真っ赤なバラを味わうパティスリー

10月と言えば、秋バラが美しい季節。四季を通して楽しめるバラですが、中でも秋バラは色が濃く鮮やか。豊かな香りが長く楽しめることで知られています。今回ご紹介するのは、そんな「ビビッドなバラ」をモチーフにした「ローズケーキ」を提供するパティスリー「パッション ドゥ ローズ」。

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場所は、白金高輪駅から徒歩5分。目印は、真っ赤なファサードとドア、そして金色に輝くバラのロゴです。甘い香りに誘われてドアを開けると、店内にはシャンデリアや王冠が飾られ、まるで物語の世界へ迷い込んだかのような雰囲気。ショーケースには約30種類のケーキがずらりと並びます。

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「店内で提供するケーキは、フランス全土のオーセンティックな郷土菓子がメイン。素材にこだわり、甘さ控えめのシンプルなおいしさを追求しています」と、田中貴士オーナーシェフ。ケーキに使うゼリーやジェルは市販のものではなく、一から手づくりし、余計な添加物が入っていない素材を選んでいるそう。

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田中氏は、実に華々しいキャリアを積み上げてきた一流シェフ。2013年4月に自身のお店をオープンするまで、日本やフランスにあるそうそうたる名店で経験を積んできました。たとえば、「タイユバン・ロブション」「BENOIT(ブノワ)」「ピエール・エルメ・パリ」。「ピエール・エルメ・パリ」では、スーシェフをしていたという凄腕です。

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店名は、田中シェフが大好きな「バラ」と、バラの花言葉である「情熱」を掛け合わせたもの。「情熱をもってケーキをつくり続ける」そんな強い志が込められています。

今回は、店名にも含まれるスペシャリテ「ローズ」と、この季節に大人気の「モンブラン」の魅力についてお話を伺いました。

大人気シェフのスペシャリテ「ローズ」

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まずは、「ローズ」(税込580円)。チョコレートタルト生地の上に、ビスキュイザマンドショコラと、真っ赤なクリーム、中にガナッシュがこっそり隠された、お店の看板ケーキです。真っ赤なクリーム部分は、ローズのフレーバーと思いきや、実は、フランボワーズ

田中シェフ単純に、バラの形だからローズのフレーバー、という形にしたくはありませんでした。フランス菓子では、ラズベリーとチョコレートはこれ以上ない極上の組み合わせ。ここで提供するケーキは、50年経っても飽きのこない味でありたい。あれもこれも使うのではなく、よりシンプルな素材とその組み合わせを一番大切にしながらつくっています。

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クリームでつくられた花びらは、とても精巧。一枚一枚、丁寧に絞り出します。さぞかし時間がかかるかと思いきや、「1分とかかりません」(田中シェフ)というのですから、さすが、のひと言です。食感にもこだわり、ゼラチンの量は、搾れるギリギリの量。試行錯誤を重ねながらできあがったお店の代表作です。

チョコレートタルト生地は思った以上にしっかりとしたかたさがあり、主張しすぎないラズベリーの甘さが加わり、とても懐かしい味わい。これぞ、田中シェフの究極のフランス菓子と言えるかもしれません。

3種の異なるクリームでつくる「モンブラン」

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次に、秋の味覚「モンブラン」(税込520円)。生クリームをたっぷり使った日本版モンブランに対して、生クリームは使わず、マロンクリームのみを用いるのがフランス流。

「パッション ドゥ ローズ」では、砂糖の入っていない「ピューレドマロン」、シロップの「パードトマロン」、水分量の多い「クレームドマロン」という3種類のマロンクリームをうまい具合に混ぜ合わせてマロンクリームをつくり上げています。

田中シェフクリームは、フランスの栗の名産地として名高いアルデッシュ地方で採れるブランド「AOCシャテーニュ」を使っています。3種類の異なる味わいのクリームを使うことで、よりフランスらしい、濃厚でインパクトのあるモンブランに仕上がったと思います。もちろん、トッピングの栗もフランスから輸入しています。

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フォトジェニックなケーキがいっぱい

「モンブラン」は残念ながら、季節限定商品で、年内いっぱいで販売終了するとのこと。一流シェフがつくり出す、絶妙なクリームの組み合わせをぜひ味わってみてくださいね。

フォトジェニックなケーキがいっぱい

最後に。ここに来たら、ぜひ焼き菓子もチェックしてください。中でも、「ダックワーズ」は一番人気で、年に1~2回展開している伊勢丹の催事で一日300個を売り上げたことも。ちょっとしたお礼やプレゼントに喜ばれること間違いなしです!

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