【シナモンロールに導かれ/新宿】フィンランドの老舗ベーカリーカフェが日本上陸!「Ekberg(エクベリ)」
フードイラストレーター
まるやまひとみ
シナモンロールが好きだ。
吸い込まれそうな渦巻き、半分に割った時の縞模様。
アーティスティックな姿に何度陶酔したことだろう。
溶けてしまいそうな甘さと芳香に満たされ、私の奥底に眠るシナモンロールの記憶を呼び起こす。
もっとシナモンロールのことが知りたい。シナモンロールに会いたい。
シナモンロールは私をあちらこちらに連れ出し、縁を繋いでくれる。
さあ、今日も今日とてシナモンロールを求め西へ東へ…
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フィンランド最古の歴史を誇るベーカリーカフェ「Ekberg(エクベリ)」が、2026年7月15日(水)、伊勢丹新宿店本館地下1階にオープンした。
店頭には、伝統的なシナモンロール「コルヴァプースティ」をはじめとするコーヒータイムに欠かせないメニューが並ぶ。
伝統を守りつつ進化を追い求める「エクベリ」の新たな挑戦と、本場の味を日本に届けたいという長年の情熱が、ついにかたちとなった。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
目次
ヘルシンキから日本へ。多くの人が待ち望んだ海外初の常設店
店舗は伊勢丹新宿店地下1階(洋菓子コーナー)にある
“フィンランド最古のベーカリーカフェ”として、現地ではもちろん多くの旅行者からも愛される「エクベリ」。
創業者のフレデリック・エクベリが時計職人から転身して製パン技術を学び、ヘルシンキのクルーヌンハカ地区に最初のベーカリーを開業したのが始まりだ。
(左から)マーティン・チャクジックさん、ニーナ・エクベリ=チャクジックさん、サイラ・ヴオリさん
海外初の常設店となる伊勢丹新宿店では、「コルヴァプースティ(シナモンロール)」に加え、オープンを記念してヘルシンキの本店と同時発売される新商品「ムスティッカ・コルヴァプースティ(ブルーベリーのシナモンロール)」など、本場の伝統的なパンや焼き菓子が販売される。
この日は、オープンに伴い来日されていたエクベリ創業家5代目のニーナ・エクベリ=チャクジックさん、マーティン・チャクジックさん、オペレーションディレクターのサイラ・ヴオリさんを迎え、囲み取材が行われた。
一人ひとりの記者に笑顔で挨拶し、丁寧に握手を交わすマーティン・チャクジックさん。終始和やかな雰囲気の中、「エクベリ」の日本上陸に込められた想いについてお話を伺った。
文化を築き、受け継いだ味を日本へ
ショーケースには「エクベリ」の外観や歴史を感じる写真も。
日本への想いを長年抱き続けていたニーナさんとマーティンさん。
40年ほど前、ニーナさんのご両親が日本に訪れ、そのホスピテリティや文化に感銘を受けたことが始まりだった。
マーティンさん自身も幼い頃に日本人の友人と交流があり、当時から日本に憧れを抱いていたという。
また、フィンランドの「エクベリ」に訪れる人たちから日本への出店を望む声が多く寄せられていたことも、日本進出を後押しした。
2019年に、東京で催事出店した際も大きな反響を呼び、コロナ禍など紆余曲折ありつつもようやく日本への上陸を果たしたかたちだ。
厨房から届いた焼きたての「コルヴァプースティ」
日本は、厨房設備や気温、湿度などフィンランドとは環境が大きく異なる。現地と同じレシピで作ったからといって、決して同じようには仕上がらない。
「一歩進んだら二歩下がる、できると思ったら、また壁にぶつかる」
そうした試行錯誤の連続だったと、マーティンさんは振り返る。
フィンランドの伝統的な食文化を伝えたいという一心で、現地のパン職人も来日し、食材や製法にこだわりながら、納得のいく味を目指して試作を重ねてきた。
日本常設店オープンから発売となった新メニュー「ムスティッカ・コルヴァプースティ」
オープン初日、「エクベリ」に期待を寄せる人々が列をなし、午前中には売り切れる商品も出るなど、その注目度の高さがうかがえた。
私も取材後に列に並び、無事に購入。
念願だった「エクベリ」のシナモンロールを手に、弾むような足取りで帰路につく。
自宅でコーヒーを淹れている間も豊かなシナモンの香りが部屋中に漂い、私をフィンランドへと誘う。
これぞフィンランドの味!本物のコルヴァプースティ(イラストあり)
illustration by まるやまひとみ
コーヒー文化が根付くフィンランドでは、菓子パンはコーヒーのおともに欠かせない存在だ。
たっぷりとトッピングされたニブシュガー(北欧では一般的な粒状の白砂糖)や、粗挽きのカルダモンから、本場のクオリティであることが伝わってくる。
コルヴァプースティ
「コルヴァプースティ」 ¥540(税込)
フィンランド語で「つぶれた耳」を意味するシナモンロール「コルヴァプースティ」。
生地の中央を指で押し付けて成形される独特の形は、縦長にぐんと伸び、くるりと巻かれた大きな耳が愛くるしい。
私の手のひらと同サイズ!
この大きなサイズ感にも「本物を届けたい」というこだわりが感じられる。手に取るとずっしり重みがあるが、生地はふかふかで素朴な焼き上がり。
歯がしずむようなむっちりとした食感とともに、贅沢なスパイスの香りとまろやかな甘みがくちいっぱいに広がる。
今にも羽ばたきそうな美しい断面
「エクベリ」の「コルヴァプースティ」のおいしさを象徴するのはそれだけではない。断面がとてつもなく美しいのだ。
パンのふくらみ、濃厚なフィリング、そして正確な成形がが生み出す美しい巻き目は、まるで蝶の羽のようにも見えてくる。シナモンロール好きにはたまらないポイントだ。
続いて、新商品のブルーベリー入りシナモンロールを。
ムスティッカ・コルヴァプースティ
「ムスティッカ・コルヴァプースティ」 ¥594(税込)
「ムスティッカ」とは、北欧に自生するブルーベリーの一種「ビルベリー」のこと。
これを贅沢なジャムに仕立て、コルヴァプースティの生地に巻き込んでいる。
あふれんばかりのジャムは果実のおいしさが凝縮され、甘酸っぱく濃厚な味わい。カルダモンの清涼感と見事に調和し、華やかな味わいだ。
「ムスティッカ・コルヴァプースティ」は、紅茶とあわせて楽しむのもいいだろう。
続いては、フィンランドでコーヒーのおともとして日常的に親しまれている甘いパン「ヴォイ・シルマ・プッラ」をご紹介したい。
ヴォイ・シルマ・プッラ
「ヴォイ・シルマ・プッラ」 ¥486(税込)
「ヴォイ・シルマ・プッラ」は、溶け出したたっぷりのバターを受け止めるため、バーガーボックスに入れて提供されるのもおもしろい。
フィンランド語で「ヴォイ」はバター、「シルマ」は目、「プッラ」は菓子パンを意味し、直訳すると「バターの目玉パン」。
カルダモン香る生地の中央に砂糖とバターを入れて焼き上げており、日本のシュガーバターパンにも通ずる親しみやすさがある。
きめ細やかな生地にバターがじんわりと染みていく…
ニブシュガーの甘さに、バターのコクと塩気が重なり、カルダモンの清涼感がふんわりと顔を出す。
そこにコーヒーのほろ苦さが加わることで、パンの風味が何倍にも豊かに感じられるのだ。
人も自然もおおらかな北欧の地で生まれたパンは、味わいもまたおおらかで優しい。
パンやお菓子に込められたストーリーや文化がしっかりと感じられるのも「エクベリ」の醍醐味だ。
これから少しずつ商品を増やしていきたいという同店。今後の展開にも期待が膨らむ。
歴史への敬意と伝統を重んじる心
愛おしそうに「コルヴァプースティ」を支える3人の手
夢の実現に向け踏み出した一歩と、試行錯誤を繰り返しながら進む真摯な姿勢。
自分たちらしさを守りながら、新しい挑戦を続ける姿には強く胸を打たれる。
「エクベリを通して、日本の皆さんにフィンランドの食文化を伝えられることを誇りに思う」と語るサイラさんの笑顔が印象的だった。
「エクベリ」の長い歴史に日本の名が加わったこの出店は、両国の文化をつなぐ架け橋となることだろう。
そして私のように、「エクベリ」との出会いが北欧への憧れを深めるきっかけになるかもしれない。
SHOP INFORMATION
| ショップ | Ekberg(エクベリ)伊勢丹新宿店 |
|---|---|
| 公式HP | https://ekberg.jp/jp |
| 住所 | 伊勢丹新宿店 本館地下1階 カフェ エ シュクレ |
| 電話番号 | 03-3352-1111(大代表) |
| 営業時間 | 10:00〜20:00 |
| 定休日 | 不定休(伊勢丹新宿店の営業時間に準ずる) |
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