【ショートケーキの日】大人も子どもも顔がほころぶやさしいケーキ。「パティスリーピオン」
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フードイラストレーター
まるやまひとみ
カレンダーを見ると22日の上に15日(苺)が乗っていることから、毎月22日はショートケーキの日に制定されました。
白いクリームに黄色いスポンジ。そして真っ赤な苺。
いつの時代も変わらず私たちに幸せをもたらしてくれる日本のショートケーキ。
あなたにおすすめしたい、横浜の素敵なショートケーキをご紹介します。
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ギリシャのような街並みがおしゃれな大倉山エルム通り商店街。
1988年に街を整備し、ギリシャのアテネと姉妹都市提携を結んだ。
「パティスリーピオン」がこの地に誕生したのも同じ1988年。
実力派の飲食店も増え変わりつつある大倉山で、老舗のパティスリーとして地元の人たちから厚く信頼されている。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
目次
シェフのほほえみとお客さんの笑顔が重なり合う
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大倉山エルム通り商店街から路地に入り住宅街の方へ。
店先には、その日誕生日を迎えるお客さまの名前がいっぱいに書かれたボード。
ホールケーキの注文が毎日のように入り、開店から続々とお客さんが訪れ、あれもこれもとケーキを選んでいく。
シェフと笑い合うお客さんの声が小さな店内に降りそそぐ。家族やお友達に。誰かとの大切な時間に欠かせない存在だ。
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陽がよく入り、反射した光がお菓子を一層輝かせる。
日持ちのする焼き菓子にボンボンショコラ、季節を盛り上げるお菓子。
この日はバレンタイン前とあって、豪華なチョコレートもたくさん並んでいた。
店名の「ピオン」はチェスの駒を意味するフランス語「pion」に由来。
「一歩ずつ前に進む」という思いが込められており、シェフの実直な姿勢が感じられる。
シェフの父は、かつて戸越銀座で「ピオン洋菓子店」を営んでいた名パティシエ。
ドイツ菓子の巨匠、ポール・ゴッツェ氏とともに洋菓子の研究や技術を広めるなど、日本における洋菓子文化の発展に注力した。
そんな父から受け継いだ菓子作りの技術、楽しさ、そして真っ直ぐ進んで行く意志。そのすべてを胸に、シェフは自身の店にも「ピオン」の名を掲げている。
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ストーリーを感じる繊細な作りが特別感を増幅させる。
旬の果物は、各地の農家から厳選して仕入れ、地元の食材も積極的に取り入れ、季節感を大切にしている。
昔から親しんでくれているお客さまに変わらぬおいしさを届けたい。そして、訪れるたびに楽しい気持ちになってもらえるように。
その想いのもと、よりおいしくなるための手間は惜しまない。
長年愛されるショートケーキも、数年前にリニューアルを遂げた渾身のケーキ。
定番でありながら、シェフのアイデアが光るオリジナルショートケーキがこちら。
三層が織り成すいちごのハーモニー(イラストあり)
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illustration by まるやまひとみ
今回いただいたのは
●フレーズフレーズ ¥650(税込)
てっぺんのとちおとめがこちらを見つめているようなキュートな姿。
ふわふわのスポンジと苺の甘酸っぱさがたまらない、ひと口で心を解きほぐしてくれるショートケーキだ。
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とちおとめをたっぷり使った昔ながらの味わい。
土台は、しっかりと焼きあげたジェノワーズ。
間には自家製のいちごコンフィチュールといちごのクリームをサンドし、果肉とはまた違う濃厚な甘酸っぱさが加わる。
いちごと生地が絶妙なバランスで構成され、生クリームは軽やか。
甘すぎず、ふわっとしていて食べやすい。
三層によるなめらかな口溶けがいちごの風味を引き立たせ、ほとばしる果汁がミルキーな生クリームと豊かに交わる。
口の中いっぱいに満たされるショートケーキの香り。
思わずうっとりとしてまどろんでしまう。
シンプルなクッキーから個性的なお菓子まで。
すみずみまで並ぶ種類豊富な焼き菓子。
焼き菓子はフランス菓子だけでなく、ドイツやスペインなどヨーロッパの伝統菓子がずらり。バラエティ豊かに揃い、ギフトとしても人気。
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中でも注目は、シェフの師であるポール・ゴッツェ氏直伝の「エンガディーナ」。
さくっと軽い生地に、キャラメリゼされたくるみがぎっしりと。
香ばしさのあとにふわっと香るオレンジがアクセントに。
コーヒーのおともに最適な食べ応え抜群のお菓子だ。
シェフオリジナルの焼き菓子もおすすめ。
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商店街の名前がついたお菓子は手土産にぴったり。
大倉山の名物になるものをと考案した「大倉山 エルム通りの贈り物」は、大倉山公園にある大倉山記念館がデザインされたパッケージが目を引く。
いちじくやショコラなど種類があるのでギフト用に箱詰めしても喜ばれる。
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エルム通りの贈り物・プラム
卵感たっぷりのアーモンド生地。
マドレーヌのような素朴な風味の中から大粒のプラムが現れ、すっと香る洋酒がとてもおしゃれ。
こちらはぜひ紅茶と合わせてじっくり味わいたい。
自然や季節をかたどったパティスリーピオンならではのお菓子
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写真右が「大倉山」、左が「オランジュ・ノワール」。
大倉山には梅の名所としても有名な大倉山公園がある。
「大倉山」と名のついたケーキは、トップのチョコレートで大倉山に咲く花を表現し、濃厚な口当たりが自然の深さを感じさせるスペシャリテ。
下層のピスタチオクリームは草木を思わせ、ココナッツのザクザク感が地面を歩いているような気分にさせる。
「オランジュ・ノワール」は、愛媛県の農家から届く柑橘を使用した季節限定ケーキ。チョコレートムースのコクとヘーゼルナッツの芳ばしさにオレンジの明るい風味を重ねた贅沢な一品。
バレンタインに販売されるオランジェットなどにも使われており毎年人気だ。
「作ることがとにかく楽しい、ワクワクする」と話すシェフの純粋さと探究心によって生み出されるお菓子たち。
くりかえし食べたくなるおいしさと安心感、見た目の楽しさが年齢を問わず惹きつける「パティスリーピオン」の魅力。
街と店と人が寄り添い合うあたたかな雰囲気がここには流れている。
毎月22日はショートケーキの日。
あなたもぜひ、ショートケーキを買いに行ってみては。
SHOP INFORMATION
SHOP | PATISSERIE Pion(パティスリーピオン) |
---|---|
WEBSITE | https://www.pion1989.com |
ADDRESS | 神奈川県横浜市港北区大倉山3-2-2 |
TEL | 045-544-8708 |
OPEN | 【月~土】10:30~19:30 【日・祝】10:30~19:00 |
CLOSE | 火曜日 ※繁忙期、祝日、イベント時は変動あり |
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