【横浜・元町】日常の延長線上にある安心感「LILY(リリイ)」
フードイラストレーター
まるやまひとみ
朝、人がまばらでお店も開いていない、静まり返った元町を歩くのが好きだ。
ゆるやかに目覚めていく街の中で、早い時間から灯りがともる個人店は多くない。
買い出しを済ませた散歩の途中、ぽつりと見えた灯りに目が止まる。
元町ショッピングストリートから汐汲坂へと繋がる道の途中、2025年10月にオープンしたカフェ「LILY(リリイ)」。
街に溶け込む清楚な雰囲気に吸い寄せられ、ドアハンドルに手をかけた。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
朝の風景に似合う自然体なカフェ
窓のデザインが葉っぱみたい!
ナチュラルテイストの外観に控えめな「LILY」の文字。
高級なイメージを持たれがちな横浜・元町だが、こうした気取らない佇まいこそ元町らしいと私は思う。
店主もまた、この港町らしい開けた雰囲気と石畳の街並みに惹かれたのだとか。
白壁にグレーの椅子、金縁のテーブルが上品な印象を与える。
店内は壁際に並んだテーブル席のみと小さいながら、統一された色味と空間の使い方により広く感じさせる。
壁に飾られた写真は、30年来の友人である写真家の作品。季節に合わせて入れ替えを行う。
シアトル近郊やニュージーランドでの滞在経験から長年コーヒーに関心があったという店主。
早朝、まだ外が暗いうちから開店するコーヒースタンドで、多くの常連客がコーヒーやお菓子をテイクアウトしていく姿がとても印象的だったそう。
人々の営みとともに昇っていく太陽。心に残る情景。
自分の暮らす街にこんなカフェがあったら…
朝からふらっと立ち寄れるよう、「LILY」は朝8時30分オープンと元町ではやや早めの開店時間に。
小さな夢が、すべての始まり
手作りのお菓子が朝から順次焼き上がる
店頭にはガラスドームやショーケースに並ぶたくさんのお菓子。
長年通っていた教室でお菓子作りを学び、尊敬する講師の想いも含めて大切にレシピを受け継いでいる。
そしてそこには店主自身が込める「季節感」と「素朴さ」も。手作りだからこそのやさしい味わいや素材本来の温かみ。
派手さはなくとも、スタッフの幅広い世代から得られる感性と旬の食材が作り出す多様なお菓子は、選ぶ時間にささやかな高揚感を添えてくれる。
さらに注目すべきはコーヒーだ。
会話を楽しみながらも、カップの表面にさらさらとアートを描く。
以前住んでいたエリアにあった「iki ESPRESSO(イキ エスプレッソ)」に憧れを抱き、「いつかコンサルをお願いできたら」と心の中で思い続けていたという。
海外では、当たり前のように個人経営のカフェが街の暮らしに溶け込んでいて、その風景を日本でも体現している存在として深く感銘を受けたそう。
自分がカフェを開くなら、そんなカフェにしたい。夢は次第に色づき始め、開業を決めた際に「iki ESPRESSO」へコンサルを依頼。
エスプレッソを軸にしたメニュー構成はもちろん、使用する豆も「iki ESPRESSO」から。店主が思い描いてきた何枚もの絵が一枚に繋がり、ここに形となって現れた。
それが紙飛行機となり、私の心に届いたのかもしれない。求めていた朝のひとコマが、ここにある。
嬉しさに高鳴る気持ちを抑え、自然光がやわらかく差し込む窓際で落ち着こう。
季節を映し出す旬の焼き菓子(イラストあり)
illustration by まるやまひとみ
今回いただいたのは
●りんごのキャラメルケーキ ¥650(税込)
●フラットホワイト) ¥660(税込)
オーツミルクに変更 +¥150
この日選んだのは、家族や友人から送ってもらっているという長野県産のサンフジりんごを使った季節のケーキ。
ペアリングには、フラットホワイトをオーツミルクに変更。提供しているお店が少ないだけに、フラットホワイトが飲めるカフェはとても貴重だ。
ぐぐっと伸びた鼻先がキュート。
きめ細かくほろりとした生地を縁取るように、しっかり焼き込まれた表面のコントラストが美しい。
大きくカットされたりんごはシャキシャキと音を立て、キャラメルはとろりとミルキーでやわらかなテクスチャー。
素朴な生地をしっとりとした口当たりへと変化させ、やさしい甘さと香ばしい焼き目が混ざり合っていく。
キメが粗くなり難易度が上がるオーツミルクでのラテアートも美しさそのまま。
フラットホワイトは、まろやかなオーツミルクにエスプレッソのビターな風味がしっかりと乗っている。
穀物の甘香ばしさがキャラメルと相性抜群で、口の中に生まれるとろけるような味わいと後味が心地いい。
ケーキの淡くひかえめな甘味がコーヒーを引き立たせ、どちらも突出しすぎない存在感と融和。
食器の風合いとあいまって、心が穏やかになっていく。
特別じゃなくていい。いつもの一杯こそ特別。
窓際にちょこんとかわいらしいお客さん。道行く人が気になる様子。
脇道に逸れただけで、日々の喧騒から抜け出したように時の流れがゆるやかになる。
空と海が繋がる風景を見た時に似た透き通るような気持ち。真冬の澄んだ空気は一層静けさを感じさせる。
淹れたてのコーヒーがかじかむ手を温める。
元町の朝が目覚めてきたら、テイクアウトをしてウィンドウショッピングをするのも楽しい。
「iki ESPRESSO」のブレンドが味わえるハンドドリップコーヒーもおすすめだ。酸味は控えめだけど飲み口はすっきり。コクも感じられるマイルドな一杯。
ブラックでも飲みやすく、どんなシーンにもぴったりの味わい。
あなたもちょっと早起きをして、いつもと違う元町の風景を眺めてみてはいかが?
SHOP INFORMATION
| SHOP | LILY(リリイ) |
|---|---|
| https://www.instagram.com/lily_coffee_motomachi/ | |
| ADDRESS | 神奈川県横浜市中区元町4-163 |
| OPEN | 8:30〜18:00 |
| CLOSE | 日、月曜日 |
人気の記事
-
【福岡発】極上クリームパイの専門店「onomatopée(オノマトペ)」が渋谷MIYASHITA PARKに期間限定オープン!
CAKE.TOKYO編集部
-
【横浜・みなとみらい】限定新作メニューを紹介!「I’m donut?(アイムドーナツ?)横浜臨港パーク」「dacō(ダコー)横浜臨港パーク」横浜ティンバーワーフに同時オープン!
CAKE.TOKYO編集部
-
【東京・押上】「Mr.Bakeman(ミスターベイクマン)」で出会う、焼き菓子とコーヒーのやさしい時間
スイーツとパンをこよなく愛するフォトグラファー
manami
-
【東京・表参道】“アマムダコタン”から新カフェブランド誕生。「AMAM DACOTAN cafe&bake(アマムダコタン カフェ&ベイク)」でしか味わえない、新しい“ベイク体験”
CAKE.TOKYO編集部
-
【2025年】駅ナカで手に入る!JR品川駅でおすすめのお土産5選!話題のスイーツをチェック
CAKE.TOKYO編集部
おすすめ記事



