【秋田】秋田から全国へ美味しさを届ける。「御献上チーズケーキ」の魅力とは
CAKE.TOKYO編集部
雄大な山々や紺碧の日本海、緑が輝く白神山地などの美しい自然。年中、県内各地で見られる伝統的な祭り、そして四季折々に変化する景観や風物詩を楽しめる「秋田県」。
その「秋田県」のとある小さな洋菓子店には、地元秋田のみならず、全国のお客様を魅了しているチーズケーキがあるのだとか…。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
目次
“美の国 秋田”
JR秋田駅
“あきたこまち”や“きりたんぽ”、“稲庭うどん”など数々のおいしい名産品をもつ「秋田県」。
その中心都市でもある秋田市に、洋菓子店「御献上カスティーラ」があります。
白神山地で有名な“ブナの木”を彷彿させるデザインの店舗外観
JR秋田駅、東口から徒歩で15分ほど。閑静な住宅街を進んでいくと、大きな木が描かれた白い建物が見えてきました。
一目見ただけでは、洋菓子店とはわからない外観ですが、ひとり、ふたりと誘いこまれるようにお客様がお店に入っていく姿を見て、地域の人々からの認知度の高さがうかがえます。
「カスティーラ」だけど「チーズケーキ」
久保田城を近くに臨む
「御献上カスティーラ」そのなんともユーモラスな店名から、「カステラ」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?
“カスティーラ”とは、ポルトガル語で“お城”の複数形を意味し、城塞の多い地方を表す意味もあったことから、秋田の城下町である地からお店をスタートするにあたり「カスティーラ」、そして、自分の作ったお菓子を召し上がっていただく=献上するという企業理念から、「御献上カスティーラ」という名前がつけられました。
オーナー:佐々木 茂樹さん
その「御献上カスティーラ」のオーナー、佐々木茂樹さん。
秋田県内の洋菓子店舗で経験を積んだ後、3店舗目ではお店の立ち上げから携わることになりました。
3店舗目の経験が“自分のお店を持ちたい”という想いを芽生えさせ、1994年に「御献上カスティーラ」をオープン。現在は「東通り店」と「保戸野桜町店」の2店舗を構え、今年で30年目を迎えます。
その30年という長い歳月を支えた看板商品「御献上チーズケーキ」の開発秘話をお尋ねしました。
固定概念に捉われない、独自製法のチーズケーキ
ほとんどの工程を手作業で作っている
———
独自製法で作られているチーズケーキは、どうやって生まれたのですか?
佐々木さん
「他店で修行を積んでいた際に持ち帰りのケーキが崩れやすかったことから、持ち運びしやすくて日持ちのするケーキを開発したら、お客様に喜んでもらえるんじゃないかな?と思ったことがきっかけですね。そこから、いろいろと試行錯誤を繰り返して、いまのレシピに至るまで20回ほどレシピを改良しました。」
———
なるほど、お客様目線で考えたのがきっかけだったのですね。
チーズケーキにも色々と種類がありますが、「御献上チーズケーキ」を作るうえで、工夫している点を教えてください。
佐々木さん
「低温でじっくりと焼いて、焼きムラが出ないような工夫をしています。あとは、国産のクリームチーズ3種をブレンドしているのですが、季節やその日の天候によってチーズの硬さが全然違ってくるので、そこは職人の“勘”になってしまうのですが、感覚で調整をしています。」
オーブンも機械によって焼きあがり方が異なるので、注意しているそう
———
クリームチーズを3種類も混ぜているのですね、やはりそれぞれ別の種類を混ぜ合わせることで深みが増すからでしょうか?
佐々木さん
「1種類だけで作ることも挑戦したのですが、焼きあがった際にすごくひび割れが目立ってしまって。見た目が不格好だったんですよね。改善するにはどうしたらいいかな?という過程を経て、いまの3種類のクリームチーズをブレンドしたレシピが一番安定した形を保てることに気付きました。何事も”こうでなければいけない”という考えはしたくなくて、“これがダメなら、こうやってみたらいいんじゃないか?”と、考えながら作っていますね。」
普段から柔軟な視点と自分の直感をもとに商品を開発しているという、佐々木さん。顧客目線で開発した「御献上チーズケーキ」は、多くのお客様から“手土産にちょうどいい”と、反響を呼び、結果的に大ヒット商品となったのです。
秋田から全国へ!JAL国内線ファーストクラス機内食に。
開業から23年がたった頃、コツコツとチーズケーキを作り続けていた佐々木さんに、転機が訪れます。
さらに食べやすいサイズとして開発していた「御献上チーズケーキ」の”ひとくちタイプ”が、JAL担当者の目に止まったのです。
粉糖をまぶし、バーナーでひとつずつ炙っていく
———
JAL国内線の機内食に採用されたきっかけを教えてください。
佐々木さん
「仙台JALの方がチーズケーキを探している際に、地域でお世話になっている商工会議所の方が『御献上カスティーラ』を紹介してくださったんですよ。その担当の方に実際食べていただいて、「エントリーしませんか?」と、声をかけていただきました。そのあとは色々と審査を受けて、晴れて機内食デザートとして”ひとくちタイプ”のチーズケーキを採用していただきました。」
———
地域に根差していたからこそ、地域のひとからの繋がりがきっかけを呼んだのですね。
佐々木さん
「そうですね。機内食の採用以降、全国の方に召し上がっていただく機会もグンと増えまして。ありがたいことに、様々な百貨店のバイヤー様にもお声がけいただき、季節カタログの掲載だったり、催事出店などもしたり。今に至っていますね。」
機内食デザートに採用されたひとくちタイプ
ロングセラー商品「御献上チーズケーキ」を実食!
取材をしながら、ひとつひとつ丁寧に手仕事で作られていく「御献上チーズケーキ」。
自宅に持ち帰り、早速佐々木さんの”直感”が導いたチーズをいただいてみました。
御献上チーズケーキ ホール ¥2,592(税込)
ナイフを入れると、その濃厚さは刃からつたわるほど。密度の高さを感じられます。
濃厚なチーズを飽きさせないよう薄く忍ばせたスポンジと、スポンジとチーズのすき間にひっそりと敷かれたローストアーモンドが口のなかでパリッとはじけ、楽しい食感。
ミルキーで濃厚なチーズを堪能したところで、程よい酸味がきいたチェリーのジューシーな果肉感が口内に広がり、さっぱりとした口あたりに。天面のほどよく炙ったキャラメルの苦みとチェリーの酸味、すべてがチーズの甘みを引き立てる味わいです。
佐々木さんの次なるステップ
終始にこやかに取材を受けてくださった佐々木さん
商品開発においても、「”この時期だからこの商品を出す!”ということはしたくないんです。」と話す佐々木さん。
佐々木さんのアプローチは確かに斬新で、季節や固定概念にとらわれず、常に新しいアイデアを追求しています。佐々木さんの考えは、単に時期やトレンドに迎合するのではなく、お客様にとって本当に楽しい体験や驚きを提供することに重点を置いています。そのため、商品開発においても柔軟性を持ち、常に新しいアイデアを取り入れることで、「御献上カスティーラ」の魅力を高めているのです。
この姿勢が、佐々木さんならではのオリジナルチーズケーキを生み出す基盤となり、常に新鮮で斬新なアイデアが詰まったチーズケーキは、お客様にとって驚きや喜びをもたらし、店舗の人気を支えているのでしょう。
SHOP INFORMATION
SHOP | 御献上カスティーラ 東通店 |
---|---|
WEBSITE | https://www.gokenjo.jp |
ADDRESS | 秋田県秋田市東通5-1-32 |
TEL | 018-836-4553 |
OPEN | 10:30〜19:00 |
CLOSE | 火曜日、水曜日 |
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