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【クレープの日】ここはまるで小さな桟橋「リトルセーマン」

UPDATE:

フードイラストレーター

まるやまひとみ

クレープは、子どもの頃から特別なおやつ。頑張ったときのご褒美、母の買い物を待つ間、ちょっと遠出をしたときに…。
あなたにとって、クレープの思い出はどんなものですか?
毎月9のつく日は「クレープの日」。より身近なおやつにしたいと制定されました。
童心にかえる、横浜の個性豊かなクレープをご紹介します。
——————————————————

横浜駅東口バスターミナルに繋がるスカイビルの地下1階。
通勤・通学の人たちや、遠方から訪れた旅行客が行き交う広い通路に「リトルセーマン」はある。
横浜の老舗果物屋「水信」が運営するカフェとして2003年にオープン。
横浜市民からの信頼も厚い高鮮度・高品質の厳選されたフルーツとサービスで高級な印象がある「水信」だが、「リトルセーマン」は手頃な価格で極上フルーツを楽しめる知る人ぞ知る穴場カフェ。

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。

目次

秘密にしておきたいとっておきの場所

人通りは一定程度あるものの、通路を活かした広い空間が窮屈さを感じさせない。

道すがらひと際目を引くソフトクリーム。
疲れた時に出会えばつい立ち寄りたくなるオブジェだ。
人目につく場所でありながら混みすぎない、穴場スポットとして地元に愛されている。
開店前には、スタッフがテーブルや椅子を並べ、何もなかった道にカフェスペースが生まれる。
徐々にクレープの焼き上がる匂いが漂い始め、甘い香りに誘われ注文カウンターへ。

通路に並んだテーブル席がオープンテラスのよう。

まだ百貨店などが開いていない朝9時の開店とあり、仕事前や夜行バス帰りのモーニングとして利用する人も多いという。
クレープ、パフェ、フレッシュジュースなど、どれも果物屋が手がける店ならではの鮮度抜群のフルーツが主役。
食事系も人気が高く、とくにツナサラダはクレープの中でも上位。
シャキッと張りのあるレタスも「水信」が仕入れたものだ。

オープン当初から変わらない定番クレープたち。

「水信」はバナナの加工卸問屋として大正4年に創業。
国際貿易港としてバナナの主要入港地にもなっていた横浜で台湾から輸入した青バナナを自社で熟成加工し卸売をしていたのがはじまり。
神奈川県内の青果店だけでなく、横浜市内ではフルーツパーラーなどのカフェ、飲食店も展開。
「リトルセーマン」は各地から届くフルーツの中からあえて産地を定めないことで、高い品質はそのままに価格を抑え、より気軽にフルーツを楽しんでもらえる店となっている。
創業以来「水信」が誇るこだわりのバナナをはじめとした自慢のフルーツを、クレープという形で豪快に頬張れるプチ贅沢を体験できる。

これぞ王道!クレープと言ったらの黄金トリオ(イラストあり)

illustration by まるやまひとみ

今回いただいたのは
●バナナチョコレート ¥560(税込)

巻き終わりの先まで届く大きめカットのバナナと、それをやさしく包み込むたっぷりの生クリーム。
そこにチョコレートソースが加わった、いつ食べてもおいしい定番の組み合わせ。

手で持ってかぶりつく至福の瞬間。

ひらひらとした薄手のクレープは、焼き色のない淡い黄色。
「リトルセーマン」のクレープは焼き置きをしているので、しっとりもちもち食感が売り。
クリームもだれることなく、鮮度の高いフルーツもハリツヤの良い状態で保たれる。
重なり合った生地はもっちり感が増して食べ応え抜群。
たっぷりのクリームから顔をのぞかせるバナナはほどよい硬さで噛むほどにねっとりとしてくる。
バナナの爽やかさにとろりと濃厚なチョコレート、生クリームの甘さが作り出すハーモニーがなんともたまらない。
食感、香り、口の中に広がる一体感をじっくり堪能したいのに、なぜか夢中で食べてしまい、気づけば最後のひと口になっている。

果物屋ならではのフレッシュジュースもイチオシ。

新鮮なフルーツを使ったドリンクメニューもぜひ味わってほしい。
中でも「オレンジジュース」は生のオレンジを搾っているため果肉の粒が残っており、自然な甘みが染み渡る。
栄養満点のドリンクはテイクアウトしてバスの待ち時間に飲むのにもおすすめだ。

フレッシュフルーツで気持ちもフレッシュに

そそられる食品サンプル。本物もそのまんま。

いちご、さくらんぼ、メロン、マンゴー、ぶどうに栗…
季節ごとのみずみずしさをこれでもかと詰め込んだメニューが出る登場すたび、心が弾む。
「リトルセーマン」では、「水信」の上質なフルーツや野菜を堪能できるだけでなく、コーヒーは横浜の老舗ロースター「三本珈琲」のものを使用。地元の味と繋がりを大切にしたラインナップも魅力のひとつだ。
近くで働く人が、始業前にコーヒーを飲みながらひと息つく姿は、老舗に寄せる安心感を感じさせる。
急ぎ足で通り過ぎる日々。たまにはここで立ち止まり、心の停泊をしてみては?
横浜の玄関口とも言える場所で、色とりどりのフルーツが晴れやかに迎えてくれる。

SHOP INFORMATION

SHOP リトルセーマン
WEBSITE https://www.mizunobubrooks.com/cafe
ADDRESS 神奈川県横浜市西区高島2-19-12 スカイビルB1階
TEL 045-453-6532
OPEN 9:00〜19:00(L.O.18:45)
CLOSE 施設に準ずる

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