こんにちは、えみ(@himawari_emi)です。
ここ数年、日本でもお店で買って食べたり、自分でつくったりと見かけることが多くなった「ガレット・デ・ロワ」。今回は、このフランス伝統菓子のレシピを紹介させていただきます。
でもその前に、ガレット・デ・ロワってなに?という方のために、少しだけ説明をしてから始めようと思います。
「ガレット(galette)」とは円いお菓子のこと、「ロワ(roi)」とは王様のこと。つまり「ガレット・デ・ロワ」は「王様のケーキ」という意味。フランスで1月6日の公現祭(東方の三博士がキリストの生誕を祝って訪問し、礼拝したといわれるキリスト教の祭日)のときに食べるお菓子です。
このケーキの中には〝フェーブ〟と呼ばれる小さな陶器を入れ、切り分けたときにそれを引き当てた人は幸せな1年を約束されると言われています。
次のお正月は、家族や親戚でそんな楽しいお菓子を食べてみてはいかがでしょうか?
【 材料 】 18cm×1台
・冷凍パイシート……2枚
(※今回使用したサイズは、205×205×厚さ10mm)
・無塩バター……58g
・粉糖……58g
(※良くなじむように粉糖を使用しますが、なければ上白糖・グラニュー糖でも構いません)
・アーモンドパウダー……58g
・卵……1個
(※卵の重さに合わせて全て同量1:1:1:1になるように調整します)
・ラム酒……小1
・バニラオイル……少々
・卵(ぬり卵用)……1個
【 下準備 】
・卵は室温に戻しておく
・オーブンを180度で予熱する
・バターを室温に出し指の跡が残るぐらいまでやわらかくしておく
【 カスタードクリームを使う場合 】
・卵黄……1個
・砂糖……20g
・薄力粉……12g
・牛乳……80g
・バニラオイル……少々
1)鍋に牛乳を入れ沸騰直前まで温めます
※沸騰直前の目安は、鍋肌にふつふつと小さな泡が立ち始めたら
2)ボウルに卵黄と砂糖を入れ白っぽくなるまでよく混ぜ、そこに(1)の牛乳を2回に分けて入れてさらに混ぜます
3)(1)で使った鍋に混ぜた(2)を戻し、弱火にかけます
だまになりやすいので、絶えず混ぜながら加熱し、とろみがついてきたら火を止め器に移し冷蔵庫で冷やしておきます。
【 1 – アーモンドクリームをつくる 】
1)大きめのボウルに、常温に戻しやわらかくしておいたバターを入れ、ハンドミキサーでクリーム状になるまで混ぜ、粉糖を加えふんわりとなるまで空気をしっかり含ませながら混ぜます
2)室温に戻しておいた卵をしっかり溶いて、(1)のボウルに3~4回に分けて加え、その都度しっかり混ぜます
このとき、バターと卵の温度・固さが違い過ぎると分離してしまう原因になりますので注意してください。
★ ポイント
バターの油分に、卵の水分を加えるので、ここでしっかりと混ぜなければ分離してしまいます。3~4回に分けるのは面倒でも、少しづつ『加える』『混ぜる』をくり返しながら、しっかり混ぜてください。
3)②のボウルにラム酒、バニラオイルを加えて混ぜ、そこへアーモンドパウダーをふるい入れます
★ ポイント
アーモンドパウダーは粒子が粗いので、少し粗めのざるを使用するようにしてください
4)ゴムベラに持ち替え、ツヤのあるクリームになるまで混ぜたら完成です!
☆ ここでひと手間
ガレット・デ・ロワに使うクリームには2種類あり、アーモンドクリーム単体と、アーモンドクリームにカスタードクリームを加えた〝クレーム・フランジパーヌ〟があります。カスタードクリームを加えることにより、まろやかな味と口当たりに仕上がり、しかもカロリーダウンになるのもうれしいポイント。
【 クレーム・フランジパーヌにする場合 】
アーモンドクリーム全量を計り、その1/3量をカスタードクリームに変えます。
アーモンドクリーム : カスタードクリーム = 2 : 1
5)出来上がったクリームは、絞り袋に入れておきます
【 2 – 組み立てる 】
1)使用する直前に冷凍庫から取り出したパイシートを18cmの丸形に切り抜きます
この作業は素早くやらなければパイシートがやわらかくなり扱いづらくなるので注意してください。セルクルを使用するのが便利ですが、なければケーキ型やボウルのような丸い道具をパイシートの上に置きナイフで切り抜くなどしてください。
2)パイ皿の上にクッキングシ-トを広げ、その上に丸く切り抜いたパイシートを1枚乗せ(もしなければ、平らな台の上にクッキングシートを広げて)そこにクリームを絞ります
このとき、端から2~2.5cmは生地を合わせる部分になるので絞らないように注意。絞り終わったらフェーブを好きな場所に押し沈めるように隠します。
★ ポイント
1段目を渦巻き状に絞ってもクリームが余ると思うので、残りのクリームは中心が高くなるように中央から2段目を絞りきる
3)②の余白部分に卵を塗り、もう1枚のパイシートをかぶせ親指の腹でしっかり押さえます
ここでパイシートがやわらかくなってしまったので冷蔵庫で10~15分ほど生地を冷やし休めます。こうすることで、次の工程の切込みを入れる作業がしやすくなります。
4)冷蔵庫から出したら綺麗な面が上になるように、シルパン(オーブン用シート)を敷いた作業台の上にひっくり返します
生地の縁をお好みの間隔で切込みをいれ、親指の腹でおもいっきりぎゅっと押さえ生地を閉じこみます。
5)刷毛で塗り卵を端までしっかり塗ってから、ナイフの先で中心から外側へ弧を描くように放射線状に模様を入れていきます
パイ生地を全て切ってしまうと焼き上がりが汚くなってしまうので、表面だけを切っていくのがコツです。模様を描き終わったら、てっぺんの中心部分と放射線状の上や端に竹串で空気穴をあけ180度に予熱しておいたオーブンで30分焼きます。
★ ポイント
仕上げの焼き色をしっかりつけたいときは、卵を2度塗ります。または、薄く卵を塗った後に表面に粉糖を振ります(粉糖を振ると焦げやすいので焼きっぱなしにしないように注意)
冷凍パイシートを使うとあっという間に完成するので、大勢で集まる機会が多いお正月。来年は手づくりのガレット・デ・ロワでの運試しで盛り上がってみませんか?