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【横浜・弘明寺】横浜から新たなコーヒー文化を発信「PEACH COFFEE」

UPDATE:

フードイラストレーター

まるやまひとみ

大岡川を間に挟む「弘明寺かんのん通り商店街」。
横浜市営地下鉄の弘明寺駅から観音橋を渡ったところに、どんぶらこと川から流れ着いたかのような桃のロゴが目に入る。
2024年8月17日にオープンした「PEACH COFFEE(ピーチコーヒー)」の店主は、2019年に横浜で初開催となった「YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL」の代表も務め、横浜のコーヒーカルチャーを熱く後押しする。
弘明寺という新たな拠点から、横浜のコーヒー文化に新風を巻き起こす。

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

目次

暮らしの中でふとした瞬間に立ち寄れる場所

塗りたての真っ白な壁にキュートなピンクの看板。

店名の由来は店のテーマである「まるでフルーツのようなコーヒー」と、店主の苗字にかけたもの。
この場所はもともと「アキナイガーデン」というシェア店舗で、「PEACH COFFEE」は月に一度ここでポップアップ出店を行なっていた。
2024年5月にシェア店舗が終了することを受け、実店舗として「PEACH COFFEE」をつくることを決意。
店主はクラウドファンディングに挑戦し、商店街に根付く街のコーヒースタンドをオープンさせた。

ナチュラルな木の風合いに黒のコーヒー器具がシック。

プロジェクトメンバーの一人でスイーツ担当のスタッフが弘明寺の出身であることや、店主自身も横浜育ちであることから、この街に親しみを感じているという。
横浜市最古とされるお寺・弘明寺観音につながる「弘明寺かんのん通り商店街」は住宅地に密接しており、馴染みの人たちがおしゃべりを楽しみながら買い物に訪れる。
人の温かみが感じられるこの通り。
少し休憩に、とテイクアウトから気軽に訪れてほしいと話す。

桃色で揃えたカップも店に馴染んでいる。

フルーツを選ぶ感覚で旬を味わうコーヒー

不定期に入れ替わるシングルオリジンのコーヒー豆。

コーヒー豆は、世界各地のスペシャルティコーヒーを「まるでフルーツのようなコーヒー」というコンセプトに基づいて選定。
全国のロースターと提携して旬のコーヒーをセレクトしている。
「YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL」を通じて知り合ったロースターとの縁も大切にしながら、お客さんひとりひとりの好みに合わせたバラエティ豊かなメニューでコーヒーを提供。
一杯ずつ丁寧に抽出するハンドドリップに、エスプレッソを使用したアレンジコーヒー、コーヒー以外のドリンクも素材や提供方法にこだわり、充実したメニューだ。
高校時代からすでにコーヒー業界に身を置いていたため、時流に敏感で、行動力と実行力に優れている店主。
鋭い着眼点はもちろん、磨かれた感性による味わいの表現がとても美しく、コーヒーの新しい楽しみ方に出会わせてくれる。

レジ横にはボリューム感のある手作りの焼き菓子が。

軽やかなコーヒーに合わせて選びたい、フルーツやチョコを使ったスイーツメニューも。
コーヒーを通し出会った仲間だからこそ、お互いの求めるものがよくわかる。
最高のペアリング体験ができるよう、試作を重ね、様々な意見を取り入れながら形にするという。
しかし、秋を忘れる夏のような暑さとなったこの日は、外に立てられたソフトクリームのオブジェに心を動かされた。
実はもうひとつ、ここでしか味わえない特別なスイーツがあるのだ。

コーヒーが生み出す新感覚のフレーバーソフトクリーム(イラストあり)

illustration by まるやまひとみ

今回いただいたのは

●コーヒーやさんのソフトクリーム ¥550(税込)
●ハンドドリップ ¥600(税込)

ソフトクリームの原料にエスプレッソマシンで抽出したスペシャルティコーヒーを合わせたオリジナル。
コーヒー味というと苦味の効いたものを想像するが、このソフトクリームはフルーティさを感じさせる爽やかな味わい。
コーヒーの個性が見事に表現されている。

コーンはカップも選べる。仕上げにふられたエスプレッソの粉がさらに風味を高める。

エスプレッソは豆の仕入れによって変わるため、それによりソフトクリームの味も変化するのが面白い。
あとからエスプレッソをかけるアフォガートと異なり、ソフトクリームのコクとコーヒーの豊かさが一体となっているので、どこから食べても常に華やかな香りが追いかけてくる。
ミルク感もしっかりとしている一方で、カフェオレとも違う、口の中に広がってくるフルーツ感が不思議で食べていてとても楽しい。
豆にこだわるコーヒー屋ならではの他にはないソフトクリームであり、「PEACH COFFEE」を象徴するスイーツとも言えるだろう。

カップのぽってりとしたフォルムが気持ちをほっとさせる。

“まるで和梨のようなコーヒー”と表現されたブルンジのコーヒー。
明瞭な風味と持続する甘さ。
口に含んだ瞬間に、和梨をかじった時のようなジューシーさが際立つ。
コーヒーが元々果実であることを実感させてくれる。

自分でカップに注ぐと、よりコーヒーの色合いや立ち上る香りの良さを堪能できる。

コーヒーの透明度が高く、冷めるほどにより果実みを増す酸味が心地良い。
ブレのないコンセプトでソフトクリームとコーヒーのバランスが取れているので、ペアリングも抜群。

プレオープンの際にいただいたバナナケーキ。

コーヒーに寄り添う焼き菓子は、素材の自然な甘さを引き出すことでシンプルでも奥深い味わいになるよう仕上げている。
別の日にいただいたバナナケーキは、熟したバナナの甘みと香りがすみずみまで行き渡り、中はしっとり食感。
店内でいただくとトーストしてくれ、外側の香ばしさがコーヒーを進ませる。
焼き菓子のラインナップもその日によって変わるので、焼き菓子に合わせてコーヒーのフレーバーを選ぶのもおすすめだ。

コーヒーを通じて人々とつながり、つながった人々と作ってゆく

オープン前、ロゴを外壁にライブペイントしていた。

コーヒーは日常の一部。
商店街という特性を活かし、地域コミュニティの場として街の情報と暮らす人が自然と集まるコーヒースタンドを目指しているという。
弘明寺の活性化に貢献するとともに、横浜にスペシャルティコーヒーの魅力をどんどん発信していきたいと話す。
これからも大小問わずイベントの出店を行うとのことで、まだまだ勢いが止まらない。

直近では、2024年11月2日と3日にみなとみらい・象の鼻パークで「YOKOHAMA COFFEE MARCHE」を開催。
横浜、東京、香川から選りすぐりのスペシャルティコーヒーショップが一堂に会し、コーヒーで横浜を盛り上げる。
コーヒー好きはもちろん、まだ味わったことのないコーヒーやロースターと出会えるチャンスだ。
こちらもぜひ訪れてほしい。

大岡川は桜の名所としても有名。
弘明寺から川沿いを歩く時のおともに「PEACH COFFEE」のコーヒーとスイーツが欠かせなくなりそう。

お菓子とコーヒーをテイクアウトして大岡川の景色を眺めながら散歩してみては。

SHOP INFORMATION

SHOP PEACH COFFEE
WEBSITE https://peachcoffee.studio.site
ADDRESS 神奈川県横浜市南区弘明寺町144-1 水谷マンション105
TEL 045-900-0177
OPEN 11:00〜20:00(※日、祝は17:00まで)
CLOSE 月曜日(※祝日は営業、振替休日あり)

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