要もますます増えています。
おすすめの食べ方はありますか?
坂井冷蔵庫でしっかり冷やしてから食べると、カカオバターが舌の上で少しずつとろけていくヴェルヴェットのような舌触りを楽しめます。常温で食べると、今度はコショウやシナモンの香りが鮮やかに立ち上り、スパイシーな味わいが楽しめます。また、スライスの幅によっても味の印象が微妙に異なってくるんですよ。
スライスの幅でも、変わるんですね。
坂井初めて召し上がる方であれば、まずは薄めにスライスして、しっとりとした香り豊かな味わいをじっくり感じてみてください。甘さのなかにも深いコクや旨味を感じることができ、スペシャルな味わいを堪能していただけます。ぜひ、ご自身でいちばんお好みの食べ方を見つけてほしいと思います。
独特な口溶けでついつい手が伸びる「オレンジピール」
OGGIのもうひとつの人気商品である「オレンジピール」のこだわりについて教えてください。
坂井「オレンジピール」は、じっくりと煮てシロップにつけ込んだバレンシアオレンジが主役。このオレンジは、フランスのサバトン社から特別に仕入れているもので、とても柔らかく、口にするとほろほろと溶けていくゼリーのような極上の味わいです。
このオレンジはあまりにも柔らいため、つくる際に形が壊れやすく、ロスも多くなってしまう、いわば職人泣かせの商品。
それでもこのオレンジピールにこだわるのは、このオレンジピールでしか出せないおいしさがあるから。「おいしいものしかつくらない」という創始者のポリシーを守り、伝統の味を頑固に守り続けているんです。
バレンタインデーにおすすめの商品はありますか?
坂井今年はチョコレートとフルーツとの融合を意識し、珍しいマスカットレーズンを贅沢に使った「マスカットレーズンチョコレート」や、人気の「オレンジピール」、ホワイトチョコレートで包んだ「レモンピール」のセットなど、約8種類のラインナップをご用意しています。
以上の限定商品にプラスして、「ショコラ デ ショコラ」や「オレンジピール」などの定番商品をバレンタインギフトとしてお求めいただく方も多いですね。
おいしいコーヒーとチョコレートが楽しめる、目黒川を眺めながらのイートイン
OGGIというブランド名についてお聞かせください。
坂井ブランド名は、イタリア語で「今日」という意味です。創業者が、「一度しかない『今日』という日にふさわしい、最高においしいお菓子をお客さまにお届けしたい」という意味で付けたと聞いております。
ずばり、「OGGI」らしさとはどのようなものだと思われますか?
坂井OGGIは洋菓子店でありますが、そのものづくりに“和菓子のスピリット”が感じられるところだと思います。
例えば、一般的に洋菓子の生地は、空気を含んだふんわりとした食感が良いとされていますが、OGGIの商品は、「ショコラ デ ショコラ」のようにずっしりと濃密で重量感のあるものが多いんです。
素材が持つ力を最大限に生かした「オレンジピール」や「メープルプランタニエ」も、日本の繊細なものづくりを感じさせる製法が特長です。シンプルで小さな佇まいのなかに、濃厚なだけではない、複雑な味の組み立てが詰まっている。これこそまさに、和の精神を取り入れたOGGIのオリジナリティではないかと思っています。
本店ならではのサービスについて教えてください。
坂井コーヒーと一緒にOGGIの人気商品を楽しんでいただける、セットのカフェメニューをお出ししています。
濃厚な「ショコラデショコラ」にはまろやかなコクのヨーロピアンブレンド、柑橘系の「オレンジピール」にはさわやかな酸味の「エチオピア・モカ」を合わせるなど、コーヒーとチョコレートの組み合わせにもこだわっています。
目黒川を臨む恵まれた立地で、春は満開の桜が、夏は鮮やかな新緑がお楽しみいただけます。また、現在、カフェでお出しする新たなチョコレートドリンクなども企画中です。どうぞ、楽しみにしていてくださいね。
お客様の声で印象に残っているものはありますか?
坂井店頭に立っているときに、お客さまがオレンジピールを指して「このチョコレート知ってる。東京のおいしいチョコレートだよってもらったことがある」というお言葉があり、メーカーとしての誇りを感じました。あとはやはり「おいしかった!」というお声です。
OGGIはリピーターのお客さまがとても多くいらっしゃいますので、嬉しいご意見も厳しいご指摘もありがたく頂戴しています。もともと通販部門が始まったのも、「以前いただいたお菓子が美味しかったから、送っていただけませんか?」という声がはじまり。これからもお客さまとのコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。
■ 教えてくれた人
OGGI 営業部 坂井藍さん
営業部にて主にEC通販部門を担当。個人的なお気に入りは「チョコレートクッキー」。創業者である故・松濤真美氏の哲学を受け継ぎつつも、時代の流れに合った新しいスタイルを日々研究中。
(写真一部店舗提供)
オレンジピール 100g 1296円
マスカットレーズンチョコレート 1箱 2160円
プレミアムオレンジピール&レモン 1箱 2592円
SHOP INFOMATION
NAME | OGGI 目黒本店 |
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URL | http://www.cucina-oggi.com |
ADDRESS | 東京都目黒区下目黒2-3-23 |
TEL | 03-5434-1110 | OPEN | 10:00〜19:00 |
CLOSE | 年末年始以外無休 |
※他、臨時休業する場合があります