おかきの名店「赤坂柿山」がつくる、肩ひじはらずに「飄々と」和菓子を楽しむ新ブランド

hyohyoan_01

「飄々庵」という名前の響きがとても粋ですね。ブランド名の由来を教えていただけますか。

竹田「飄々庵」には、その名の通り、気軽に「ひょうひょうと(身軽に、気ままに)」和菓子を召し上がってほしいという気持ちが込められています。2016年の4月に店舗がオープンしてから、まもなく1年半になります。

おかきの名店である「赤坂柿山」が新ブランドを立ち上げたきっかけはなんだったのでしょう?

牛膓「赤坂柿山」は、1971年に創業したおかきの専門店です。おかげさまで、花柳界(赤坂の料亭や芸者さんなど、花街の文化を指す)の方々をはじめ、たくさんのお客さまにご愛用いただいているのですが、顧客の方から「甘いお菓子は置いてないの?」と聞かれることがけっこうあったんです。うちのおかきやあられは、しょうゆ味のものが中心ですから、なかなかそのご要望にはお応えできなくて。

hyohyoan_02
店長の牛膓さん(左)、赤坂柿山の竹田さん(右)

おかき屋さんですから、当然甘いものは置いてないですよね。でも、おかきと一緒に甘いものを食べたいと思うお客さんの気持ちはすごくわかりますね……。

牛膓そうなんです、甘いものとしょっぱいものを交互に食べたらおいしいですよね。わたしもすごく分かります(笑)。と、まあ、理由はそれだけではないのですが、NEWoManに新店舗をオープンさせる際、新しい試みとして、自信をもっておすすめできる甘い和菓子も出そうということになったんです。

「赤坂柿山」を代表するおかきやあられと、「一幸庵」水上力氏の和菓子が一度に買える場所

おかき一筋で続けてこられた「赤坂柿山」が、甘い和菓子を手がけるというのは、とても大きな挑戦ですよね。

竹田やはり我々の専門分野はおかきですから、和菓子を出すにあたっては、弊社社長の敬愛する「一幸庵」の水上力氏に監修をお任せすることになりました。「一幸庵」は、ご存知の方も多いと思いますが、茗荷谷に店を構える和菓子の名店です。和菓子職人の水上氏の独自の作風は、国内ならずヨーロッパでも高い評価を得ています。私たちがつくりたかった、「これまでになかった和菓子。そして、この場所でしか買えない和菓子」の実現には、水上氏の協力が不可欠でした。水上氏との御縁には、今も心から感謝しています。

hyohyoan_03
水上氏監修の一口切り出し菓子「味和音」

こちらに並んでいる色とりどりのお菓子は、赤坂柿山のものと、水上氏が監修したものとがあるんですね。

牛膓はい。おかきやあられは、「赤坂柿山」のものですが、一部の商品を除いては、この店舗でしか購入できないオリジナルです。おまんじゅうの「ひょうひょう満」や白あんと砂糖を合わせ、食感の異なる糯米粉(もちごめこ)を加えて板状に押し固めた「味和音」などは、水上氏に監修していただいたもの。どちらもこちらの店舗でしか購入できないスペシャルな商品ばかりです。

hyohyoan_04
hyohyoan_05
「赤坂柿山」で人気の薄焼きおかき「慶長」を、江戸文様の美しい「谷中・いせ辰」のぽち袋に一枚ずつ入れた「ぽちおかき」。このパッケージで購入できるのは「飄々庵」のみ。

絹のような舌ざわりにリピーターが続出中! 水上氏渾身の「ひょうひょう満」の秘密

hyohyoan_06

一番人気の「ひょうひょう満」について教えていただけますか。

竹田こちらは、水上氏が「一幸庵」で一度手がけたものの、わけあって姿を消した「幻のおまんじゅう」を復刻したものなんです。「飄々庵」の新作として出すからには、さらに手を加えてグレードアップさせたいとのことで、水上氏が何度も何度も試作を重ね、オープンぎりぎりになってようやく完成したという一品です。

水上氏の並々ならぬこだわりを感じますね。いちばんの特長はどういったところですか?

牛膓おすすめポイントがたくさんあるのでひとつに絞るのは難しいのですが、まずは、さらしあんでしょうか。どうぞ、召し上がってみてください。

hyohyoan_07
牛腸さん

見た目から想像していた以上にあんがやわらかくて驚きました。ほろほろと舌の上で溶けていく食感と、まろやかで上品な甘さがなんともいえず、たまらなくおいしいです。

竹田ありがとうございます。おっしゃるとおり、「ひょうひょう満」のあんは、まるで絹のような舌ざわりが魅力なんです。

hyohyoan_08

このなめらかさは、一体どのようにつくられているのでしょう?

牛膓こちらは、こしあんを絞って粉状にした「さらしあん」を使っているんです。一度乾燥させたさらしあんだからこそ、口のなかでほろほろと溶ける絹のような舌ざわりが生まれるんですね。製造過程では、水も水飴も加えずに練り上げているため、あん本来のおいしさがより引き立ち、シンプルながらも奥深い上品な味わいに仕上がっています。小豆は北海道産のグレードの高いものを厳選しています。

赤坂柿山のおかきにちなんで焼皮にはしょうゆの香りをしのばせて

hyohyoan_09

あんのおいしさはもちろんなのですが、それを包んでいる皮も絶品ですね。ごまのこうばしさと甘じょっぱい味つけがさらしあんの上品な甘さと引き立てあって、おいしさが何倍にもふくらんでいるように感じます。

竹田こうばしく焼いた皮には、「赤坂柿山」のおかきにちなんで、ほんのりしょうゆをしのばせているんです。たっぷりつかった金胡麻とあいまって、上品なアクセントになっています。

この味は、おしょうゆだったのですね! 見た目はシンプルで素朴なおまんじゅうなのですが、ひとくちいただいてみると、あんも皮も未体験のおいしさで、かなり驚きました。

牛膓ありがとうございます。良い意味で見た目とのギャップを裏切る食感なので、スタッフ一同、「何はなくともまずはひとくち食べていただきたい!」という思いが強いんです。もちろん接客時はなるべく丁寧に説明をするように心がけていますし、店頭で試食もできますので、ぜひ気軽にお声がけいただけますとうれしいです。

こちら、おすすめの食べ方はありますか?

牛膓「ひょうひょう満」のお日持ちは二週間ほどなのですが、日が経つほどにあんと皮がなじみ、やわらかな食感から、もちもちとした食感へと少しずつ変化していきます。お好みもありますが、賞味期限ぎりぎりのころに食べると、よりしっとりとしてとてもおいしいんですよ。

hyohyoan_10
竹田さん

賞味期限ぎりぎりが食べごろの和菓子なんて、初めて聞きました! 買ったらすぐに食べたくなりますが、これは我慢する価値ありですね……。

牛膓そうなんです。もちろん、できたてのほうがごまやしょうゆの香りもより楽しめますし、皮のやわらかな感じもおいしいので、それはそれでおすすめです。ぜひ、いろんな時期のものを食べ比べてお楽しみいただけたらと思います。

和菓子のようで洋菓子のような、自由に楽しめる不思議なお菓子

hyohyoan_11
「ひょうひょう満」とおかきがはいった「飄々庵セット」は、「甘いお菓子としょっぱいお菓子を同時に食べられる」と大人気。「飄々庵セットI」20枚・5個入り 2430円。

「ひょうひょう満」は、「飄々と」というブランドコンセプトの通り、手間のかかった上品なおいしさなのに決して堅苦しくはなくて、カジュアルな雰囲気でほっとできるような、不思議な魅力のおまんじゅうですね。

牛膓ありがとうございます。「ひょうひょう満」は、材料に洋菓子の要素はないのですが、クリーミーなあんの食感からか、「洋菓子のような」という感想をいただくこともあります。「スイーツ」という言葉がこんなに似合うおまんじゅうは他にないかもしれません。紅茶やコーヒーとも、とても相性がいいんですよ。

確かに、若い世代にも好まれそうな、現代的な食感ですよね。でも決して奇抜ではなく、ほっとする味わいなのがまた魅力的で。

竹田「NEWoMan」という場所柄、「おじいちゃん、おばあちゃんへのお土産に」と「ひょうひょう満」を購入される若い方も多いですが、若い方自身のリピーターもどんどん増えていて、とてもうれしく思っています。粋な手土産としても、おうちで楽しむお菓子としてもおすすめでし、老若男女、すべての方に喜んでいただける和菓子ではないかと思っています。

「冷やしてどうぞ」といううたい文句も一緒に飾ってありますが、いろんな食べ方を提案されているのもユニークで楽しいですね。

牛膓夏場は特におすすめしているのですが、冷やして食べると、さらしあんが少しかたまって、ひんやり、しっとりとしたおいしさが楽しめます。ちなみにわたしは、「ひょうひょう満」の皮に少しだけ切れ目をいれて、電子レンジで30秒ほどあたためてから、冷たい牛乳と一緒に食べるのが最近のお気に入りです。ふんわり、ほかほかしておいしいんですよ!

hyohyoan_12

そんなアレンジがあるのですね! 商品への愛を感じます。

牛膓「ひょうひょう満」、本当に大好きなので(笑)。店長として自信を持って言えるのですが、「赤坂柿山」のおかきも、「飄々庵」の和菓子も、本当にどれもおいしいんですよ。日々の接客を通して、このすばらしさをひとりでも多くのお客さまにお伝えしたいといつも考えているんです。

■ 商品リスト

「ひょうひょう満」1個270円、5個入り1350円、10個入り2700円

■ 教えてくれた人

竹田みゆきさん
「株式会社赤坂柿山」営業部企画担当。個人的なお気に入りは、見た目も美しい「味和音」(6粒1300円)。

牛膓和恵さん
「株式会社赤坂柿山」自宅の冷蔵庫には常に「ひょうひょう満」がストックされているというほど、自社の和菓子をこよなく愛する「飄々庵」のベテラン売店長。

hyohyoan_13
牛膓和恵さん(左)、竹田みゆきさん(右)